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<5日で32000人が署名>与党の暴力採決は認められない!東大名誉教授らが山崎参院議長と鴻池特別委員長に申し入れ
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/701.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 26 日 12:05:05: igsppGRN/E9PQ
 

【5日で32000人が署名】与党の暴力採決は認められない!東大名誉教授らが山崎参院議長と鴻池特別委員長に申し入れ
http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/6625
2015/09/26 健康になるためのブログ



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092602000139.html?ref=rank

与野党議員がもみ合いになる混乱状態の下、参院特別委員会が十七日に可決を決めた安全保障関連法案は、「参院規則の表決の要件を満たしていない」などとして、議決がなかったことの確認と審議続行を求める賛同署名が二十五日締め切られ、署名開始から五日間で三万二千筆を超えた。この日、呼び掛け人の醍醐聡(だいごさとし)東京大名誉教授(会計学)らが、山崎正昭参院議長と鴻池祥肇(よしただ)特別委員長に申し入れた。 


十七日の参院特別委では、民主党が提出した鴻池氏の不信任動議が与党などの反対多数で否決された直後、鴻池氏が委員長席に着席。民主党理事の福山哲郎議員が「これからの議題は何ですか」と話しかけにいったところ、駆け寄ってきた自民党議員らが鴻池氏を守るようにスクラムを組み、少し遅れて委員長席に駆けつけた野党議員ともみ合いになった。怒声が飛び交い、何が起きているか分からない混乱状態の中、与党筆頭理事の佐藤正久議員の手の合図に合わせ、与党の議員らが起立を繰り返した。


 参院規則や委員会先例録には、採決するときに委員長は議題を宣告した上で、賛成議員の挙手か起立で多数か少数かを認定し、結果を宣告するなどと規定されている。十八日に出された未定稿の速記録では「発言する者多く、議場騒然、聴取不能」としか記載されていない。


 醍醐氏は「ネット中継などをみる限り、委員長の議事進行の声を委員が聞き取れる状況になかったことは一目瞭然。委員長も動議提出の声を聞き取り各委員の起立を確認できる状況になかったことは明らか」と批判。二十五日の会見で「何らかの形でさらにしつこく追及していくことが必要ではないか」と訴えた。


安保採決無効と申し入れ 学者や弁護士が参院議長らに


以下ネットの反応。














【人間かまくら】安保特別委員会の採決は「自民党」の暴力か?事前に懐中電灯を用意!民間人である議員秘書の乱入の疑いもあり国会法違反の疑いも!
http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/6252


テレビでは面白おかしく「与野党議員が入り乱れる中採決」みたいに報じられたそうですが、この採決モドキは完全に自民党の暴挙です。ある意味「もう、暴力的に支配しちゃうぞ」という宣言ですね。


ネトウヨはこんなことにも気づかずに、自分たちを暴力的に支配しようとしている政権を応援するのですから、なにを考えているのかま〜ったくわかりません。



 

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コメント
 
1. 北の吟遊詩人 2015年9月26日 12:25:41 : 3lfvZQ5gr4BHg : Kpq7df7vXg
このまま続けて30万くらい行きたいですね!
最終的には100万くらい?
元教授の超党派でのライフワークにしていただきたい。

2. 2015年9月26日 12:45:48 : YxpFguEt7k
エロヒゲの「おっぱい付近グリグリ罪(本人謝罪)」も許すな。

3. 2015年9月26日 13:06:13 : OO6Zlan35k
新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く
【第130回】 2015年9月26日 降旗 学 [ノンフィクションライター]
豪で増えすぎたコアラを安楽死、どこかおかしい動物愛護派の主張

シルバーウィークの最終日に、ちょっと悲しいニュースが入ってきた。

オーストラリア・ビクトリア州政府は、メルボルンの南西約一五〇キロにあるケープオトウェイ国立公園で増えすぎたコアラを三〇〇〜四〇〇頭ほど調査し、健康状態が良くないと判断した場合、「安楽死」させることにしたというニュースだ。

コアラと言えばオーストラリアのシンボルである。オーストラリアと言えば誰もが真っ先に思い浮かべる動物でもある。オージー(オーストラリア人の略)は、日本の捕鯨にはあれだけ反対しているくせに、自国のシンボルは平気で殺処分しようとしているのである。まさに、Oh! Gee! ではないか(クリスチャンの方がお読みになっていたらお詫びします)。

オーストラリアは、今年三月にもコアラの過剰生息が餓死につながるとして七〇〇頭ものコアラを「間引き」していた(五月には判明しただけでさらに四十八頭)。遡れば間引きの数はもっとになるに違いないが、殺処分はコアラだけかと思いきや、彼らはやっぱりオーストラリアの人気者カンガルーを三万〜七万頭前後、毎年のように射殺、あるいは撲殺してもいるのだそうだ。

牧場や農園を荒らす、コアラと同じように数が増えすぎたとの理由で牧場主などには「狩り」の許可がおり、彼らがカンガルーを「狩る」のだ。かつて彼らの祖先がオーストラリアの先住民族アボリジニを狩っていたように(アボリジニ狩りは入植白人たちの週末の余興だった。翌日の新聞には、誰々が××人、アボリジニを仕留めたという記事が載ったほどだ。実話です。私はシドニーの州立図書館でその記事をコピーしてきました)。

そして、狩ったカンガルーの肉は食用に販売される。なんかおかしくないか?クジラはダメだが、コアラやカンガルーは殺してもいいのか?オーストラリアの生態系コンサルタントが言うには、カンガルーの数はむしろ大幅に減少しているらしいってのに。

オーストラリアは、かつては日本を凌ぐほどの捕鯨大国だった。イギリス人の入植が始まったのが一七八八年。それから約二〇〇年後の一九七九年に捕鯨禁止を定めるまで、オーストラリアは大々的にクジラを獲っていた。メルボルン近郊の海岸部には鯨漁港がいくつもあったくらいだ。

オーストラリアは羊毛の輸出が盛んだが、一八三三年まではクジラ製品の輸出量が羊毛を上まわっていた。彼らはクジラから油を取り(鯨油)、骨をコルセットや傘の骨に使い、マッコウクジラからはクジラ蝋や竜線香(香料)を取り、歯は彫刻にしていた。

だが、何故か何だかどーしてか、彼らはクジラ肉を食べなかった。いまもなおアフリカでは、象牙の売買のみを目的に象を殺し顔を剥ぐ無慈悲な密猟者が後を絶たないが、オーストラリア人がやっていた捕鯨はそれと同じようなものだ。油や香料を取るためだけの捕鯨だったのだから。

オーストラリアが反捕鯨に転向したのは、ひとつに、クジラそのものの数が減少し獲れなくなったことがあるが、社会の近代化が進み、たとえばガスが普及することで鯨油の必要性がなくなったり、さまざまな新素材が開発されたことが大きい。鯨の骨や油を原料にしなくてもよくなったからだ。鯨食をしなかったことも、大きな理由のひとつになっているようにも思う。

そして、オーストラリア人は何をやったか――?

国の方針を反捕鯨に転じると、かつてクジラ捕鯨用だった漁港を、ホエールウォッチングの町に変貌させたのだ(とりわけメルボルンから南下した海岸線にはクジラが出産と子育てにやってくる。母子クジラを見ることができる)。

そこで、こんな皮肉も言われる。オーストラリアのホエールウォッチングは重要な観光資源のひとつでもあり、産業収入は推定で十四億ドル(約一七〇〇億円)にのぼる。日本にクジラを獲られたら自国の観光収入が無くなるから、彼らは捕鯨に反対するのだと。

ちなみに、オーストラリアの世論調査(二〇一〇年実施)では、実に九四%ものオーストラリア人が捕鯨に反対しているという結果が出てもいる。オーストラリアは、環境テロリスト集団シー・シェパードの大事なスポンサー筋のひとつでもあるのだ。

クジラはダメだがコアラやカンガルーは狩ってもいいと言うオーストラリア人の二枚舌にあ然とさせられ、シー・シェパードともなればクレイジーの一言に尽きるが、日本人の「動物愛護」にもあんぐりしてしまうようなおばかさんたちがいる。

〈動物が虐待されて殺されていても平気なんですか〉
〈人はみな小さな命をも慈しむ心を育むべし!〉

御柱(おんばしら)で知られる長野県の諏訪神社では、毎年元旦に「蛙狩(かわずがり)神事」が行なわれる。社の前を流れる御手洗川でカエルを二匹捕まえ、矢で射抜き、神前に捧げるのだが、さきに紹介したコメントは、一〇〇〇年も続く伝統行事に異を唱えた人たちの声だ。諏訪神社の氏子・笠原雅男氏が取材に応えている。

「動物を大切に、という気持ちは否定しませんが(中略)何より許し難かったのは、一人の女性が御手洗川に踏み入り、氏子がカエルを捕まえるのを阻止しようとしたことです。

神社にとって、神事の際にカエルのいる場所は“聖域”で、宮司でも入らない。しかし、彼女はそこを踏み越えて“やめろ”“カエルを殺すな!”と叫びながら捕獲をとめようとした揚げ句、勢い余って滑って川に転がった。神さまに対して失礼極まりない行動です」

諏訪神社に抗議をしたのは「全国動物ネットワーク」という組織らしいが、妨害という暴挙に出るのはシー・シェパードとやり方がまったく同じだ。いっそのことランド・シェパードと名乗ってもいいような気もするが、ネットワーク代表者も取材に応えている。

「世界の動物愛護の潮流を潰すような記事を書くんですね?蛙狩は違法行為だから、国民が違法と声を上げて、何がおかしいんですか?来年も抗議しますよ」

なんだか安保法案審議の際の反対派みたいな台詞だが、神聖な儀式を土足で踏みにじるようなモラルしか持ちあわせていない団体に「違憲」と言われても氏子さんも宮司も困るだけだ。動物愛護団体というのは、こういうところが多いのだ。

いびつな愛護運動は日本の伝統にも噛みつく。「闘犬」もターゲットにされているらしい。昨年十月、NPO法人「全土佐犬友愛連合会」が静岡県富士市で「第八〇回土佐闘犬全国大会」を開催したときのことだ。抗議がすごかったのだそうだ。

〈犬が闘ってるんだから飼い主も犬の決着がつくまで殴りあうくらいしてください。犬だけしなければいけない理由はありませんよね〉

〈お前らイカれた連中じゃ無ければすぐやめろ。やるならテメェらで勝手に殺しあえ。その方がよっぽどいい。むしろ面白いし最高犬がかわいそうなんだよ〉(原文ママ)

〈貴方たちは何故そんな残酷なことを犬に指せるんですか?貴方たちがやってる行為は人として最低です。闘犬に参加する犬の気持ち考えたことあるんですか?もしわかんないなら、闘犬じゃなくてお前らで闘人始めろ〉(原文ママ)

このように、動物を愛する方々というのは、動物には優しいが人には手厳しい人たちみたいだ。動物にはソフトに語りかけるその口で、人には「お前ら」「テメエら」と呼ぶようなエゲツない人たちでもある。

抗議を受けた全土佐犬友愛連合会の今井勝男会長代行が説明する。

「たとえば、彼らのSNSを見ると、犬が血まみれで噛みあっている写真が掲載されていました。どうやら海外の闘犬の写真のようですが、なぜかこれをうちがやらせていることになっていたんです。いくら違うと説明しても、全く聞く耳を持ってくれません」

シー・シェパード製作の映画『ザ・コーヴ』には、太地町の海が血で真っ赤に染まる場面が映し出されるが、あれは「インチキ」で、イルカ漁が残酷だと訴えるために連中が加工した映像だった。それと同じことが、日本の動物愛護の方々のSNSで起きているようだ。

「訓練のため、一方的に噛まれる役をさせられる“噛ませ犬”がいる、と抗議してきた人もたくさんいましたが、そんな犬はいない。闘犬と言っても殺しあいをするわけではなく、にらみ合いで先に吠えたら負け、啼き声を上げたら負けなどのルールがあって、ひどい苦痛を感じるまで闘わせるなんてことはないんです」

抗議があるたびに、今井代行は、闘犬を見に来てほしい、その上で問題があったら意見してほしいと説明しているのだが、これまでに見学で訪れた動物愛護派は皆無だそうだ。見に来ない代わりに彼らは県庁に連絡を入れ取り締まるよう要請し、県の職員が視察に来たが、終了後、残酷とは思わないとの理由から何の指導もなかった。動物愛護の人たちは、どうして物事をこじらせるのだろう。

大笑いの事例もある。

昨年九月、山形県で六〇代男性がキノコ採りに出かけた際、体長一・八メートルのツキノワグマに襲われた。男性はスパイク付きの地下足袋でクマを蹴り撃退したのだが、地元紙と在京スポーツ紙がこのできごとを報じたところ、アンビリーバボーな展開が待っていた。小国町農林振興室の担当者が言う。

「本件が報じられた直後から電話やメールで抗議が相次ぎました。中には、

“クマが殺されるかと思うと夜も眠れない”
“かわいそうなクマのことを考えると精神状態がおかしくなる”
“そもそもキノコはクマの食べもの。山の中に入らなければいい”

というものもありました」

ガリレオみたいなこと言っちゃいますよ。実におもしろい。アホっぽくて。

そこで、私は思った。さきの安保関連法案に反対した人たちの多くは「戦争法案」という言い方をしていた。自衛隊を戦地に送るな、徴兵制反対、子どもたちを戦場に送るなとを叫んでいた人もいたようにも思う。

だが、何故か何でかどーしてか、不思議なことに、動物愛護の人たちから、戦地の動物を殺すなという意見はなかったね。クマに襲われた男性より、人を襲ったクマが気になって夜も眠れないのだから、そんな人たちこそ空爆され、流れ弾が飛び交い、森を焼かれる動物たちの安否を気にしなければならないのに。

私が言うのは嫌味だが、評論家の呉智英氏がばっさりと斬る。

「むかしは鶏肉を食べたければ、家庭で鶏を解体するのが当たり前でした。しかし、豊かになるとともに、そういう場面が日常から消えてしまった。代わりに、あえて人間の“業”に目を向けず、純真で、ブリッ子的な動物愛を押しつけてくる事例が目立つようになったのでしょう」

動物愛護の精神というのは、実は滑稽なものなのかもしれない。

参考記事:読売新聞9月23日
週刊新潮10月1日号
http://diamond.jp/articles/-/79000


[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

4. 2015年9月26日 13:13:13 : LY52bYZiZQ
2015年9月26日(土)
戦争法採決は「不存在」

学者ら申し入れで会見

署名3万超に

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-26/2015092614_02_1.jpg
(写真)記者会見で「申し入れ」・賛同署名について報告する醍醐氏ら=25日、衆院第2議員会館
 学者や弁護士、作家らが呼びかけ人となった「安保法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める有志」は25日、衆院第2議員会館内で、山崎正昭参院議長と鴻池祥肇参院安保特別委員長への「申し入れ」と賛同署名についての記者会見を行いました。同日午前10時までの5日間でネット署名中心に3万2101人の賛同署名が集まったことが報告されました。

 「申し入れ」は、参院特別委での安保関連法案(戦争法案)など計5件の「採決」なるものを強行したことは「憲政史上、稀(まれ)にみる暴挙」と指摘、参議院規則の採決の要件を満たしておらず審議は未了だとして、法案の審議再開を求めています。

 記者会見には、呼びかけ人の醍醐聰(東京大学名誉教授)、小中陽太郎(作家・ジャーナリスト)、澤藤統一郎(弁護士)、清水雅彦(日本体育大学教授)らの6氏が出席。醍醐氏は「『採決』なるものはそもそも存在しない。廃止の運動を広げるにあたって、このことを大事にしていきたい」と話しました。

 小中氏は「テレビ中継などをみても採決不存在は明らか。署名で寄せられた声をむだにしないようにさらに運動をすすめていきたい」と述べました。

 会見に先立ち、山崎参院議長あての申し入れ書・署名を提出。鴻池安保特別委員長あての申し入れ書も提出しましたが、この日は署名は受け取らないとの対応だったと報告しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-26/2015092614_02_1.html


5. 2015年9月26日 13:22:20 : OO6Zlan35k

2015.09.25 Fri
国際政治の視点から改めて考える安保法案
植木千可子×荻上チキ

9月19日の参議院本会議をへて、成立した安全保障関連法案。しかし、現段階で集団的自衛権の行使については具体的な説明がされておらず、国民の理解を得ているとは言い難い。この法案についてこれまで憲法学の視点では多くの議論が交わされてきたが、まだ十分に議論されていない点として安全保障と国際政治の視点から、専門家の植木千可子さんに解説して頂いた。TBSラジオ「荻上チキSession22」2015年07月17日(金)「安全保障・国際政治から考える安保法案」より抄録(構成/大谷佳名)

■ 荻上チキ・Session22とは
TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホームページはこちら → http://www.tbsradio.jp/ss954/


軍事と安全保障のリアリズム

荻上 今夜のゲストを紹介します。早稲田大学教授で安全保障がご専門の、植木千可子さんです。よろしくお願いします。

植木 よろしくお願いします。

荻上 植木さんが安全保障に興味をお持ちになったきっかけは何ですか。

植木 もともとのきっかけは、イギリスの高校に通っていた時のことです。クラスメイトにとても可愛らしい、何人もボーイフレンドがいるような女の子がいました。

ある日、彼女が授業の部屋に来たとき、ちょうど机の上にナチスの鉤十字が書かれていた雑誌が置いてありました。突然、彼女は泣き叫んで、持っていたボールペンでそのページが10枚くらい破れるほど鉤十字を塗りつぶした。

とても幸せそうな彼女が戦争やホロコーストのことを考えているなんて、と衝撃を受けました。それを見て、世代を超えてこんなに深い傷を残すものとは一体何なのだろう、と考え始めたのがきっかけです。それからずっと平和や戦争について関心を持っていました。

荻上 それからさらに、軍事的なリアリズムを体系的に身につけようと思うようになったのはなぜですか。

植木 上智大学の大学院の時に戦争をどうやったら止められるだろうかと研究し、世論が大事だろうと考えて、朝日新聞の記者になったんです。その後、アメリカに渡りマサチューセッツ工科大学に行ったのですが、そこで行われていたのは「地上何メートルで原爆を落としたら効果は最大になるか」といったリアリズムに基づいた授業でした。最初は、なんてところに来てしまったのだろう、と思いました。戦争好きの集団のように見えたからです。しかし、そのうちに、先生も学生たちも、平和をどのように維持できるかを真剣に考えていることに気づきました。

日本にいた頃は、手をつないで平和を願っていれば平和になると信じていたんですけれども、やはり平和のためには軍事のことを分かる必要があると思うようになったのです。

荻上 軍事や安全保障のリアリズムを知らなくては語れないということですね。今回の安保法制では反対派は憲法論の観点から、賛成派は安全保障の観点からのアプローチで、議論のフェーズがなかなか噛み合ってきませんでした。双方どっちも大事な議論なんですけども、両方が両方のステージで語るということが必要になりますよね。

植木 特に、憲法違反かもしれないことをあえてしてまでも法制化しようとしているのであれば、少なくとも安全保障の面で効果的かどうか検討する必要があると思います。


日本を取り巻く安全保障環境の変化

荻上 安倍総理は今年の5月に安全保障関連法案を閣議決定した際に次のような発言をしています。

『北朝鮮の数百発もの弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れています。そのミサイルに搭載できる核兵器の開発も、深刻さを増しています。我が国に近づいてくる国籍不明の航空機に対する自衛隊機の緊急発進、いわゆるスクランブルの回数は、10年前と比べて実に7倍に増えています。これが現実です。そして、私たちはこの厳しい現実から目を背けることはできません。』

というわけで、安倍総理は「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているために安保法案を整備する必要がある、それは日本人の命を守るためだ」と繰り返し主張しているわけですが、日本を取り巻く安全保障環境の変化は実際にどのようなものなのでしょうか。

植木 端的に言うと「厳しくないから厳しい」と言えます。この変化を読み解くポイントは、アメリカの力が低下し、中国が台頭していることです。

まず、アメリカについてお話できればと思います。アメリカはアフガニスタンとイラクでの戦争もあり、国民全体が戦争疲れをしています。

この変化は、意識調査にも表れています。1960年代には「世界はそれぞれの国に任せて、自分達は自分達のことをやっていけばいいんじゃないか」というのに賛成だと言った人は全体のわずか20%でした。しかし2013年には52%にまで上がった。

しかも財政削減で国防費が減らされていますので、今までのようにアメリカが「世界の警察」となり世界の安全を守ろうという機運は後退しているのです。

もう一つは中国の台頭です。これまでアメリカは圧倒的に強い状態であまりコストをかけずに色々な戦争に介入していくことができたわけです。しかし、東アジアで中国の力が伸びてくると、それだけ介入するコストが高くなります。アメリカに直接的な問題ではない場合は介入を躊躇するようになりました。

冷戦時代は、日本は西側諸国のとても大事な豊かで技術もある国でしたので、ソ連が日本を攻撃してきたときに、アメリカや西側の他の国が守らないということはありえなかったわけです。しかし今は、アメリカの力が低下して中国の力が伸びていて、しかも日本がさほど重要ではなくなった。

先ほど「厳しくないから厳しい」と言ったのはこの意味です。もし中国が本当にかつてのソ連のような脅威であれば、中国が日本に何かしたときには必ず守られるでしょう。しかし、多くの国にとって中国は経済的に大事なパートナーですし、対立する必要はありません。

荻上 中国が「共通の敵」のような位置づけであったとしたらアメリカが守ってくれるけれども、日本といくつかの国とのバランスが悪い程度であればアメリカも介入するのを嫌がるだろうということですか。

植木 嫌がるというか、それだけの価値がないかもしれないということですね。

総理は航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)した回数に言及していますが、冷戦の時の方がその数は多かった。最近のロシアやかつてのソ連と比べても、今の中国がやっていることや北朝鮮が持っている能力というのは、より厳しい脅威になるようなものではないでしょう。

荻上 10年前の7倍というのはよく指摘されることですが、一番スクランブルが少なかった時期と比べているという話があったりしますよね。ただ、それでも10年前と比べれば増えている。ただし、質的な変化もあるので、今のような文脈を抑えなくてはならないのですね。

植木 もちろん、北朝鮮のミサイルも核兵器開発も、ずっと問題視されてきましたが、一方でかつてのソ連やアメリカは数千発の核兵器を持っていました。それに比べて数発というのはやはり随分と力にはまだ差はあるのです。ただ、問題を解決することが難しいという状況だということは事実です。


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このままでは済まされない

荻上 そうした中で、安保政策を転換する必要性はどこにあるのでしょうか。

植木 一つは、日米同盟を強化することでしょう。日本国内でも「本当にアメリカは日本を守ってくれるのか」という声が出てきます。国内だけならいいですが、よその国から見ても「アメリカは日本に協力しないのでは」と認識されると困ります。

荻上 「日米関係を強化する」という説明を対外的には安倍総理もしているんですが、一方で国内向けにはアメリカの戦争に巻き込まれることはないんだと言っている。「日本人の幸福が根底から覆されるような緊迫した状況」に限定して語っていますが、このあたりについてはどう評価すればいいのでしょうか。

植木 必ずしも日本人の命を守るということが想定されているわけではないんですね。よく、「このまま日本が何もできないままでは済まされない」と言われます。

これは国としてのあり方に関する議論です。つまり日本はアメリカに守ってもらえるのに、日本はアメリカを守らない、これでいいのかという議論ですね。例えば岡本行夫さんや元自衛官の香田洋二さんもこのような提起をされています。

あとは、守ってもらえなくなるんじゃないか、という意味での「このままでは済まされない」ですね。外務省の方もこの法案の必要性を訴えていますけれども、それは日本の発言力や影響力の低下を懸念して、外交の道具としての安全保障、軍事貢献という話です。

もう一つ考えないといけないことは、今起こっている変化に、アメリカの力の低下、ヨーロッパの財政問題、その他中国もインドもそれぞれの国が国内の問題を抱えていること。すると問題として考えられるのは、だんだん世界が住みにくい場所になっていくということです。

どこかの国で治安が乱れて、それが他の国から放置されたまま進んでいくと、国内の安定が乱れてテロの温床になっていく。更にそれが国境を越えて広まり、気が付いたら段々と人権も犯され、治安が乱れ、世界が安定しなくなる。

日本は世界で2、3番目に豊かな国なのに、あまり国際的・軍事的に協力していないとか、孤立主義とか、タダ乗りしているとか時々言われるのですが、私はタダ乗りできているうちは、問題はそれほど大きくないと思うんですね。

しかし、タダ乗りできる電車が走らなくなってしまったらどうなるか。国際システムがもたなくなるという心配はしないといけないな、と思います。それは今のことではなく、何年も先のことですが、少しずつ変化の始まりは起こっているのでしょう。

荻上 50年後の国際秩序を安定させるために、日本というプレーヤーがどう役割を果たしていくのかといえば、今はアメリカに守ってもらいつつ、アメリカと行動を共にすることで、覇権を維持してきたのが、プランを変更しなければならない状況に追い込まれているということですかね。

植木 今まではアメリカ一国が中心に引っ張ってきた国際システムですが、それがダメになる前に緩やかな形で次の体制に移行していき、ロシア、中国、インドのような国々も含めて集団で支える、安定的で協調的な体制を作っていく必要があります。


国際安全保障と『保護する責任』

荻上 日本の発言力が低下している今、日本の振る舞いは国際社会の中でどう見られていくのでしょうか。

植木 国際主義とは、自国の安全や繁栄だけを追求するのではなく世界全体のことを考え、被害者が誰であれ不正に対しては協力して戦っていくことです。それの極にあるのが孤立主義です。

日本は、自分が攻撃されたときだけ反撃する平和主義で、それはそれで安全保障上とても意味のあることです。ただ一面では、日本人の命は大事だけれど他の人の命が失われていても日本は何もしないんだ、ということにも繋がります。

R2P(Responsibility to protect)といって、国連は人間の安全保障という意味での『保護する責任』を求めています。つまり、国家がちゃんと安全を提供できない状態、あるいは国家そのものが国民を迫害しているような場合は、国際社会にその人たちを守る責任がある。

人道的に助けるという以上に、「責任」があるのだと言っています。世界はそっちの方向に動いていますし、「日本もその一員になってくれ」という要請はあります。そうしてみると、今回の集団的自衛権の容認について、政府は、日本国内ではもっぱら日本人の命を守るために必要なのだ、と説明していますが、諸外国は日本が国際主義に転換したと受けとめている。そこには認識のズレがあります。

荻上 邦人の安全を守ることに限定したとしても、邦人がどこに行っても安全に移動できるためには、国外の環境にも目を配る必要がありますよね。日本では集団的自衛権の話ばかり注目されていますが、国際的には人間の安全保障のための活動がより求められているのでしょうか 。

植木 考えなければならないのは、国際社会での日本の評価ではありません。日本が世界をどう見て、大事なものをどう守っていくか。それを合理的に判断し、分析することが重要になってきます。その上で「日本が一体何がしたいか」という議論は、今はほとんどされていないと思います。【次ページにつづく】

戦争が起こるメカニズムと抑止力

荻上 戦争が起こるメカニズムとはどういったものなんでしょうか。

植木 戦争はある日突然始まるのではなくて、それぞれの国が大切に思っていることについて争っていて、それが話し合いでは解決できないから実力に訴える、という話になります。

では、どんなときに戦争が起こりやすくなるのか。まず一つは、勝敗の結果に対する不一致があるときです。つまり、双方の国が戦争すれば勝てると思っている、あるいは負ける方の国が勝てると読み間違えている場合です。そうでなければ、最初から戦争をせずして解決できるわけですから。

しかし、戦争したら負けるとほとんどの国民が思っていても、国内ではそう言いにくい環境だったり、 情報が足りなかったりすると、国の指導者の間で共有され難くなります。

荻上 言論の自由がないとか、自由があっても抑圧的なムードが高まったりした場合も判断を誤りそうですよね。他に、戦争が起こるにはどんな条件があるのですか。

植木 よく私は「タイムセールの危険」と言うのですが、 早い者勝ちという状況は非常に戦争の危険を生みやすいです。機関銃やミサイルなど攻撃優位の兵器がありますが、これらは先に仕掛けた方が優位に立つと考えられています。

また、短期楽勝だと考えている時も危ないです。外交交渉が煮詰まっていても、「実力を行使すれば簡単に解決できる、軍事的・技術的にそれが可能だ」と信じている時です。また、お互いに短期楽勝だと思っているとより危険です。

そもそも、過去の戦争を見てみると、短期楽勝なんて勝った方にとってもありえないのです。2003年に始まったイラク戦争でも、始まった2ヶ月後にはブッシュ大統領が戦闘終結宣言に近いことを言っていました。ところが太平洋戦争よりも長い期間ずっと戦いは続き、未だにイラクの情勢は混沌としています。

荻上 戦争の危険を抑止するためにはどうすればいいんですか。

植木 リーダーたちがしっかりと戦争の悲惨さを分かる必要があります。

よくこんな例えをします。もし未来が見える水晶玉があれば、戦争を防げるのではないか。戦争をすれば悲惨なことが待っている、それを見せてくれる水晶玉があれば、片方の国が相手の国にそれを見せて説得すれば、思い止まらせることができるのではないか。

水晶玉をのぞいて、勝てるのではないかと攻撃を考えている国に対して、勝てないというより鮮明な水晶玉に映る景色を見せること、これが抑止になりますよね。戦争を仕掛けたらどういうことが起こるのか、しっかり認識させることが必要なのです。


手の内を明かすメリット

安倍総理は、集団的自衛権行使容認の閣議決定をした去年の7月と、安保法案の閣議決定をした今年5月の会見で、それぞれ次のように話しています。

『万全の備えをすること自体が、日本に戦争をしかけようとする企みを挫く大きな力を持っている。これが抑止力です。』

『もし日本が危険にさらされたときには、日米同盟は完全に機能する。そのことを世界に発信することによって、抑止力は更に高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます。』

この発言に関してはどうお考えになっていますか。

植木 総理の意図するところは、先ほどの水晶玉の話と同じだと思います 。「攻撃したら日米同盟が機能するので勝てないぞ」と言って、軍事力を使わずに思い止まらせようということでしょう。

しばしば抑止力は軍事力とほぼ同じ意味で使われていますが、抑止とはもっと複雑なことで、 それには二種類あります。一つは懲罰的抑止。攻撃したらば報復するぞ、ということです。もう一つは拒否的抑止。攻めても成功しないぞ、と拒否することです。

懲罰的抑止は核戦争において考えられることで、最初に核ミサイルを撃っても、相手も同じように核兵器で報復してくるのでどうしても勝てない、というものです。しかし日本や多くの国がやろうとしているのは核戦争ではないので、最近言われているのは拒否的抑止です。つまり、通常の兵器で強い軍備を持って、相手に攻撃させないようにすることです。

荻上 安倍総理は力をつけること、そして日米関係を機能させることが抑止力なんだと言ってました。しかし、具体例を挙げてくれと追求する野党に対しては、それを明らかにすると抑止力が下がるんだと言って避け続けていますよね。これはどう理解すればいいんですか。

植木 総理は、具体的な事例を示すと細かい所の議論で守りにくくなるとか、外交的に支障があると思っているのかもしれません。もしくは、手の内を見せないほうがいいと何度もおっしゃっているので、本当にそう信じている面もある気がします。しかし手の内を見せると抑止が下がるというのは誤解で、本当は手の内を明かしたほうがいいのです。

そもそも、抑止が成功する条件は3つほどあります。

一つは、反撃する軍事的な実力があることと、それを使う意図があることです。ここが今日本で強くしていこうと考えられている一部だと思います。

二つ目は、「こちらには実力があって、それを使う意図があるんだ」と相手の国に正しく伝達することです。このためには、日頃から意思疎通ができていること。さらには、危機に際しても意思の確認ができる制度が必要です。はったりで言っているのではない、と相手に信じさせるためには、一定の信頼関係も必要です。

三つ目は、お互いが状況を共有していることです。例えば「橋を越えたら反撃するぞ」という場合は、逆に言えば橋を越えなければ絶対に攻撃しないのであって、それを相手にはっきりと理解させることが重要です。そうでなければ、越えなくても攻撃されるなら越えてしまえ、となります。これは安心供与と言われていますが、抑止を成功させるためには、脅すだけでなく、安心させることが、とても重要なことだと考えられています。

つまり、外から見て何をするのかはっきり予測できれば、抑止は成功するのです。例えば北朝鮮のような国は、何をするのかわからないので周りの国が少し警戒しています。他方、ソウルを火の海にする、と脅してもハッタリだと思い、他国は真剣に受けとめません。

しかし、日本のような大きくて民主的な国は、手の内を明かして国内の議論を透明化させたほうがいいのです。首相だけでなく、普段は意見が違う野党も世論も皆、同じことを言えば、それだけ信憑性が高くなる。この一線を越えれば、日本は必ず反撃する、と産経新聞と読売新聞だけでなく、朝日新聞も毎日新聞も赤旗までもが統一していたら、それは明確なシグナルになります。


安全保障のジレンマ

荻上 安全保障の内実を示すことについて考えるために、民主党の長妻昭議員と安倍総理のやり取りが5月26日特別委員会で行われました。

長妻議員『総理は抑止力ということをよくおっしゃります。抑止力が高くなるから全体として安全が確保できると。しかし安全保障の世界には、セキュリティジレンマ、安全保障のジレンマという言葉があるわけですね。これは総理もご存知だと思いますのでご説明いただければ。』

安倍総理『安全保障のジレンマというのは、抑止力を効かせるためにこちらが軍事力を増長していくことによって、相手方も反応していくということです。ただ、それは抑止力を全く効かせなくていいというわけにはいかないわけで、しっかりと抑止力を効かせていく中で外交努力をしていくというのが当然のことだろうと思います。』

長妻議員『抑止力を高めていくと、相手も抑止力を高めて、どんどんエスカレーションして結局は抑止力が効かなくなる。こういうリスクも考えていかないといけないと申し上げたわけです。』

安倍総理『先ほどの、言わば抑止力のジレンマについて言えば、相手が色んな疑念を持ってくるということにも繋がっていくわけではありますが、我が国の場合は透明性を持っています。100%透明性を持って、防衛費も防衛力についてもお示しをしているわけですから、我が国がどれくらい大きいものを持っているんだろうという他国の疑念の中において、さらに自分たちの軍事力を増やしていくということには、基本的にはならないということは押さえておく必要があるんだろうと思います。』

日本は透明性を確保しているから、ジレンマは起こらないんじゃないかという話ですが、植木さんどう思われますか。

植木 安全保障のジレンマというのは、意図に対して起こるものです。日本はどのような武器を保有しているか、という軍事的な装備については、比較的透明にしているというのは確かです。100%明らかにしているかどうかは別として。

しかし、日本自身は防衛目的で持っていると思っている軍備を、他の国は攻撃のために持っているのではないかと疑う可能性もあります。そうなると、防衛のためにとった行為が、相手の軍備を強くしてしまう結果を招き、安全保障を下げることになる。これが安全保障のジレンマと言われています。

手の内を見せなければ、日本が持っている軍事力がどんな時にどのように使われるのか明白でないので、安全保障のジレンマが起こるのです。

荻上 抑止力と外交努力の二つが注目されがちですけど、その間にあるような透明性の確保や説明力が双方にとって効いてくる、それが欠けると双方がだめになるということですね。


日米同盟は抑止力になるか

荻上 こんな意見が届いています。

『集団的自衛権の行使容認によって、日米同盟がより強固なものとなるため、北朝鮮や中国にとっては大きな 牽制になると思います。しかし、アメリカと軍事的に強く結び付くということは、日本人がまたテロの標的にされる危険性もあります。』
ということで、抑止力が向上する分、リスクもあるという指摘もあります。

植木 集団的自衛権をある場面においては行使してアメリカを守る、あるいは活動範囲を広げてアメリカや他の国の後方支援をすることで、協力関係が強くなります。そうなることで、日米を攻めたらこんな結果になると見せる効果があると思います。また、平時から日米が一緒に訓練し、軍事的に高いレベルの協力ができることを他の国に見せるのが抑止には重要だと政府は考えています。

しかし問題なのは、いったい何を抑止しようとしているかが見えないことです。具体的に、中国が何をしたらば阻止するのか、その一線が見えない。これを越えなければ何もしないという安心供与もできていない。それが国内でも日米間でも議論されてないと思います。そういう意味では、抑止は成功しないかもしれないと言えます。

荻上 個別的自衛権ではなく集団的自衛権でなければ抑止力が高まらないというのは、どういった筋書きで議論されているんでしょうか。

植木 いくつかあると思うのですが、高度な訓練を普段からして相手に見せるというのが一つと。あとは世界的な構造の変化を考えると、他の場面でアメリカを守るからと言って日本を守ってもらうことを担保する仕組みだと思います。

荻上 日本国内においては、アメリカの覇権秩序が崩れることに対する懸念はあまりありませんよね。ですからパワーバランスを変えないように対抗するのではなく、こちら側がこうするからもっと守って、というような発想が強いということですか。

植木 国際社会の大きな変化を感じて段々住みにくい世界になることを心配している人が、政府の中にも外にもいるのは確かです。しかし今回の安全保障法案については早い段階で国連の中での集団的自衛権は使わないと言っているので、そちらの方の問題はあまり重視されていないのかなと思います。

荻上 最後に、これからの議論でどういった点に注意が必要でどういった議論をしてほしいと思いますか。

植木 どこに線が引かれているのか明確になることが大事だと思います。そうでないと抑止が成功しないですし、安全保障のジレンマが起こる危険があります。国民の議論が外から見えることで、何をするか分からない国ではないということに繋がるんだと思います。


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平和のための戦争論: 集団的自衛権は何をもたらすのか? (ちくま新書)
著者/訳者:植木 千可子
出版社:筑摩書房( 2015-02-04 )
定価:¥ 886
Amazon価格:¥ 886
単行本 ( 253 ページ )
ISBN-10 : 4480068147
ISBN-13 : 9784480068149

荻上チキ(おぎうえ・ちき)
評論家 / シノドス編集長
1981年生まれ。シノドス編集長。評論家・編集者。著書に『ネットいじめ』(PHP新書)、『社会的な身体』(講談社現代新書)、『いじめの直し方』(共著、朝日新聞出版)、『ダメ情報の見分け方』(共著、生活人新書)、『セックスメディア30年史』(ちくま新書)、『検証 東日本大震災の流言・デマ』(光文社新書)、『彼女たちの売春』(扶桑社)、『夜の経済学』(扶桑社 飯田泰之との共著)、『未来をつくる権利』(NHK出版)、編著に『日本を変える「知」』『経済成長って何で必要なんだろう?』『日本思想という病』(以上、光文社SYNODOS READINGS)、『日本経済復活 一番かんたんな方法』(光文社新書)など。

荻上チキ Sasyuracom-22(おぎうえちき・せっしょん22)
TBS RADIO 954kHz
毎週月〜金 22時〜24時55分(金曜日は23時55分まで)放送。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」など柔軟に形式を変化させながら、番組を制作。
番組HP http://www.tbsradio.jp/ss954/

植木千可子(うえき・ちかこ)
国際関係論
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。マサチューセッツ工科大学(MIT)国際研究センター・安全保障プログラム客員研究員。専門は、国際関係論と安全保障。麻生内閣で首相の諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員を務める。朝日新聞記者、防衛省防衛研究所主任研究官などを経て現職。MIT博士Ph.D.(政治学)。現実的な視点に立つリベラルな安全保障の専門家として注目されている。著書に『平和のための戦争論』(ちくま新書)など。
http://synodos.jp/politics/15202/2

[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

6. 2015年9月26日 13:34:53 : iwbIZtaj3I
>3 社の前を流れる御手洗川でカエルを二匹捕まえ、矢で射抜き、神前に捧げる

 こういう残虐な行為を神聖だと思ってる人たちが怖い。
悪魔崇拝の児童虐殺も伝統だから神聖なんですかね? いい加減目覚めなさい


7. 2015年9月26日 15:54:22 : LY52bYZiZQ
2015/09/25 「SEALDsの誠実さと感覚的な新しさをどう国民に広げるか、これは僕らの役割だ」――民主・福山哲郎議員に岩上安身が訊く! 共産党「国民連合」提案には「まずは話を聞くこと」

特集 安保法制|特集 安保法制反対メッセージ

※会員以外の方に、まだまだ出血サービス・特別公開中!!

 委員でもない、ましてや議員ですらない秘書などの与党関係者ら約20人の乱入によって「盗まれた」、安保関連法案の参院特別委員会での採決。この凶行は速記録の停止中、つまり議事の中断中のできごとだった。

 「委員会は始まってない。野球で言えばプレイボールの合図もない状態だったんです」――。

 民主党・幹事長代行で、特別委員会の理事も務めた福山哲郎参議院議員は2015年9月25日、岩上安身のインタビューに答え、「盗まれた採決」の一部始終を語った。


 福山議員は鴻池祥肇委員長の不信任決議案で50分にわたる気迫のフィリバスターを演じ、最後の最後まで法案を廃案にすべく徹底抗戦した。そんな福山議員に対し、国会前で「安保法案廃案」の声をあげていた市民らは「福山頑張れ!」と「福山コール」を送り、福山議員の闘いにエールを送った。

 福山議員は岩上安身のインタビューで「あとで映像を確認してウルッときた。私のような、いわば負け戦をしたような人間にもコールしてくれた。党派もなく応援してくれた。なんというか、政治家冥利に尽きる」と言葉をつまらせた。

 さらに、日本共産党が「国民連合政府構想」を打ち出していることについては「自民党に攻撃されるだろう」と慎重な見方を示しつつも、「これからは色んな『安倍的なもの』を跳ね除ける闘いが始まる」と主張した。

 そのうえで、「SEALDsの皆さんの誠実さと、感覚的な新しさ。彼らの感性を大人がどう伸ばし、国民の皆さんに広げるか。これは僕らの役割だ」と述べ、まずは野党間の代表同士での会談を重ね、安倍政権を倒すべく「試行錯誤し、ブレイクスルーしければならない」と決意を口にした。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/266903


8. 2015年9月26日 21:58:10 : VLeSe71maI

名義借りや外国人は含まれていないんだろうな?


9. 2015年9月28日 13:02:36 : rrhrFN6JLd
福山議員 民主党内の獅子身中の虫を追い出す努力をしろよ。野党共闘に協力的でない議員は野田一派と前内閣の大臣経験者。モナオ幹事長もダメだな。


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