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安倍首相は10年越しの宿願を達成したのだろうか、憲法破壊と言う「パンドラの箱」を開けただけだ | リベラル21
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/691.html
投稿者 pochi 日時 2015 年 9 月 26 日 09:59:31: gS5.4Dk4S0rxA
 

リベラル21
2015.09.26  安倍首相は10年越しの宿願を達成したのだろうか、憲法破壊と言う「パンドラの箱」を開けただけだ、60年安保後のような高度成長時代は二度とやってこない
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3320.html

広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)

安保法案が成立した翌日の読売新聞は祝賀ムード一色だった。1面から3面までぶっ通しで安保法案関連の記事が大々的に掲載され、「日本の安保新時代」「抑止力高める画期的基盤」「自衛隊広がる国際貢献」「首相10年越しの宿願、支持低下でも譲らず」などなど、時代掛かった大見出しがズラリと並んでいる。見るも恥ずかしいほどの安保法賛歌、安倍賛歌のオンパレードだ。読売紙がこの日を待ちかねていた様子がよくわかる。

「積極的平和主義」を具体化するための提案も社説で懇切丁寧に列挙されている。「自衛官の適切な武器使用のあり方を含め、新たな部隊行動基準(RОE)を早急に作成しなければならない」、「米軍など他国軍との共同訓練や、共同の警戒・監視活動を拡充すべきだ」、「機密情報の共有も拡大したい」、「新たに必要となる装備の調達や部隊編成の見直しなども、着実に進めることが重要である」等々、まるで自衛隊を「日本軍隊」と言い換えてもよいようなはしゃぎぶりだ。自民党日本国憲法改正草案の「第9条の2(国防軍)」すなわち、「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」の憲法改正があたかも実現したような書きぶりになっている。

記事の中にも「強行採決」の言葉は一切なく、野党が長時間の演説で「議事を妨げた」とあるだけだ。「目的のためには手段を選ばない」という言葉があるが、「安保法案成立のためには手段を選ばない」安倍政権をここまで賞賛するのでは、同紙は議会制民主主義を放棄(否定)したと言われても仕方があるまい。また自ら行った世論調査(安保法案反対意見が多数)を完全に無視した点でも、このメディアは国民世論や民意など一切眼中になく、社主や編集幹部の意向で紙面が決まるように見える。それでも読売読者から抗議の声が上がらず、不買運動が起こらないのは不思議きわまる話ではないか。

 それにしても「支持率低下でも譲らず」という見出しは、国民の反対意見を踏みにじっても「やるときはやる」「決めるときは決める」という安倍首相の強権姿勢を支持する読売紙の体質(同質性)がよく表れている。安倍首相は、祖父・岸信介首相(当時)が60年安保条約の強行改定に際して、そのときは反対意見が多くても時が経てば理解されると言った趣旨の言葉を座右の銘にしていると聞くが、その裏には多少支持率が下がってもそのうちに回復するという自信があるらしい。そのことを意味するのが同誌の次の記事だ。
「首相は失った支持率を取り戻すため、改めて『経済最優先』の姿勢を掲げる考えだ。(略)首相に近い議員は『アベノミクスは政権の生命線。経済でもう一度、政権浮揚を図ったうえで、次は憲法改正に道筋を付けてほしい』と語っている」

 また、安倍首相に近いイデオローグの中にはこんな楽観論もあるという。話は少し遡るが、安保法案が衆院で強行採決された7月16日、池田信夫氏(NHKОB、経済評論家)は「挫折した反安保法案デモの『アカシアの雨』」というブログの中で次のようなことを言ってのけた(「ニューズウイーク」日本版オフィシャルサイト、一部抜粋)。
 「安保法案が衆議院本会議を通過した。あとは参議院でも『60日ルール』で成立は確実だ。野党はプラカードを掲げたり国会デモをかけたりして騒いだが、その規模は延べ100万人以上が国会を包囲した60年安保とは比較にならない。(略)今回の法案が成立しても日本の安全保障に実質的な変化はない。それぐらい『腰の引けた』法案だったが、野党やマスコミが過剰に騒いだのは他に争点がないからだろう。それに踊らされてデモをやった人々はこれで60年安保のあとのように『挫折』し、大人になってゆくのだろう。あのときはやった歌が西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』だった」

 だが、これらの見通しは悉く崩れるだろう。まず第1に「アベノミクスでもう一度」といった手垢に汚れた歌はもはや通用しない。安倍首相は、60年安保闘争後に登場した池田内閣のように安保反対運動のエネルギーをアベノミクスで吸収したいと考えているのだろうが、彼には60年安保後と現在の経済情勢の違いがよく分かっていないようだ。実質賃金が10年間で3倍以上に上がったあの時代に比べて、現在は非正規労働者が全労働者の3分の1に達し、実質賃金が連続して低下し続けているのである。アベノミクスの唯一の看板だった株価上昇も中国経済の不振で低迷し、もうこれ以上明るい見通しは描けない。いまさら「経済最優先」と叫んでもいったい誰が安倍首相に期待するというのか。「アベノミクス」で国民に期待を持たせた(騙した)瞬間はもうとっくに終わっているのである。

 第2に、今度の安保法案反対運動が「60年安保のあとのように『挫折』し、大人になってゆく」との池田氏の人を食った見通しは、すでに8月30日の国会大包囲デモや参院審議中の「切れ目のない」抗議運動によって完全に破綻している。「シールズ関西」の活動に参加した若者らは、「安保法案が可決されたとしても、廃案に向けて運動は続け、大きな節目になる来夏の参院選に向けて動いていく。今回多くの人が立ち上がり、憲法や安全保障に対する理解が深まった。さらに大きな動きにしていきたい」とごく自然に話しており(毎日新聞、9月11日)、東京の若者たちは外国特派員協会の記者会見で、「シールズは日本に革命を起こそうという動きではなく、法案が通って終わる運動でもない。運動は選挙にも影響を与えると思っている。『賛成議員を落選させよう』が合言葉のように使われている。これまでの運動とは違う形になりつつある」と語っている(毎日新聞電子版、9月16日)。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル、米CNN、英紙ガーディアン、南ドイツ新聞、台湾聨合報など海外メディアも挙って若者の抗議運動を取り上げ、「平和憲法を様変わりさせ、第2次大戦以来初めて海外派兵を認める法案に反対して、学生たちが声を上げた」、「安倍首相は安保法案の導入により、それまで政治に無関心だった日本の学生たちを自分の反対勢力として動かしてしまった」などと写真入で大きく伝えている(朝日新聞、9月18日)。

 来年夏の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。日本の憲政史上初めて「未成年」といわれた若者たちが選挙権者として政治に参画するのである。私はこの歴史的瞬間に安保法案反対運動が起こったことを単なる偶然とは思わない。時代が若者たちの出番を安保法案反対運動を通して用意し、彼・彼女らを次の次の民主政治を担う主役として育てていると思うのである。京都では9月19日、来年18歳を迎える高校生たちがグループになって安保法廃案デモを始めた。

 安倍首相は読売紙がいうように長年の宿願を達成したのかもしれない。そして、彼が開けた憲法破壊という「パンドラの箱」は数知れない災厄を撒き散らすかもしれない。だが、その中には未来の日本を担う若者らの行動が含まれている。「歌を忘れたカナリア」(大人)の時代はすでに遠のきつつある。日本の未来を切り開く地殻変動がいま起こっている。私は「大人にならない若者」に日本の未来を託したい。
 

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コメント
 
1. 知る大切さ 2015年9月26日 10:17:05 : wlmZvu/t95VP. : rXmQVSTR26
>私は「大人にならない若者」に日本の未来を託したい。

ここは
長いものには「(処世術には)巻かれない若者」と表現して欲しかった。


2. 2015年9月26日 12:03:44 : 94cf2nbD0Y
憲法破壊?

そもそも日本国憲法は 米国GHQの占領下、日本人に決定権はない時、

GHQが1週間で作成、即席の英文憲法ができ、それを日本語に翻訳された

憲法である

@、そもそも占領時のどさくさに占領軍が他国の憲法を作成するのは

  国際法違反(ハ−グ条約違反)

A 9条で戦力不保持、交戦権を認めていないのに、朝鮮戦争が勃発、GHQ命令

 で(国会の承認を得ず)自衛隊の前身である警察予備隊がつくられた

 これも、憲法違反である。

B上記理由から自衛隊がそもそも、憲法違反

 わが国の存立は平和を愛する諸国民にゆだねる のであって、日本の

 存立をすべて他国にたよる、というのがこのGHQ押し付け憲法の

 意図するところである。

 腐ったものは、どうイジクッても(解釈変更しても)食えないのである。


 結論は 日本国憲法では日本を守れない、

 腐った現行憲法は破棄(捨てる)して、新憲法を制定してほしい。


(現行憲法無効論: 井上たかまろ氏 南出喜久治氏 らの説)   


3. 2015年9月26日 13:54:32 : Jd87kHy69U
安倍にとってはたかだか10年かも知れないが、米国にとってはそんなものではない。大戦の後、米は日本の報復を恐れるあまりやり過ぎた(と思っていただろう)。軍隊も持たず戦争も完全放棄にして米国の脅威では無くなったが、米国が別の大きな敵を一杯抱える状況になって、この類い希なる優秀な日本民族を自分の味方として活用できないことのジレンマに苦しむことになる。一挙に解放するのはいかにも不自然なので、まず自衛隊という名の組織を作りそれを徐々に軍隊に仕上げ、元々は自身が発案した憲法を子分の自民党に変えさせることによって自衛隊を米軍の下請けとして使えるところまでこぎ着けた。なんたる長い道のりであったか。
安保法制通過後に米政府が発した賞賛コメントがそれをよく物語っている。

4. 2015年9月26日 18:24:48 : gGcN9vag9w
『民主主義のススメ』

この書の表題は『学問のすすめ』と名づけたれども、けっして字を読むこと
のみを勧むるにあらず。書中に記すところは、西洋の諸書よりあるいは
その文を直ちに訳し、あるいはその意を訳し、形あることにても形なきこと
にても、一般に人の心得となるべき事柄を挙あげて学問の大趣意を示した
るものなり。


【学】: 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。
    されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、
    生まれながら貴賤上下の差別なく、万物の霊たる身と心との

    働きをもって天地の間にあるよろずの物を資(と)り、もって衣食
    住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておの
    おの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。

【米】: われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、
    すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主に
    よって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を
    与えられている


【学】: すべて御用の二字を付くれば、石にても瓦にても恐ろしく貴き
    もののように見え、世の中の人も数千百年の古(いにしえ)より
    これを嫌いながらまた自然にその仕来りに慣れ、上下互いに

    見苦しき風俗を成せしことなれども、畢竟これらはみな法の貴きに
    もあらず、品物の貴きにもあらず、ただいたずらに政府の威光を
    張り人を畏(おど)して人の自由を妨げんとする卑怯なる仕方にて、

    実なき虚威というものなり。今日に至りてはもはや全日本国内に
    かかる浅ましき制度、風俗は絶えてなきはずなれば、人々安心
    いたし、

【学】: かりそめにも政府に対して不平をいだくことあらば、これを
    包みかくして暗に上(かみ)を怨(うら)むることなく、その路を
    求め、その筋により静かにこれを訴えて遠慮なく議論すべし。

    天理人情にさえ叶うことならば、一命をも抛(なげう)ちて争うべき
    なり。これすなわち一国人民たる者の分限と申すものなり。


【米】: もちろん、長年にわたり樹立されている政府を軽々しい一時的な
    理由で改造すべきではないことは思慮分別が示す通りである。
    従って、あらゆる経験が示すよ うに、人類は、慣れ親しんでいる

    形態を廃止することによって自らの状況を正すよりも、弊害が耐えら
    れるものである限りは、耐えようとする傾向がある。

【米】:しかし、権力の乱用と権利の侵害が、常に同じ目標に 向けて長期に
    わたって続き、人民を絶対的な専制の下に置こうとする 意図が明らか
    であるときには、そのような政府を捨て去り、自らの将来の安全の
    ために新たな保障の組織を作ることが、人民の権利であり義務である。


学問のすすめ
http://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/47061_29420.html

独立宣言(1776 年)
http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-independence.html

(桂小五郎〈木戸孝允〉は、福沢諭吉の独立宣言訳を読んで、読みが
浅いと言ったそうである。 自民党安倍総裁、高村副総裁も長州か。)

1789年8月26日の人及び市民の権 利宣言(フランス人権宣言)
http://www1.umn.edu/humanrts/japanese/Jfrdeclaration.html

『フランス人民の代表者たちは、国民会議を構成し、人権の無知、
忘却(無視)あるいは軽視が、公衆の不幸及び政府の堕落の唯一の
原因であると考え、 厳粛な宣言の中で、人の不可譲かつ神聖不可侵の、
自然権を、断固として述べた(→呈示することを決意した)。

この宣言が、社会的集団の全構成員(の心)に絶えずあり続け、
その権利及びその義務を絶え間なく想起させ続けるために。
また、立法権、及び執行権の行為が、すべての政治制度の目的と

絶えず、比較され、その上、より一層尊重されるために。
また、市民の要求が、今後、簡潔かつ明白な原理に基づく時、
常に憲法の維持及び全体の幸福に向かうために。』


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