http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/650.html
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円安が一定水準(120円前後)で落ち着く一方で、原油や食糧などコモディティ価格が低下するという状況を反映した消費者物価指数の動向である。
13年から14年にかけての緩やかな物価上昇は円安と原油価格上昇が要因であり、14年4月の消費税増税によって消費者物価指数は大きく上昇した。
今年の4月で消費税増税がもたらした物価上昇圧力ははげ落ちた。
物価上昇を支える家計の可処分所得は、グローバル企業の現役サラリーマンが2%ほど増加させた分だけで、ボリュームがある60歳就業者の賃金大幅カットや年金受給額の調整的カットを勘案すると、全体としては下押し圧力として働いている。
消費者物価指数がマイナスに転じたことで、アベノミクスや日銀を批判するひともいるが、嘘つきという批判以外はそれほど意味がない。
黒田総裁のみならず財務省もまともな経済学者も、「異次元量的金融緩和」政策によって、2%レベルの持続的物価上昇が達成できるとは端から考えていないからである。
物価の上昇は、一時的になら賃金アップでも達成できるが、それだけでは名目だけの成長で実質はゼロ成長になり、あげく国際競争力の劣化を招く(外国為替レートとの関係もあるが)。
成長につながる物価上昇は、投資の拡大と輸出の増大によって達成されたものだけである。とりわけ、投資は生産性上昇につながる設備投資が中心でなければならない。公共投資や不動産投資も、最終的に製造業の設備投資に結び付いていかないと中長期的な魅力に欠ける。
浜さんなどは「アホノミクス」と名付けて批判しているが、アベノミクスは、“拡張的財政政策の持続性を確保するための金融政策”ということにつきるものであり、成長のための総合的な経済政策と言えるものではない。
拡張的機動的財政政策が効果的持続的であれば、グローバルな好要因及び主要企業の奮闘と相俟って、成長に結び付くかもしれないという程度である。
いわゆる「第2の矢」が主目的で、「第1の矢」はそのための手段。成長戦略とされる「第3の矢」は、体裁を付けるための政治的オマケでしかないのである。
“「第2の矢」が主目的で、「第1の矢」はそのための手段”ということを別の言葉で表すと、「国債サイクルの維持」である。
国債残高だけでもまもなく1千兆円に達する日本は、日銀が銀行など金融機関が保有する既発国債を買い上げ、売却で得た資金で金融機関が新発及び借換の国債(合わせると年間130兆円超)を買う仕組みを作らないと、金利が上がったり、他の経済主体が借り入れできなくなったりするなどで財政政策がままならなくなる。
国民には「デフレから脱却し、経済成長路線を取り戻すため」などと説明しているが、官僚機構も日銀もまともな経済学者も、「異次元量的金融緩和」政策でそれが達成できるとは考えてはいなかったのである。
転載する記事の締めは、「日銀が来年度の前半に2%の物価上昇を達成するのは絶望的とみられ、一部では追加の金融緩和を期待する声も上がっています。」となっているが、金融緩和を強化したからといって物価が上昇するわけではない。日銀に設定された金融機関の当座預金残高がカウントアップされるだけである。
だからこそ、「経済はキタイだ!」ということで物価上昇2%達成をぶち上げただけの黒田日銀総裁は、責任をとって辞任することもなく職を続けている。
※参照投稿
「来年の参議院選挙も、老獪な政党と書生っぽい政党の闘いでは勝負の帰趨は明らか」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/648.html
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ついに2年4カ月ぶりマイナスに…8月消費者物価指数[ANNニュース]
(2015/09/25 11:48)
総務省が発表した生鮮食品を除く8月の消費者物価指数は0.1%のマイナスでした。日銀の黒田総裁は、持続的な経済成長のために2%の物価上昇を目指して異次元の金融緩和を導入し、プラス成長を続けてきましたが、消費増税を期に下落。原油価格の下落も影響して、ついに2年4カ月ぶりのマイナスとなりました。
24日、安倍総理大臣が「デフレ脱却は目の前だ」と話したばかりですが、異次元緩和も追加の金融緩和も物価を押し上げきれませんでした。日銀の黒田総裁は、企業業績は好調で賃上げもあり、景気の好循環は続いていると強気の姿勢を崩していません。しかし、物価のマイナスが続けば、消費者に再びデフレマインドがのぞき出す懸念もあります。内閣府は9月の月例経済報告で、景気は「一部に鈍い動き」としていて、実質的に11カ月ぶりの基調判断を引き下げています。
甘利経済再生担当大臣:「緩やかな回復基調が続いているとの景気認識に変わりはない。その一方で、消費や輸出がいまひとつ」
ただ、日銀が来年度の前半に2%の物価上昇を達成するのは絶望的とみられ、一部では追加の金融緩和を期待する声も上がっています。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000059331.html
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