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国連総会で安保理常任理事国入りを訴える安倍首相は笑いものだー(天木直人氏)
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24th Sep 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
きょう9月24日の読売新聞が書いている。
安倍首相は今度の国連総会で安保理改革を訴えると。
しかも安倍首相の訴える国連改革とは日本の常任理事国入りだという。
まだこんな事を本気で国連総会演説で訴えるつもりなのか。
みずからもそれは難しいと認めているのに、
よくも読売新聞はこのような提灯記事を書いたものだ。
まだ毎日新聞の社説のほうがまともだ。
すなわちきょう9月24日の毎日新聞は、
その社説で、アナン前国連事務総長が議長を務める国際NGO「エルダーズ」が
今年2月に提言した改革案を引用し、こう書いている。
拒否権が五大国に独占されている今の国連を変えることこそ国連改革だと。
旧敵国条項の削除を求めない国連改革などあり得ないと。
その通りである。
しかし、そのためには日米同盟から自立が不可欠だ。
毎日新聞はこう書いている。
「日米同盟だけでなく、国連を中心とした多国間の枠組みや
アジア各国との協調の中で平和を維持する方策も模索すべきではないか」と。
「米国とは異なる日本独自のビジョンを示す事が各国の信頼を増し、
国連での影響力を強化することにもつながる」と。
これも正しい。
ここまで正論を社説で掲げた以上、
毎日新聞は今度の国連総会に臨む安倍外交について、正確に報じてもらいたい。
今度の安倍首相の国連外交は厳しいものになる。
他紙はともかくとして、ここまでの社説を掲げた毎日新聞だ。
間違っても安倍国連外交を持ち上げるような記事を書いてはいけない。
◇
社説:国連創設70年 拒否権のあり方見直せ
http://mainichi.jp/opinion/news/20150924k0000m070121000c.html
毎日新聞 2015年09月24日 02時30分
国連の第70回総会が開幕した。1945年10月24日に正式発足して70年。28日からは安倍晋三首相やオバマ米大統領、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席ら各国首脳が参加して一般討論演説が行われる。節目の年だが、シリア内戦やウクライナ危機などで安全保障理事会の機能不全が指摘される。
「われらの一生のうち2度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救う」。70年前に調印された国連憲章前文は2度の世界大戦を防げなかった反省に立ち、国際的な平和と安全の維持に努めることを宣言した。
◇安保理改革は不可避だ
原点に立ち返って国連本来の役割を強化しようとするなら、安保理改革が不可欠だ。2009年から行われている安保理改革に関する政府間交渉は70回総会にも引き継がれる。改革の機運を高めることが必要だ。
国連加盟国は当初の51カ国から193カ国に拡大したが、安保理は65年に非常任理事国の数を6から10に増やす改革が一度行われただけだ。途上国を中心に安保理の構成が加盟国全体の地域性を十分に代表していないとの不満が強い。
冷戦終結後、改革を求める声が高まり、05年には当時のアナン国連事務総長が勧告を行った。日本、ドイツ、インド、ブラジルの4カ国グループ(G4)は常任理事国入りを目指して改革案の総会採決を狙ったが、米中の反対などで頓挫した。
G4はなお、共同歩調を取っている。国連分担金支出でも米国に次ぐ日本には常任理事国入りの資格があると支持する国は多いが、米中露などはなお大幅な改革に消極的だ。憲章改正のハードルは高く、95年の国連総会で「死文化」が確認された旧敵国条項の削除も実現していない。真剣に改革を目指すなら戦術を再検討する時期かもしれない。
今年2月、アナン氏が議長を務める国際NGO「エルダーズ(年配者たち)」が安保理改革の提言を発表した。「なぜ安保理がいまだに第二次世界大戦の戦勝国5カ国に支配されているのか、理解に苦しむ」。率直な指摘に共感する。
提言は▽非常任理事国よりも任期が長く、連続再選が可能な新たなカテゴリーの理事国枠を設ける▽常任理事国5カ国に自国の利益を守るためだけの目的で拒否権を行使しないなどの誓約を求める▽安保理協議や事務総長選びで密室協議をやめる−−などを盛り込んでいる。
G4案とは異なるが、より現実的なアプローチともいえる。注目されるのは米英仏中露の5常任理事国だけに与えられた特権である拒否権の制限を求めたことだ。
拒否権については国連と大国の利害衝突を避けるための必要悪との見方があるが、安保理の機能不全を生んでいる元凶との批判も根強い。安保理決議にとどまらず、憲章改正や事務総長選びなど拒否権の範囲が広いことも問題だ。
イスラエル関連の決議案に米国、台湾が絡んだ決議案には中国が拒否権を使った経緯があるし、ウクライナ危機や南シナ海問題のように常任理事国が当事者になれば、安保理での議論すら難しくなる。
シリア内戦では中露がアサド政権への制裁などに反対し、4度も拒否権を行使した。「シリアのように人々が凶悪犯罪の脅威にさらされている場合にも理事会が行動を起こせない事態があってはならない」というエルダーズの指摘はもっともだ。
◇日本の構想が問われる
常任理事国が既得権益の制限に簡単に応じるとは考えにくいが、米中露などの大国が望まないテーマで国際世論形成に成功した対人地雷禁止条約やクラスター爆弾禁止条約の例もある。常任理事国に大国としてのモラルを求める国際世論作りは不可能ではない。
来年には潘基文(バン・キムン)事務総長の後任を選ぶ選挙も実施される。密室で模擬投票を繰り返し、常任理事国全てが受け入れられる候補を探すという旧態依然とした選出方法の見直しを求める声が強まっているのも当然だ。
日本は日ソ国交回復後の56年12月に国連加盟を果たし、資金的な貢献はもちろん、カンボジア、東ティモールなどへの国連平和維持活動(PKO)や唯一の被爆国としての核軍縮決議採択推進などに役割を果たしてきた。
しかし、加盟直後に「自由主義諸国との協調」「アジアの一員」とともに外交の柱に掲げた「国連中心主義」は日米同盟が外交の中心に位置づけられる中で強調されなくなった。安倍政権は日米ガイドラインの改定や安保法制整備でさらに米国に傾斜する選択をしたように見える。
「どの国も一国では平和を守ることができない」。安倍首相が安保法案審議で繰り返した言葉だが、そうならば、日米同盟だけでなく、国連を中心にした多国間の枠組みやアジア各国との協調の中で平和を維持する方策も模索すべきではないか。
日本は来年、11回目の非常任理事国に就任する。日本が考える改革の方向性を国際社会にアピールするチャンスでもある。米国とは異なる日本独自のビジョンを示すことが各国の信頼を増し、国連での影響力を強化することにもつながるだろう。
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