http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/585.html
Tweet |
「新安保法制」成立に対する怒りと興奮が冷め切らないからであろうが、「新安保法制」に反対した民主党にその廃止を期待する声が少なからず聞こえる。
しかし、現在の岡田民主党にそれを期待するのは、安倍政権に表立った反米的政策の断行を期待するのと同じくらい奇妙なことである。
民主党を自民党の対抗軸としてリベラル左派ないしリベラル派として再生させたいのなら、現段階で選挙協力なぞを申し入れるのではなく、個々の議員の理念や政策を吟味し、“隠れ自民党”ないし“安倍首相も嫌うような理念主義右派”と認定できる政治家を落選させる動きから始めなければならない。
この過程を通じて民主党の理念や政策を変えていくことでしか、民主党を存在意義のある政党にすることはできない。
共産党は民主党に「安保法制廃止」を政策課題に選挙協力を訴えているが、そのような政策を打ち出す共産党幹部は、割り切って少数派体制補完勢力として生き延びることを決めたのか、思考力や判断力が大きく劣化した(もともとかもしれないが)としか考えられない。
この間の投稿でも触れたように、安倍版「新安保法制」は、幸か不幸か、野に下ってやり遂げられなかった民主党野田版「新安保法制」を引き取って成立させたものである。
それはあくまでも“隠れた政策”だからおくとして、浮上する芽もあった日本経済を再び低迷に向かわせた消費税増税政策も、口火を切ったのは民主党管政権であり、法案として成立させたのは野田政権である。
(消費税増税を公約としていた自民党が損な役回りを民主党に委ねたという見方もできる。政治は結果責任だから、悩みに悩んだとはいえ、延期ができる条件がありながら、昨年4月の8%化に踏み切った安倍首相の政治的責任は免れない)
TPPへの参加を表明したのも、安倍首相ではなく、民主党の野田首相である。
野田首相が11年11月のホノルルAPECでTPP参加を表明した。安倍首相は、TPP参加を再確認したのである。
(ただし、TPPがテーマになった時期の問題であり、そのとき自民党が政権を握っていたら、民主党と同じようにTPPへの参加を表明したと思う)
現在なおうまくいっているとは評価されていない(とりわけ表面的には)日中関係がこじれる原因をつくったのも民主党政権である。
10年9月に当時の前原国交大臣が起こした中国漁船拿捕がその出発点と言えるだろう。政府やメディアがきちんと説明しないため国民の多くは誤解しているようだが、日中漁業協定により、認可された中国漁船は尖閣諸島の領海を除く周辺海域(排他的経済水域)で操業ができる。尖閣諸島の領海も操業しなければ通過はできる。
(ゴマカシの説明がなされているが、安倍政権は、日台漁業協定で、台湾にも中国と同等の尖閣諸島周辺での漁業権益を付与した)
日中関係最大の悪化を招いた12年9月の「尖閣諸島一部国有化」政策は記憶に新しい。この政策は石原都知事の都有化に対抗する措置ではあったが、日中国交回復40周年・指導部を入れ替える中国共産党大会とぶつかることから“今はやめてくれ”という中国の意向を踏みにじって断行したことで、反日の大衆運動まで組織されてしまった。
(あの中国共産党大会が1ヶ月延期されたのは対日政策の調整のためである)
「尖閣諸島一部国有化」が結局野田政権の命取りになったのだが、民主党は、今回の「新安保法制」審議のなかでも対案として「領域警備法」を提出した。
安倍政権が、「領域警備法」もどきを法制化しようとしないのは、尖閣諸島の領有権を主張している中国、竹島を不法占拠している韓国を刺激したくないからである。
「領域警備法」を制定すれば、中国公船がちょろちょろしているにしても日本が実効支配している尖閣諸島はまだしも、韓国が不法に実効支配している竹島の奪還を企てなければ法の趣旨と目的から自己矛盾に陥る。
私は認めないが尖閣諸島の領有権を主張している中国は、日本が警備を強化すれば、対抗措置として軍艦まで繰り出す可能性さえあるだろう。
特定の領域をことさら標的にするような「領域警備法」は、百害あって一利なしなのである。
(安倍氏が首相になった12年秋の政変は、中国と米国が、野田首相と石原都知事の退陣及び安倍晋三氏の首相就任を要望したことで起きたものである)
ひとも政治勢力も時間とともに変わるものだから、過去だけをとらえてとやかく言う気はない。今の民主党に期待してもムダだというのは、今なお、消費税増税政策・TPP参加政策・日中関係悪化問題のどれ一つとして何ら「反省」していないからである。
私に対し“隠れ安倍シンパ”いう声も聞こえてくるが、あくまでも相対的な比較でしかないが、岡田民主党が政権の主力を担うようになるよりは、安倍自民党が政権の主力を担っている現状のほうが“政治的危険度は低い”と判断している。
中国が民主党政権よりも安倍政権を望む“心理”に近いかも知れない。
(安倍晋三という政治家は、疑惑から遁走して内閣総理大臣という最重要職務さえ投げ出した愚劣で卑劣なカスである。安倍氏は国会議員にさえなるべきでないと思っている。しかし、“ワル”を一手に引き受けてもいいという覚悟が少しはあるように見えるし、東アジアの国際情勢を改善していく責務も自覚しているようだから、やるべきことを達成するまでは、とんでもない悪を画策しない限り放置しておこうとは思っている)
老獪と言えば聞こえは良いがゴマカシやダマシで政治を行ってきた自民党を乗り越えて日本を変えいく真に老獪な政治勢力が今の日本には必要なのである。
※ 関連参照投稿
「岡田代表 あす党首会談で共産の方針確認へ:ヤキが回った共産党の提案は票のかさ上げには魅力だが政策協定締結は困難」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/571.html
「岡田民主党が本気で新安保法制の廃止に動く可能性はゼロ:それくらいの見極めができなければ効果的な政治運動は不能」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/515.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK193掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。