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ついに“石破派” ポスト安倍への3つのハードルとは?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150924-00000005-sasahi-pol
週刊朝日 2015年10月2日号
「ポスト安倍を目指すと受け止めて頂いて結構だ」
自民党総裁選で安倍晋三首相(60)の無投票再選が決まった翌9日。石破茂地方創生担当相(58)は首相に冷や水を浴びせるかのように、石破派を結成し、次期総裁を目指すことを表明した。
これまで自身を支持するグループ「無派閥連絡会」があったが、より結束の強い“戦う集団”へと昇格させる。中心メンバーは鴨下一郎元環境相や山本有二元金融担当相ら9人。27日の国会閉会後に正式発足させるという。参加議員は党内派閥6番目の規模で、総裁選にも出馬可能な20人ほどの見通し。側近が言う。
「今回の総裁選に出なかったことで、石破さんの存在感が薄まっていた。人気の高い地方からも『首相になる気はあるのか』などの苦情が寄せられていた。しっかり意思表示し、基盤を強化していく狙いで表明した」
安倍総裁の任期は3年。党の規定で次の総裁選には出られない。前回決選投票まで残った石破氏はポスト安倍の本命にも見えるが、三つのハードルが立ちはだかる。まずは「内閣改造」だ。
安倍首相は来月上旬の改造で、引き続き石破氏を閣僚に起用する考えだという。狙いは「封じ込め」。閣内にいれば首相批判はできない。公務も多忙で、派閥の勢力拡大もままならない、との算段だ。
当然石破派の議員は猛反発。「昨年9月に入閣して以降、自由にものを言えていない」「閣外から対立軸を作るべき」といった声が上がる。ただ、肝心の石破氏は「地方再生は道半ば」と閣内残留に未練タラタラ。さらに「頼まれるとイヤと言えない性格」(側近議員)だけに、首相の申し出を断れるかは不透明だ。
次なるハードルは「国会議員からの支持」。石破氏は自民党が野党に転落した1993年に一度離党して出戻った。いまだに反発は強く、前回総裁選の敗因でもある国会議員票の少なさにつながった。
昨年総裁選規定が変わり、決選投票に地方票が反映される仕組みとなったが、国会議員の支持は一人でも欲しいところだ。石破氏に近い議員が秘策を語る。
「石破さんのことが大嫌いな首相は稲田朋美政調会長を後継にしようとしているが、派閥(細田派)には反発も多い。そこにガンガン手を突っ込んでいく。額賀派や石原派の議員も、よく領袖(りょうしゅう)への不満を口にしている。そんな不満分子の受け皿になれれば」
今回の派閥化で、良好な関係だった小泉進次郎内閣府政務官が一定の距離を置くことも予想される。随一の人気者をどうつなぎとめるかも重要なポイントだ。
最後は「カネ」。石破氏は政治資金集めに無頓着で、貯金も少ないことで知られている。若手を高級焼き肉店に招いた際、資産家のOB議員を同席させ、支払ってもらった逸話もある。
総裁選で勝利を目指すなら、億単位の活動資金が必要とも言われる。今後は派閥領袖として、盆・暮れの若手議員への活動費提供も必要となりそうだ。
最近、自身のブログに「ベンチャー企業の創設のような感じです」と派閥化の心境をつづった石破氏。自民党という老舗大企業の経営者にのし上がれるか。
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