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安倍政権の危機はこれからやってくる!?国会の"内”と”外”で静かに進む「倒閣運動」ある憲法学者が明かした参院選へのプラン
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45456
2015年09月23日(水) 鈴木哲夫 現代ビジネス
■「何かないかなあ…」と総理はボヤいた
安保関連法案の参議院での強行採決が行われた9月第3週に入った頃のことだ。側近の一人が安倍首相とこんな言葉を交わしたという。側近本人が明かす。
「安保法制成立後の政権運営について、私が『再び経済を全面に出して行くべきではないか』ということを申し上げました。すると、総理は『何かないかなあ…』と漏らしたのです。アベノミクスにはもう目玉となるような手がない、ということです。
目新しいこと(=経済政策)を並べても、小粒なものばかりなら起死回生の一手にならない。霞が関や与党議員を総動員して、もう一度経済政策を練り直さなければならない。ところが党内でも政権内部でも、その緊張感はまだ醸成されていません」
また、同じ時期に安倍首相と話をした閣僚の一人は言う。
「今回の安保法制への批判、政権への厳しい眼は来年の参院選まで続くと思っておかなければだめだ。ところが総理は、今後は経済一本で行けばいいと軽く考えている節がある。違憲訴訟が起きたり、批判運動も継続しそうだというのに…」
そして、参議院での採決前後の自民党の「気のゆるみ」についてこう苦言を呈する。
「委員会が止まっているときの中継で、岸田(文雄)外相が談笑しているのが映っていた。外では雨の中、市民デモが行われているというのに。採決の参院本会議でも、野党の演説に平気でヤジを飛ばす自民党議員が大勢いた。その上、総理は連休中にゴルフに興じた。いくら健康のためとはいえ、いきなりゴルフはどうなのか…。気を引き締めないと参院選は大変な結果になる」
一報、安保法制をめぐる今国会の最後の攻防で、最後はからだを張った民主党も、実は、戦意が薄れ躊躇した部分もあった。今国会中に法案を成立させたい政府与党の動きを食い止めるためには、野党は審議を止め、委員会実前にピケを張るなど、とにかくありとあらゆる手を使って「時間切れ」にするしかなかったのだが…。
「物理的抵抗を行えば、世論がだんだん批判的なものになり、『野党は反対のために反対をやっている』と厳しい目が向けられるようになる。このため、うち(民主党)の中にもどこまでやるべきか戦術的に迷っていたところがあった」(民主党幹部)
しかし、最終盤でその民主党議員たちの意識を変えたのが、国会の外側で反対運動などを展開してきた市民グループの動きだったという。
■あるべき国会の姿に戻った
「16日の横浜市での地方公聴会で、市民が身を挺して議員の車を止め、そのあとの委員会を遅らせようとした。あの映像をニュースで見て、議員の自分たちがからだを張ることを躊躇していいのか、やれるところまでやろうという空気に一気になった」(前出幹部)
意を決した民主党は、できる限りの手を打った。衆議院では他の野党各党と連携して内閣不信任案を、参議院では安倍首相など閣僚の問責決議案などを連発。そのたびに、趣旨説明などの演説をしたが、不信任案提出後の民主党・枝野幸男幹事長は、フィリバスター(議事妨害)と呼ばれる約1時間45分にも及ぶ演説をぶった。
安保だけではなく、アベノミクスや年金、雇用、民主主義とは何かを語ったが、論理的で言葉に強さもあった。参議院では民主党の福山哲郎議員が、採決に瑕疵があることや国会議員の矜持とは何かなど、ほとんどアドリブで声をからし、時には涙声で力説した。
本来あるべき国会論争とはこういうものだ。国会に緊張感があれば、言論はおのずとヒートアップする。逆に言えば、これまで、安倍一強や自公の数の前に、野党も諦めといささかの緩みもあったということだろう。しかし、クライマックスになってようやく行動した。
深夜にもかかわらず、この本会議の様子はテレビ中継されたが、対する安倍首相や閣僚、それに与党自民党議員は枝野氏の長い演説に居眠りする者も多く見受けられ、福山氏の訴えには嘲笑を見せたりしていた。画面を通じて、そうした不遜な態度は醜悪にすら見えた。前出閣僚が苦言を呈したのはまさにここだ。
それにしても、国会の「外」が「中」を動かすとは――。
確かに過去、懸案の政策が議題となった場合、国会を多くの人たちが取り囲んで抗議のシュプレヒコールを上げることは多々あった。だが、今回はその様相は明らかに違う。「質が違う」と言ってもいい。野党ベテラン議員は話す。
「デモに参加して驚くのは、若い人、お年寄りもいれば、小さい子供の手を引いた若いお母さんも非常に多かったこと。自分の意思で集まってきているという人たちも多く、ラップ調のシュプレヒコールや、手にしているカードもユニークだった」
法案反対の運動は、世代や地域などを超えて全国的に拡大の一途をたどった。特定秘密保護法の際に発足した大学生たちの自主的なグループ「SEALDs(シールズ)」が全国に組織を広げているのをはじめ、小さな子供を持つ母親たちによる各地の「ママの会」。
一貫して違憲だと主張する憲法学者のグループ、元最高裁判事・元内閣法制局長官・法律家・憲法学者らが一堂に集まってのグループ、作家・文化人・音楽家らの個人の活動。さらにここへ、反原発や反TPP運動のグループも合流している。
その、憲法学者の代表の一人が、安倍首相や自民党がショックを受けそうなこんなプランを明かす。
■「倒閣運動に移行する」
「普通なら採決されて法案が成立したら反対運動もしぼんでいきます。ところが、いま運動をしている各グループは、実は、成立しようがすまいが、照準を来年の参院選に定めていました。つまり、今後は倒閣の選挙運動に移行するということです。
たとえば、日弁連と憲法学者で『違憲訴訟』をやりますが、いま考えているのは月に一度、全国の参院選1人区を回って大集会を開き、裁判情報を公開して、参院選まで気運を引っ張ることを考えています。SEALDsなども同調してくれています」
実は、成立の翌日、自民党の多くの議員がシルバーウイークで保養地などに出かけたり、安倍首相もゴルフに興じていたころ、民主党幹部や維新幹部が水面下で動いていたのは知られていない。
「未明に法案が成立した後、福山(哲郎)さんは国会の外に出て行き、反対のデモをやっている人たちに頭を下げ、『参院選へ野党一丸となって全力を挙げる』と約束しました。また、早朝から民主党幹部や維新幹部、共産党幹部ら各党の幹部らが互いに連絡を取り合いました。
そこで話し合われたのは、『来年の参院選に向けて野党統一の受け皿を作っていくこと、また選挙協力などで合意し、テレビなどでも発信して行こう』という申し合わせでした。20日のテレビ番組で、出演した野党議員らが揃って『参院選では野党委が一つの受け皿になる』と口を揃えて言ったのは、そうした水面下の動きがあったからです」(野党幹部)
国会の「外」の市民グループなどの徒労感を解消するためにも、「今度は国会の中が先んじて受け皿を作る」(前出幹部)ということだ。
そもそも、安保関連法案については圧倒的に審議が足りていないと思う。今国会の成立に疑義を呈する世論は正しい。当初の立法事実であったホルムズ海峡の機雷除去は後半になって安倍首相が「想定していない」と翻したり、相変わらず首相と大臣の答弁が食い違ったり、議論し質すべき内容はヤマほど残っている。
安保法制は成立しても終わってはいない。前例のない国会の「内・外」のタッグが、参院選に向けて動き出している。(了)
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