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2015年09月22日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三首相は9月19日、山梨県鳴沢村の別荘に出かける前に、「今後、理解してもらうようにしていく」とノー天気な発言を残して、出発し、別荘に入って休養、21日には、近くのゴルフ場で、親しい人たちとゴルフに興じたという。
祖父・岸信介首相は、日米安全保障条約改定、つまり新条約調印・批准の際、国会周辺を多数のデモ隊に囲まれた。しかし、自民党の党是である日本国憲法改正を提唱していただけで、決して憲法解釈変更によって、憲法の本質に手を突っ込んで、勝手に解釈変更するなど「野蛮なこと」を行ったわけではなかった。
ところが、安倍晋三首相は、で玩具をいじくり回すかのように、勝手気ままに捻じ曲げてしまった。「法治主義」の下、「法的安定性」を壊し、次期政権がその気になれば、「国際情勢の変化」を理由に再び解釈変更できる前例、先例を残した。そのうえ、憲法改正の機運さえ消滅させてしまったのである。
◆確かに、憲法学の世界では、「憲法の変遷」という言葉がある。「憲法の条文自体の変更せず、変更を加えたのと同じように、その規範的意味が変更または修正すること」を意味している。これは、慣習法を基本とする英国とは違い、主に成文憲法を持つ大陸法に見られる考え方である。そもそも「憲法変遷」とは、ドイツの憲法学者らの提唱で発祥した思想である。日本では、ドイツ憲法に強い影響を受けて制定された明治憲法の第1条で「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」という規定により、「神聖不可侵」と神格化されていた「天皇の地位」に対して、「天皇機関説」を唱えた東京帝国大学の美濃部達吉教授が導入した。このため、天皇を神格化する「神聖不可侵」説に固執する勢力から猛攻撃を受けて、激しく対立した。
しかし、現在の「日本国憲法=平和憲法」は、天皇の人間化宣言を得て、「天皇機関」説に立脚しており、憲法を最高法規として定め、硬性憲法化などの法技術を駆使して、他の法規範をその統制下におく。「憲法保障」の思想を吹き込んでいる。
今回の「集団的自衛権行使容認→憲法解釈変更→閣議決定(2014年7月1日)」は、
第51条〔自衛権〕「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国が措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない」と規定していることに違反している。「個別的又は集団的自衛の固有の権利」を行使できるのは、あくまでも、「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」であって、無制限に行使できるものではないのである。
にもかかわらず、今回制定された安保法案は、こうした「時間的制限」は、一顧だにされていない。この意味で、国連憲章に違反している。この点で、「憲法の変遷」による解釈変更であるとさえ言えないのである。従って、明白に「違憲」なのだ。
◆この安倍晋三首相の「底抜けのノー天気ぶり」とは裏腹に、国民有権者の多くが、「安全保障法制整備関連法」(11本の法律からなる)が国会で成立(9月19日午前2時15分)したことから、強行採決させた自民党、公明党連立与党と、これに協力した野党である次世代の党、日本を元気にする会、新党改革の5党に対して、街頭で厳しい批判の声と冷たい目を向けて、抗議しており、燎原の火の如く、全国的に「廃止」を求める声が鳴り響いている。憲法学者や弁護士グループや一般市民らが、この法律に対して、「違憲訴訟」を提起する動きも活発化しており、いまや、とくに自民党、公明党の現職議員は、針のむしろに立たされている。
朝日新聞9月21日付け朝刊「2面=総合面」は、「時時刻刻」欄で、「与党議員 必死の連休」「安保法成立 地元で説明 厳しい意見も」という見出しをつけて、自民党参院議員(女性)が、支持者からでさえ、主婦から「安保法案の採択で賛成した議員は支持しない」と面と向かって批判され、「そういう世論は多いですね」と言うのが精一杯の様子を報じている。公明党は、最大の支持母体・創価学会がいま、加速度的に分裂が続いており、一部は、宗門大石寺の信者団体「法華講」や「顕正会」に鞍替えしていると言われており、池田大作名誉会長が、まともに「口がきけない」有様では、崩壊は食い止めようがない。山口那津男代表は20日、大阪府東大阪市での演説で「野党になったら建設的な議論ができない民主党」「共産党や社民党は『戦争法案』とレッテルを貼って反対するしかなかった」と野党批判を展開し、火の粉を払おうと躍起だったと報じられている。聴衆である国民有権者は、野党批判を聞きたいわけではなく、この法律が、どうして本当に戦争をさせないための法律なのかを説明して欲しいのに、山口那津男代表は、野党に対してどうしてそんなに「戦闘的」なのか。こんなことでは、戦争を食い止めることは不可能だ。
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