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翁長知事「辺野古は理不尽」国連欧州本部シンポで6氏が訴え
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=133920
2015年9月22日 06:00
【ジュネーブ21日=福元大輔】ジュネーブの国連欧州本部で開かれた21日のシンポジウム。翁長雄志知事は約20分間、各国の政府代表や国際NGOのメンバーらに沖縄の歴史や基地問題を解説した。
国連人権理事会の特別報告者、ビクトリア・タウリ・コープスさんは8月に新基地建設が進む名護市辺野古を訪れた感想を報告。国連NGO「市民外交センター」の上村英明代表(恵泉女学園大学教授)、琉球新報の潮平芳和編集局長、沖縄・生物多様性市民ネットワークの吉川秀樹代表が自己決定権、表現と報道の自由、環境権をテーマに問題点を訴えた。辺野古の現場で取材する沖縄タイムス北部支社の阿部岳報道部長は、地域住民の訴えを伝えた。
■日米、責任をたらい回し/翁長雄志知事講演
国連の人権理事会に初めて参加する。沖縄で起きていることを世界的な意味合いを含め、紹介したい。
600年前に琉球王国ができ、営々と独立国家として存在したが、1879年、日本国に併合された。
沖縄は独自の言語を持っていたが、使用を禁止され、良き日本人として頑張るよう勉強した。
第2次世界大戦では日本で唯一の地上戦があり、20万人が亡くなった。県民は10万人を超えた。住民は日本軍と一緒に逃げ惑い、独自の言語を使うことで「意味が分からない」とスパイ扱いされ、殺されることもあった。
戦争が終わると米軍が占領。ふるさとから遠く離れた収容所に住まわされる間に米軍が土地を強制接収し、基地を建設した。沖縄県民が「どうぞ」と差し出した基地はない。
1952年、日本は独立と引き換えに、沖縄を米軍の施政権下とした。高等弁務官がすべてを取り仕切り、自己決定権はない。過酷な人権問題の中、27年間、大変厳しかった。
普天間飛行場も差し出した基地ではない。そこが住宅街で危ない、老朽化した、そんな理由でおまえたちが新しい土地を提供し、そこに普天間を移すと言われ、理不尽さを感じる。
現場では県民が新基地を造らせないと抗議している。日本政府は無視するように工事を進める。基地ができれば米軍が使うので米国も当事者だ。
米国は日本の国内問題と主張し、日本政府は後ろで米国が認めてくれないと言い、たらい回しにされる。自己決定権、人権という意味でも他の都道府県と沖縄は違う扱いだ。
基地問題の原因はどこにあるのか。県民か、国民全体で考えない日本政府か、当事者ではないと知らんぷりを決め込む米政府か。辺野古新基地がどのように建設され、われわれがどのように止めるのか。日本と米国の民主主義がどうなっているか。沖縄に基地を置く真犯人は誰なのか。沖縄の現状に関心を持ち、世界中で謎を解き、私たちの沖縄が子や孫のために誇りを持って生きていけるように、助言してほしい。
■政府は地元の事前承認必要/特別報告者のビクトリア・タウリ・コープスさん
8月に沖縄を訪れた。名護市辺野古の新基地建設に反対する人々から話を聞き、海上での抗議行動も見た。私の出身地フィリピン北部には五つの米軍基地があった。ベトナム戦争にも使われ、ベトナムの人たち、先住民を殺したことに関与した。住民は抗議した。
米軍基地に反対したが、フィリピン政府は1991年、新たに基地使用を合意。賛成票が一つ多いだけだった。沖縄の状況にも同情の念を感じている。
フィリピン人の安全保障、環境、人権侵害、先住民に対する問題などが議論される中、クラーク基地でひどい事件があった。先住民がイノシシと間違われ、米兵に殺されたのだ。先住民に対する差別でもある。
沖縄に戻ると、国土面積の0・6%に在日米軍専用施設面積の74%が集中し、多くの米軍関係者が暮らしている。政府は沖縄に犠牲を強いている。
基地内で起きた環境汚染の情報にアクセスする権利もない。沖縄の人が先住民かどうかは別として、自己決定権がある。国連宣言でも領土と資産に対する権利が認められている。辺野古の新基地建設のように開発するなら、政府は地元の人々の事前承認が必要だ。
沖縄の人たちは自分で自分のことを先住民と認識すると国連宣言の条項が適用される。自己決定権を含めて、だ。文化的な発展につながる。沖縄の人がいかに苦しんでいるか。知事の声、沖縄の過半数の意見を聞き、よく分かるようになった。沖縄の歴史、この不正義をたださないといけない。国連人権理事会での発表は一つの機会になる。
■人に命の予備はない/沖縄タイムス北部報道部長・阿部岳氏
辺野古住民の島袋文子さんの話を紹介し、現場からの報告としたい。86歳の女性が、けがをしながらも新基地建設への抗議行動に参加し続けている。
それはなぜか。沖縄戦を体験したからだ。日本兵は自分の身を守るために住民を殺したり、危険にさらしたりした。島袋さんは頼る者なく戦場をさまよい、ある夜、死体が浮かぶ池から水を飲んだ。血と泥を飲んで生き延びた。
今、彼女は「日本がまた沖縄を犠牲にしている」と言う。沖縄の土地と海を奪い、抗議参加者のけがは増え続けている。誰もが死者が出ることを恐れている。
島袋さんは言った。「私に命の予備はない。その命を懸けて、若い人たちが地獄を見るのを防ごうとしている。国連の場に集まった皆さんも同じように命の予備がないとしたら、分かってもらえると思う。日米両政府を止めてください」(フロアから)
翁長知事「辺野古は理不尽」国連欧州本部シンポで6氏が訴え
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=133920
2015年9月22日 06:00
シンポジウムで講演する翁長雄志知事=21日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部(共同)
ビクトリア・タウリ・コープスさん
阿部岳氏
国連人権理事会の特別報告者、ビクトリア・タウリ・コープスさんは8月に新基地建設が進む名護市辺野古を訪れた感想を報告。国連NGO「市民外交センター」の上村英明代表(恵泉女学園大学教授)、琉球新報の潮平芳和編集局長、沖縄・生物多様性市民ネットワークの吉川秀樹代表が自己決定権、表現と報道の自由、環境権をテーマに問題点を訴えた。辺野古の現場で取材する沖縄タイムス北部支社の阿部岳報道部長は、地域住民の訴えを伝えた。
■日米、責任をたらい回し/翁長雄志知事講演
国連の人権理事会に初めて参加する。沖縄で起きていることを世界的な意味合いを含め、紹介したい。
600年前に琉球王国ができ、営々と独立国家として存在したが、1879年、日本国に併合された。
沖縄は独自の言語を持っていたが、使用を禁止され、良き日本人として頑張るよう勉強した。
第2次世界大戦では日本で唯一の地上戦があり、20万人が亡くなった。県民は10万人を超えた。住民は日本軍と一緒に逃げ惑い、独自の言語を使うことで「意味が分からない」とスパイ扱いされ、殺されることもあった。
戦争が終わると米軍が占領。ふるさとから遠く離れた収容所に住まわされる間に米軍が土地を強制接収し、基地を建設した。沖縄県民が「どうぞ」と差し出した基地はない。
1952年、日本は独立と引き換えに、沖縄を米軍の施政権下とした。高等弁務官がすべてを取り仕切り、自己決定権はない。過酷な人権問題の中、27年間、大変厳しかった。
普天間飛行場も差し出した基地ではない。そこが住宅街で危ない、老朽化した、そんな理由でおまえたちが新しい土地を提供し、そこに普天間を移すと言われ、理不尽さを感じる。
現場では県民が新基地を造らせないと抗議している。日本政府は無視するように工事を進める。基地ができれば米軍が使うので米国も当事者だ。
米国は日本の国内問題と主張し、日本政府は後ろで米国が認めてくれないと言い、たらい回しにされる。自己決定権、人権という意味でも他の都道府県と沖縄は違う扱いだ。
基地問題の原因はどこにあるのか。県民か、国民全体で考えない日本政府か、当事者ではないと知らんぷりを決め込む米政府か。辺野古新基地がどのように建設され、われわれがどのように止めるのか。日本と米国の民主主義がどうなっているか。沖縄に基地を置く真犯人は誰なのか。沖縄の現状に関心を持ち、世界中で謎を解き、私たちの沖縄が子や孫のために誇りを持って生きていけるように、助言してほしい。
■政府は地元の事前承認必要/特別報告者のビクトリア・タウリ・コープスさん
8月に沖縄を訪れた。名護市辺野古の新基地建設に反対する人々から話を聞き、海上での抗議行動も見た。私の出身地フィリピン北部には五つの米軍基地があった。ベトナム戦争にも使われ、ベトナムの人たち、先住民を殺したことに関与した。住民は抗議した。
米軍基地に反対したが、フィリピン政府は1991年、新たに基地使用を合意。賛成票が一つ多いだけだった。沖縄の状況にも同情の念を感じている。
フィリピン人の安全保障、環境、人権侵害、先住民に対する問題などが議論される中、クラーク基地でひどい事件があった。先住民がイノシシと間違われ、米兵に殺されたのだ。先住民に対する差別でもある。
沖縄に戻ると、国土面積の0・6%に在日米軍専用施設面積の74%が集中し、多くの米軍関係者が暮らしている。政府は沖縄に犠牲を強いている。
基地内で起きた環境汚染の情報にアクセスする権利もない。沖縄の人が先住民かどうかは別として、自己決定権がある。国連宣言でも領土と資産に対する権利が認められている。辺野古の新基地建設のように開発するなら、政府は地元の人々の事前承認が必要だ。
沖縄の人たちは自分で自分のことを先住民と認識すると国連宣言の条項が適用される。自己決定権を含めて、だ。文化的な発展につながる。沖縄の人がいかに苦しんでいるか。知事の声、沖縄の過半数の意見を聞き、よく分かるようになった。沖縄の歴史、この不正義をたださないといけない。国連人権理事会での発表は一つの機会になる。
■人に命の予備はない/沖縄タイムス北部報道部長・阿部岳氏
辺野古住民の島袋文子さんの話を紹介し、現場からの報告としたい。86歳の女性が、けがをしながらも新基地建設への抗議行動に参加し続けている。
それはなぜか。沖縄戦を体験したからだ。日本兵は自分の身を守るために住民を殺したり、危険にさらしたりした。島袋さんは頼る者なく戦場をさまよい、ある夜、死体が浮かぶ池から水を飲んだ。血と泥を飲んで生き延びた。
今、彼女は「日本がまた沖縄を犠牲にしている」と言う。沖縄の土地と海を奪い、抗議参加者のけがは増え続けている。誰もが死者が出ることを恐れている。
島袋さんは言った。「私に命の予備はない。その命を懸けて、若い人たちが地獄を見るのを防ごうとしている。国連の場に集まった皆さんも同じように命の予備がないとしたら、分かってもらえると思う。日米両政府を止めてください」(フロアから)
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