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「世論調査の結果はインチキ」だと考える人は、9月19〜20日に行われた毎日新聞の世論調査で、安保法制が「憲法違反だと思う」が60%であり、国民への説明が「不十分だ」は78%なのだから、安倍内閣を支持しないが60〜80%近くにならなければおかしい、と考えているのだろう。
世論調査の中には、産経新聞やFNN、読売新聞のようにあからさまに政権側に有利な回答を誘導する悪質なものが存在することは確かであるが、今回の毎日新聞の世論調査では、安倍内閣支持35%、不支持50%と、これまでの各社の世論調査の中でも安倍内閣にとってかなり厳しい調査結果となっている。
何の条件をつけることもなくアプリオリに「世論調査はインチキ」だということは、選挙結果は「ムサシ」によるねつ造だ、と主張することと同じく、みずからの政治的主張にとって不本意な結果となった事実に目をつぶり、事実を認めることから逃避することのできる、最も「安易」で「安楽」であり、政治的に「堕落」した考え方だと言わざるを得ない。
人びとは、まったく同じ1つの事柄についての賛否だけで内閣を支持する・しないを必ずしも決めている訳ではない、ということについてはほとんどの人が同意すると思う。
安保法制を最も重要な問題だと考えて反対する人は当然、安倍内閣を支持しないだろうが、安保法制に反対の人すべてが同じように考えるはずである、と考えるのは「傲慢」というべきである。
経済政策ではアベノミクスに対する是非は別として、野党側はアベノミクスに取って替わる経済政策パッケージをまったく提起できていない。このことが自民党による「この道しかない」という大胆で決めぜりふ的な政治スローガンを許す結果となってしまっており、先の衆院選で自民党が圧勝する大きな勝因となったことは記憶に新しい。
安保法制に反対でも、それ以外の政策を理由として「他の内閣よりよさそう」だから支持するという人はかなりの割合で存在する。直近のNHK世論調査では、安倍内閣を支持する理由として最も多いのが「他の内閣より良さそうだから」であり4割近くを占めている。いわば消去法によって消極的に安倍内閣を支持している人が最も多いことになる。このことは安保法制に対する反対が多くても野党の支持率が上がらないことと符号している。
これらのことが安保法制に対する賛否と内閣支持率との間のねじれの原因となっていることを理解する必要がある。
このことが来年の参院選で「安保法制反対だけ」を訴えて統一戦線を組み、選挙協力を行なったとしても、まったくの期待外れの結果に終わることを示している。多くの国民にとって最も切実な問題は何かといえば、安保法制問題ではなく経済問題であり、社会保障問題である。安保法制反対だけを主張して、このことに関して明確で現実的な政策を提起できない政党は、多くの国民からそっぽを向かれる。
いま現在は、安保法制の賛否が最も大きな政治問題となっているが、それでも政党支持率では自民党が他の政党を圧倒している。これが来年7月の参院選の時点でどのようになっているか。少なくとも安保法制問題についての国民の関心は今より大きく低下している可能性が高い。むしろ翌年に迫った消費税の10%へのアップが最も大きな政治問題となっていると考えられる。
共産党以外の野党は、こうした政治状況の変化の流れを当然予測し、その上で共産党の提唱する野党連合構想への是非を決めることになる。
そのような政治状況の変化が予想される中で、いま共産党が主張している「安保法を廃案のため参院選での野党連合構想」は、一時の盛り上がりに便乗する形でこれまで同党が同じような野党連合構想を提起して尻すぼみに終わったのと同じ結果をまたたどる可能性が高い。
仮に野党連合構想が実現できたとして、それが「安保法制反対だけ」を訴えていては勝利は望むべくも無い。参院選に勝利するためには、消費税10%が間近に迫る中で、アベノミクスに替わりうる大胆で現実的な経済政策パッケージの提示が絶対必要条件である。
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