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安保法案に集団違憲訴訟へ 弁護団長の小林節氏、安倍首相を厳しく批判
http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/19/kobayashi-setsu_n_8164456.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
投稿日: 2015年09月20日 11時43分 JST
9月19日未明に成立した安全保障関連法案に対し、反対するグループは年内にも集団違憲訴訟を起こそうと準備を進めている。
山中光茂・三重県松阪市長が結成した市民団体は、法律が憲法9条に違反し、平和に暮らす権利が損なわれるとして、国に賠償を求める違憲訴訟に踏み切る方針だ。時事ドットコムによると、賛同する地方議員らと1万人規模の原告団を目指し、参加者を募っている。弁護団長には国会などで法案を厳しく批判してきた弁護士の小林節・慶応大名誉教授が就任する予定。
■改憲派ながら安倍首相を批判「天下国家を司る器ではない」
小林氏はもともと、改憲派の学者として、改憲を党是とする自民党の議論を主導してきた。
北朝鮮の核開発を契機に朝鮮半島に軍事的緊張が高まった1994年6月には、読売新聞のインタビューに「米国と国連を中心とした北朝鮮に対する圧力に、積極的に協力すべきだ」と述べ「国内的には、長期的に見ると有事法制の整備と、その前提になる憲法九条の改正をすべきだし、短期的には集団的自衛権の行使と海外派兵を認めない九条に対する政府の有権解釈(注・国家機関の行う、拘束力を持つ法の解釈)を変更すべきだ」と主張している(1994年6月10日付朝刊)。
しかし、2012年末に2度目の首相に就任した安倍晋三氏が、衆参3分の2以上の賛成を定めた憲法96条の規定を改正し「2分の1以上」に緩和することに意欲を見せると、これを強く批判した。
「権力者も人間、神様じゃない。堕落し、時のムードに乗っかって勝手なことをやり始める恐れは常にある。その歯止めになるのが憲法。つまり国民が権力者を縛るための道具なんだよ。それが立憲主義、近代国家の原則。だからこそモノの弾みのような多数決で変えられないよう、96条であえてがっちり固めているんだ。それなのに……」。静かな大学研究室で、小林さんの頭から今にも湯気が噴き出る音が聞こえそうだ。
「縛られた当事者が『やりたいことができないから』と改正ルールの緩和を言い出すなんて本末転倒、憲法の本質を無視した暴挙だよ。近代国家の否定だ。9条でも何でも自民党が思い通りに改憲したいなら、国民が納得する改正案を示して選挙に勝ちゃいいんだ。それが正道というものでしょう」
(毎日新聞2013年4月9日付夕刊)
安倍首相は「解釈改憲」に方針転換し、2014年7月、閣議決定で集団的自衛権を容認し、安保法案を提出したが、小林氏は、根拠とした1959年の「砂川事件」最高裁判決の解釈を「問われたのは在日米軍基地の合憲性。日本の集団的自衛権なんかどこも問われていない」と指摘。さらに安倍首相を「『丁寧に説明する』という言葉だけは出たけど、丁寧に説明されたという実感は一度もありません。説明を求めると、全然関係ないことをとうとうとしゃべる。本当に卑怯な手だと思います。天下国家を司る人の器ではない」と厳しく批判している。
安保法案を巡っては、2015年6月4日の衆院憲法審査会で、有識者として呼ばれた憲法学者が、与党推薦を含め3人とも「安保法案は憲法違反」との見解を示し、話題となった。小林氏はこのとき、民主党推薦で出席し、反対意見を述べた。
6月15日の日本記者クラブの会見では、「専守防衛」の概念を以下のように説明し、法案に反対意思を示している。
軍隊というのは戦争に勝つことが最優先ですから、大量破壊、大量殺人など、普通に考えたら犯罪です。例外的に戦場でどさくさ紛れに強盗、強姦すると軍法で裁かれる。だから軍法会議という、大量殺人と大量破壊を問題にしない法廷が特別につくられる。だけど日本国憲法は76条2項で軍法会議も禁止している。つまり軍隊を持つことは許されていないんですよ。(中略)
海上自衛隊を外に出したら、交戦権はないし軍法会議はない。国際法的にはただの海賊です。捕まったら刑事処分を受けてしまう。当然の帰結として、我が国は海外へ兵隊を出せない。(中略)だから専守防衛というがんじがらめの中で、我が国は他国防衛のために海外派兵を本質とする集団的自衛権はそもそも行使できない。
(安保法制に「違憲訴訟を準備」 小林節氏・長谷部恭男氏が安倍政権を批判(会見詳報)より 2015/06/15 21:58)
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