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安保法制反対の声をあげ、デモをする若者たち。「政治に関心がない」と言われれきた彼らを突き動かした思い(撮影/写真家・尾崎孝史)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150919-00000000-sasahi-pol
週刊朝日 2015年9月25日号
「前へ! 前へ!」
デモに参加する若者らが、隊列を組む警官隊を押しのけ進む。8月30日、国会議事堂周辺。雨が降りしきる中、12万人もの老若男女が押し寄せ、安倍政権が進める安保法制に対する反対の声が響いた。
人波の最前線にいたのは、首都圏の大学生らでつくる「SEALDs」だ。ラップ調のコールに、おしゃれなプラカード、洗練された広報スタイル。その活動は5月の結成以来、話題を呼び、今夏は彼らが台風の目となって、全国で10〜20代の若者らによる30もの団体が誕生。
“15年安保”の幕が上がった。
「高校生のときに耳にしたヘイトスピーチや、他国を武力で威嚇しようとする安倍政権の不寛容さに対抗したくて、デモに参加しました」
SEALDsで宣伝用の投稿サイトの管理をする中川えりなさんは言う。学業の傍ら、モデルとしても活動する。
「政治的な活動が、モデルの仕事には不利になると言う人もいます。でも私は、自分の考えを押し殺した人形にはなりたくない」
戦後最大の社会運動として記憶に残る1960年、70年安保闘争は、混沌と喧噪(けんそう)の文脈で語られることが多い。それからおよそ半世紀。
15年安保の申し子たちのまとう空気は軽やかで色にあふれ、身も心も普段着のまま活動しているように見える。
「俺たちは自由に生きたいぞって思いで、うーんと伸びをしたら、拳の先が安倍政権にぶつかった。そんな感じ」
そう話すのは、同じくSEALDsの牛田悦正さん(22)だ。
決まった会議もなければ、リーダーも置かない。言い出しっぺがやりたいことを自分でやる。そんな彼らが民主主義を問いかけた、この夏。大人を動かし、全国の若者の大きなうねりを生み出した。
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