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目次
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安保法案 : あれでどうして 「可決」 なのか?
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-0127.html
2015年9月18日
3つの案件は採決されたといえるのか?
昨日の午後、安保法案の参院特別委の模様を中継したNHKの番組を視た。16時25分頃、鴻池委員長の不信任動議が否決されたところまでは画面と音声で確認できた。しかし、その後、16時30分頃までの間に3つの案件(注)が「可決された」と、NHKが16時42分19秒にニュースで流したのを知って驚いた(時刻はNHKふれあいセンターに電話で問い合わせて確認。その後、更新されている)。 http://www.nhk.or.jp/news/html/20150917/k10010238871000.html
(注)質疑打ち切り動議、安保法案、与党と野党3党が共同提出した付帯決議の3つ
テレビの画面を視る限り、この5分間は与野党委員が委員長席に殺到し、もみ合う状況が続いたとしか見えなかった。むろん、その間、自民党筆頭理事・佐藤正久氏が委員席に向かって送ったサインに応じて与党委員が自席近くで起立する光景が何度か映った。あれが起立多数で可決の挙動だったのだろうか?
しかし、その模様を伝えたNHKの高瀬耕造アナウンサーは、「委員長の声は全く聞こえません」と2度繰り返した。視ていた私も同様だった。
実際、未定稿の速記録によると、不信任案が否決され、鴻池委員長が委員長席に戻って以降は、「議場騒然 聴取不能」と記された後、「委員長退席 16時36分」と記され、その間は何も記載がない。
ここから判断して、鴻池委員長が議事に関して何かを発言し、採決がされたことを裏付ける記録はないことになる。
野党議員は口をそろえて「何があったのかわからない」
委員会閉会後、廊下でインビューを受けた福山哲郎委員(民主党理事)はスタジオからの質問を遮るように、「可決はされていません。あの審議をご覧になっていたらわかるように、可決は認められません。委員長が何を言ったかわからない。いつ動議を出したのか、採決されたのかわからない」と強い口調で語った。
民主党の枝野幹事長も国会内の記者団に対し、「採決がなされたと言える代物ではない。これをもって、委員会で可決されたとするならば、到底許されない暴挙だ」と語っている(上記、NHKニュース記事参照)。
共産党の井上哲士議員は、「(安全保障法案の採決で)いったい何がおきたのか、そもそも動議が出たのかどうかも、委員長が何を発言したのかも誰もわからない。そして、私は自民党席の前にいたが、彼らも何もわからないまま立っていただけですよ。だからこれは全く無効」と語っている。(「朝日デジタル」2015年9月17日19時28分)
http://www.asahi.com/articles/ASH9K652JH9KUTFK010.html?iref=com_alist_6_04
生活の党と山本太郎となかまたち代表の山本太郎議員は、「委員長席を与党の議員が取り囲む中で、委員長自身が確認することなく、可決の判断をすることはありえない」と語っている(上記、NHKニュース記事参照)。
そして、昨夜、野党5党は山崎正昭参院議長に対して、特別委での採決は無効と申し入れた。
早々と「法案、可決」と伝えたNHK、その根拠は?
NHKの中継を視た人たちの多くも、後掲のように、「可決はされてません。認められません」という福山哲郎議員の発言をリツイートしている。また、「あれで可決されたとは思えない」、「NHKもよくあれで可決されたと放送できたものだ」、「騒然として、速記も止まっていた、可決の証拠がない状態のようだけど?メディアが『可決された』と報道すれば、既成事実化されるね」とツイッターに書き込んでいる。
私も、「採決をした」と与党委員がいう時刻から2,3分後にNHKの田中泰臣・政治部記者が「可決された模様です」と語り、およそ10分後に「安保法案、可決」という字幕を出したのは、どのような取材または証拠に基づくのか、奇異に思えた。
委員会室で与党議員が数回、起立したのは確かだ。しかし、「委員長が何を言ったかわからない。いつ動議を出したのか、わからない」という状況の中で、委員長の職務代行でもない自民党の筆頭理事の指図に応じて、与党委員が起立したことを以て可決とみなすのであれば、委員長そっちのけの議事進行であり、委員会室は無法地帯も同然である。
少なくとも、このように与野党で状況認識が真っ向から対立する問題について、また、テレビを視た多くの人々が、「あれで可決とは思えない」と受け止める状況について、NHKはじめ、ほとんどのマスコミが、与党の主張通りに「可決ありき」と報道したことに強い異議を感じる。
せめて、「与党議員は、法案は可決されたとして委員会室を出ました」といったように、与党の言い分と距離を置く伝え方をし、「可決」が既成事実化するのを避ける姿勢を貫くべきだ。報道のあり方次第で、不条理が既成事実化し、撤回なり修正なりの協議の可能性がふさがれる怖さをマスコミ自身がもっと厳格に自覚するべきだ。多数派が数の力で強引に決めごとをする場合はなおさらである。
野党は「可決」の既成事実化に抗うべき
〜「あらゆる手段を駆使して」というのなら〜
政府・与党は安保法案を今夜のうちにも本会議で可決しようと強硬姿勢を見せている。本会議で可決されるとなると、特別委での採決の無効を訴える野党の主張は効力が減衰してしまうというのが常識的な見方だろう。
しかし、野党各党が「あらゆる手段を使って法案の成立を阻止する」というなら、上で指摘したような参院特別委での安保法案の「可決」の有効性はもとより、「採決」そのものの有効性に関する異議申し立てを、一応の「ポーズ」どまりにせず、毅然と実行すべきだ。
そのためには、野党は、質疑打ち切り動議が、いつ、誰から出されたのか、3つの案件について、委員長はそれぞれ採決をどのように諮ったのか、について速記録で確認するとともに、起立賛成した与党委員は、鴻池委員長の発言を聴き取って起立したのか、佐藤筆頭理事の合図に促されて起立したのか(後者なら採決は無効)を実地精査して確認すべきである。
こういう作業をせず、「到底許されない暴挙」とか、「採決は言語道断」とか、「まったく無効」と言っても言葉遊びになる。そのような口先だけの勇ましい言葉なら、国民は見向きもしない。
NHK政治部・田中泰臣記者が使った「不測の事態」とは?
9月16日夕方から17日の夜にかけてNHKは国会とスタジオを結んだ特別委の模様を長時間、放送した。その際、スタジオには高瀬アナウンサーとともに政治部の田中泰臣記者が頻繁に登場し、解説をした。
@公聴会直後に法案の採決をしようとする与党の、公述人を冒涜する行為を不問にしたこと、
A1日前までやると言っていた締め括り質疑を飛ばし、野党が防衛省等から提出を求めた資料が提出されないままの状態で、採決に移ることへの疑義を一切差し挟むこともなく、政府与党が描く審議日程を得々と説明したこと、
など、田中記者の解説ぶりはNHK政治部の政府広報部ぶりを知るうえで「有益」だったが、できれば別の記事でこの点を立ち入って論じたいと思う。
ただ、一つ、ここで触れておきたいのは田中記者が、高瀬アナから、「なぜ政府与党は採決を急ぐのか」と聞かれて、頻繁に「採決がずれ込むと、国会の外の反対行動が大きくなって不測の事態を招きかねないから」と語ったことである。
「不測の事態」・・・・・「実用日本語表現辞典」によると、「予測していなかった、思いがけないできごと。ふつう、悪い結果について用いる」とある。
では、国会の外で連日行われている、安保法案廃案、憲法守れの行動がさらに広がることによって、田中記者は、どのような「予測外の悪い結果」が起こると考えたのだろうか? 予測する事態を「悪い結果」とみなす理由は何なのだろうか?
昨日、NHKふれあいセンターに電話して、この点を質問したら、「ここでは、そのようなお尋ねがあったことを担当部署に伝えることしかできない」との返答。代わって電話に出た「上司」を名乗る人物としばらく問答をしたが、返答は変わらず。最後は、「どうしても確かめたいということなら、手紙かメールで田中記者に直接、尋ねてほしい」。近く、そうしたい。
【付録】「あれで可決」
民主、福山議員インタビュー。開口一番「可決はされてません。認められません。委員長が何を言ったのかも分からない、誰が何の動議を出したのかも分からない。あれで可決なら我が国の民主主義は死にます」 pic.twitter.com/ADOwjCvXtc
― gigimaki (@gigimaki) 2015, 9月 17
最終採決の映像ニュースで今見たけどあれ?!あれで可決?!?!よそ見してる間にあんぱん食べちゃって「はいもう食べちゃった???はいもうおしまい?もうあんぱんありませ??ん」とかやってる小学生みたいなやり方でしたが?!
― ラムしゃぶ (@qmsd_) 2015, 9月 17
@kobeshinbun
あれで「可決された」と言っていいのかな。騒然として、速記も止まっていた、可決の証拠がない状態のようだけど?メディアが「可決された」と報道すれば、既成事実化されるね。
― アマノウズメ (@a_uzume) 2015, 9月 17
議事録の有無以前に、ほとんどの人が委員長がいつどのような提案をして採決を求めたか聞こえていないはず。賛成も反対もあり得ない。無効!NHKもよくあれで可決されたと放送できたものだ。
― ぬまちゃん (@ikarinuma) 2015, 9月 17
まったくです!シナリオを持っていないと、あれで可決とは思えない。 https://t.co/VnqnT1KnLi
― たんじふみひこ (@tanjibrico) 2015, 9月 17
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しどろもどろの参院事務局の応答 〜安保法案「可決」の認定を尋ねると〜
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6650.html
2015年9月18日
安保法案「可決」の認定は誰が、どのように
昨日、このブログに、安保法案は参院特別委で「可決」されたと言えるのかという記事を書いた。
これに関連して今朝の『朝日新聞』に「声聞き取れぬ採決 委員長が賛否認定」という見出しの記事が掲載された。それによると、私は昨日の記事で、16時25分前後の約5分間に3つの案件――−@質疑打ち切り動議、A安保法案そのもの、B付帯決議―――が採決されたと言われていると書いたが、さらにもう1件、法案可決の事実などを盛り込む「審査報告書」の作成を鴻池委員長に一任する動議(?)も採決されたとのことである。あの騒然とした委員会室で、わずか5,6分の間に計4つの案件が「採決された」とは驚きである。
さらに、問題なのは「委員全員がほぼ立ち上がり、鴻池氏の声も聞き取れない中、賛成多数をどう確認したのかはわからない」(同上、記事)という点である。
記事によると、「参議院事務局は『最終的には委員長が賛否を認定する』」そうである。しかし、昨日のブログ記事に載せたように未定稿の速記録には「議場騒然、聴取不能」という記載があるのみ。
それでも、「委員長発言はマイクを通さなくても、委員会室で発言する限り有効とされるが、議事録に正しく記録する必要がある。今回も鴻池氏の発言を記録する目的か、委員長席を取り囲む人の輪へICレコーダーを突っ込む人の姿が見られた」(同上、記事)という。
これだけでは腑に落ちないので、鴻池委員長は賛成多数をどのように「認定した」のか確かめるため、今日、参院事務局の安保特別員会担当事務局(委員会部)に電話をした。約10分ほどのやりとりは次のとおりだった。
参院事務局とのやりとり(1)〜鴻池委員長が認定したというけれど〜
醍醐:今朝の『朝日新聞』によると賛否の認定、可決の認定は最終的には委員長が行うとのことですが、昨日、鴻池委員長は賛成多数をどのように「認定」したのですか? 委員長席には与野党委員が殺到し、かぶさり合って騒然とし、委員長の声は聞こえませんでしたが。
参院事務局:委員長は賛成多数を確認したということです。
醍醐:どうやって確認したのですか?
参院事務局:委員長の声は聞き取れなかったかも知れませんが、われわれは委員長の音声を確認し、記録を取れています。
醍醐:しかし、テレビの画面を視る限り、委員長は委員席が見えず、賛成起立した委員を確認できる状況ではなかったはずです。
参院事務局:私たちもインターネット中継を見ていましたが、起立している委員の姿は確認できました。
醍醐:では、委員長席に殺到し、かぶさるような格好になっていた委員は起立したことになるのですか?
参院事務局:委員以外の議員は起立にカウントされません。自席を離れていた委員も起立賛成にはカウントされません。
醍醐:それなら、委員長は自席で起立した委員の姿が見えず、起立した委員の数を確認できなかったはずですが。また、委員長席の周辺以外にも自席を離れていた委員がかなりいましたが、どうなるのですか?
参院事務局:委員長は見えたんだと思いますが。
醍醐:テレビを見ていたら、誰だって、委員長は周りを取り囲まれ、委員席を見えていなかったことは一目瞭然ですよ。委員の中で起立した人はいたのは映像から確認できますが、あれは委員長の議事進行の声を聴き取ってではなく、自民党の佐藤筆頭理事のサインに促されて起立したことは明らかです。佐藤理事は委員長の職務代行者ですか? そうでない委員の指示で起立しても有効なのですか?
参院事務局:・・・・・・・ いずれにしても、委員長の「可決」うんうんの声を私たちは確認していますので、それを以て認定ということです。
醍醐:では起立多数、よって可決という認定はいつの時点でしたのですか? 委員会終了後、委員長と事務局の相談でですか?
参院事務局:そんなことはありません。あくまでも委員会室で委員長が認定するものです。
醍醐:それなら、自席で起立した委員を確認できない状況で、どうして賛成多数を認定できたのですか?
参院事務局:委員長は見えたんだと思いますよ。
醍醐:テレビ中継で、あの場面を視ていた人なら、鴻池委員長は自席で起立した委員の姿が見えたとはとても信じませんよ。それと、委員長の議事進行の声が聞こえない状況で、特定の理事のサインに応じて起立しても無効でしょう?
参院事務局:まあ自民党の理事ですから、委員長を代行したと言えるのでは・・・・
醍醐:冗談じゃないですよ。仮に事務局の皆さんが委員長の声を聴き取れたとしても委員会室で委員が聴き取れなければ意味がありません。
参院事務局:とにかく、賛否の認定は委員長がやることになっていて、私たちはそれを補佐するだけです。
参院事務局とのやりとり(2)〜議事録はどうなる?〜
醍醐:補佐といっても事務局は委員長の指示に追従することではないですね。補佐の中身は議事進行規則等について不慣れな委員長に助言をすること、議事録を整備することなどですよね。
参院事務局:それはそうです。ただ、私たちは委員長の判断をどうこういうものではありません。
醍醐:速記録では、「議場騒然、聴取不能」と書かれていますが、正式の議事録は先ほど言われた、皆さんが聴き取ったとされる記録をもとに作成するのですか?
参院事務局:いえ、(速記録のとおり)「議場騒然、聴取不能」と書きます。
醍醐:だったら、賛否(可決)の認定を客観的に裏付けるものはないことになりますね。
参院事務局:そのような場合は、委員長の認定です。
醍醐:委員が自席にとどまり、正常な議事進行で採決がされた場合は委員長の認定を特段、問題にすることはありません。しかし、昨日のように混乱したなかで、委員長が起立した委員を確認できず、委員長の議事進行の声を委員が聞き取れない状況で、議事録の裏付けなしに委員長の認定だけで可決の有無を判断するのは怖いことですよ。委員長の独断を許すことになりかねず、悪しき先例にもなります。
野党が共同で採決無効の申し入れをしたと伝えられていますが、参院事務局はこれにどう対応するのですか?
参院事務局:・・・・あっ、今、別の用件が入りましたので、すみませんがこの辺で・・・・」
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