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朴大統領の後塵を拝した安倍首相の国連一般演説演説
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2015年9月18日 天木直人のブログ 新党憲法9条
安保法案をここまで強行しようとする安倍首相の真の愚かさは何か。
それは安保法案が出来ても出来なくても、安倍首相が望む日本の国際的地位の向上に何の役にも立たない、そんな無駄なことに精力を傾けている事である。
すなわち安保法案の大騒動は、日本だけが一人で騒いでいる国内政治問題なのである。
世界のほとんどの国は関心が無い。
歓迎の意を示しているのは米国ぐらいだが、その米国さえ安倍首相に塩を送っているだけで、本当はどうでもいいのだ。
そんな安保法案の成立に血道を上げるぐらいなら日本の国際的地位の向上の為になすべきことは他に山ほどある。
安倍首相が安保法案を今週中に成立させることにこだわった理由の一つに、国連総会の出席に遅れてはいけない、という理由があると言われてる。
しかし、今度の国連総会ほど、安倍首相に出番のない総会はない。
今度の国連総会は「創設70年国連総会」である。
当然ながら歴史認識問題や国連改革が議題となり、それに加えて中東問題やシリア難民問題だ(9月16日産経)。
いずれも日本の出番はない。
しかも、日本が目指す国連改革とは安保理常任理事国入りであるが、国連は戦勝国がつくった戦勝国の同盟組織であるから相手にされるはずがない。
なにしろいまだに日本は敵国条項の対象国のままであり、その条項の削除こそが日本にとっての国連改革なのに、それさえも出来ないままだ。
そう思っていたら、今度の国連総会は安倍首相にとって決定的に屈辱的なものになりそうなことがわかった。
国連が発表した各国首脳の一般演説暫定リストによれば、オバマ大統領、プーチン大統領、習近平主席らの演説は9月28日に予定されているという。
だからこの日の総会は世界が注目する。
ところが同じ日の9月28日に韓国の朴大統領が演説する事になっているのに、日本の安倍首相は翌日の9月29日となっているのだ。
いつもの事だが、日本の首相が一般演説する時にどれだけの国の代表が出席して聞いてくれるかが日本のメディアの最大の関心事だ。
28日の一般演説には当然の事ながら出席者が溢れ、世界のメディアが報じるが、29日には出席者はまばらになり、誰も聞かない演説日になるだろう。
安保理常任理事国の米国、ロシア、中国の後に演説するのならまだ我慢できる。
しかし、韓国の朴大統領の後塵を拝することは安倍首相にとって耐えられない事だろう。
しかし、これが国際的な日本の評価であり、日本の乏しい外交力のなせるわざだ。
安保法案などという国内問題に血道を上げるぐらいなら、一般演説の順位を28日に繰り上げる巻き返し外交をしてみたらどうか。
安倍首相は吉川国連大使を怒鳴り上げて暫定リストの順位を上げることに専念したらどうか。
安倍首相のことだから、おそらく今ごろはそう命じているのだろう。
果たしてどうなるのか。
今度の国連総会の見どころはそこである(了)
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