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2015-09-14 10:11:03
自衛隊の最高幹部が昨年12月、安倍内閣の発足直後にわざわざアメリカへ出向き、「安保法制は来年(つまり今年2015年)の夏までには成立させます」と、約束してきました。
国会質疑で、共産党の仁比聡平・参院議員が自衛隊のマル秘文書をもとに、その対米従属の実態を暴露したものです。本日は、IWJ代表の岩上安身さんが仁比議員へインタビューした内容をもとに、「自衛隊がアメリカ軍の完全子会社になった」実態をお伝えします。
自衛隊の制服組の最高幹部、河野克俊・統合幕僚長が昨年12月17日に訪米し、アメリカ4軍(陸、海、空軍と海兵隊)のトップと会談、その席でアメリカ側からご下問があった。ご下問は、「ガイドラインや安保法制について取り組んでいると思うが、予定通り進んでいるか。何か困ったことはあるか」というもの。
これに対し、河野統幕長は、下士官よろしく「与党が選挙で勝利したので、来年夏までに成立させる」と答えました。まだ安倍内閣による法案提出の前です。それでも、アメリカ様からのご下問には答えなければならず、安倍首相の頭越しにやり取りが行われているわけです。あるいは、河野統幕長は訪米前に安倍首相に会い、事前に了解を得ていたのかもしれない。いずれにせよ、日本の国民抜きで、重大なことがさっさと進んでいるわけです。
中谷防衛大臣は質疑の中で、「シビリアン・コントロールは問題ない」と答えていますが、何が問題ないですか。問題は大ありでしょう。
さらに大問題は、このやり取りが国民にはほとんど伝えられないことです。政府に都合の悪いこうした問題は、御用報道機関の読売、サンケイをはじめ、朝日やNHKも伝えないのです。だから、全くと言っていいほど、そんな問題が取り上げられたことすら知られていません。
それだけに、IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)などの独立系報道機関の存在がより重要になっています。そのIWJが伝えるところに、河野統幕長は、「(沖縄の)キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブなどの基地を自衛隊も共同使用できれば、日米同盟はより深化できる」とも言っています。
それだけではありません。こうも言っています。「AFRICOM(米アフリカ軍司令部)に自衛隊の連絡管を常駐させ、ジプチの利用を拡大させたい」と。ジプチは、自衛隊が海外に持った初の基地です。海賊対策の名目ですが、いずれはアメリカの中東攻撃の一翼を担う狙いのようです。すでにアメリカ軍と一体となって、砂漠での訓練も行っています。また、米軍の空母でのヘリコプター事故の際、自衛隊員が共同訓練していたことがはからずも明らかにされました。
日本は、当面オスプレイ17機を3600億円で購入、いずれは100機まで増やす計画です。
アメリカ軍は、SROEという行動原理で動いており、その中には「かくも含んで先制攻撃が可能」「国際法を順守しないこともある」「国益のために単独行動もする」としています。そのアメリカ軍と一体となって行動しようというのが、安倍晋三という男の考えです。
すでに日米安保条約に基づく「日米合同委員会」が深く根を下ろし、日本の政策を左右しています。月に2回の会合が何年も前から定期的に開かれ、「影の政府」としての機能を果たしてきました。
河野幕僚長は、その実績の上に立って、アメリカで「安保法制の今夏の成立」を約束してきました。すでに文民統制は有名無実です。アメリカは、日本政府がどうあれ、日米合同委員会を通じて、日本を遠隔操作できると自信を持っています。文民統制どころか、米国統制の実態があるわけです。
それでも、日本国民は黙っているわけにはいきません。せめて、安保法案が強行採決される前に河野幕僚長を国会に緊急に証人喚問し、アメリカでの発言の真意を明らかにすべきです。
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