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「安保法案をあきらめたら米国に罰せられる」の大嘘
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2015年9月14日 天木直人のブログ
今日発売の週刊プレーボーイ(10月5日号)「衆愚レアリズム」で川喜田研氏が書いていた。
高村正彦自民党副総裁が、安保法案の成立について、「(国民の理解が)十分に得られなくても、やらなければならない・・・」と言ったことがあったが、これは大問題ではないか、磯崎陽輔首相補佐官が「法的安定性は関係ない」とうっかり発言をしたよりはるかに大問題ではないのか、と書いていた。
その通りだ。
これほど民意が反対しているというのに、国民に選ばれた国会議員が、しかも三流議員の失言ではなく、政権政党の副総裁がここまで国会を無視した発言を堂々とした。
私も当時は気づかなかったのだが、なぜこの大暴言を野党も我々も、見過ごしてしまったのだろうか。
しかし、川喜田氏の次の指摘は必ずしも正しくない。
つまり彼は、なぜ安倍首相はここまで安保法案の強行採決にこだわるのか、その理由について、思想家・内田樹氏の言葉を借りてこう書いている。
成立させることで国民から受ける罰よりも、成立させないことでアメリカから受ける罰のほうがはるかに大きいからだ、と。
成立させなければ安倍政権は終わるというのはおそらくそうだろう。
私もそう書いてきた。
しかしすべては安倍首相次第なのだ。
米国によって辞めさせられるというのは嘘である。
日米同盟がある限り、米国は憲法9条はおろか安保法案などあってもなくてもいいのだ。
それよりも安保法案採決の強行により日本の政情が不安定になり、日本国民の怒りが米国に向かうことを米国は恐れる。
いまとなっては、辺野古移設もそうだが、無理をしないほうがいいと思い始めているに違いない。
安倍首相が辞めなければならない本当の理由は、米国議会で約束した以上、それが守れなければ自分は終わりだ、という思い込みである。
日米同盟を損なうようなことをしたら日本の首相はつとまらないと思い込んでいる日本の政治の現実である。
その日本の「政治の常識」に取りつかれた小心の安倍首相だから、安保法案を今度の国会で何が何でも成立させなければいけないと思い込んでいるに違いない。
だから私は安倍首相はおろかでひ弱だと言っているのだ。
私が安倍首相なら開き直る。
「国民の理解が得られるまで辛抱強く説得を続ける」と言って安保法案の今国会の採択を見送る。
そうすればすべてがうまくいく。
反対論者は自分たちの声が届いたといって喜び、米国も胸をなでおろし、ダメな野党は梯子を外されて空中分解だ。
政治に関心のない一般国民は安定を好むから安倍支持率は上がる。
安倍自公政権に代わる政権など考えられないのだから、よほどのヘマをしない限り安倍自公政権は続く。
そのよほどのヘマを安倍首相はおかそうとしているのだから、これほど馬鹿はない。
誰か安倍首相に言ってやれよ。
まだ一週間あるのだから(了)
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