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2015/09/14 05:22
<沖縄県の翁長おなが雄志たけし知事は14日午前10時から県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となっている名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消す考えを表明する>(以上「読売新聞」より引用)
沖縄県民の意思としてこれまでの選挙で「辺野古移設反対」は表明され続けてきた。それに対して政府は「普天間基地の移設先」には辺野古移設は不可欠だ、という立場を維持してきた。
辺野古沖移設に関して、政府は誰のためにあるのか、という根本的な命題を問われている。政府はもちろん国家と国民のためにある。その「国家」とは国土防衛も含まれるが、国土保全も含まれる。辺野古沖移設により辺野古の海が埋め立てられて「基地」化することに沖縄県民は反対しているし、そもそも沖縄全土に大きな面積を占める米軍基地の存在そのものに対して異議を唱えている。
沖縄県民を守るのは米軍ではない。あくまでも日本政府と自衛隊だ。日米安保条約では直接米軍基地や米軍施設が攻撃された場合を除き、直ちに敵に対して米軍が軍事行動を起こすようになっていない。あくまでも米国議会の同意を得て、日本に駐留する米軍は敵に対して軍事行動を起こせる、となっている。
安倍自公政権や辺野古沖移設を主張する連中は米軍が日本の国家と国民を守る軍隊だと強調しているが、米軍が直ちに侵攻してきた敵軍と直接戦うことになっていないと国民に正直に説明すべきだ。だから中国軍は平気で尖閣諸島近海の日本の領海に侵入しているのだ。
「戦争法案」を成立させようとしている連中は日米安保条約が「片務的」だから「双務的」にして、対等な軍事同盟にすべきだと主張するが、日本は米軍に対して国内に軍事基地を提供し、その駐留費用の75%も提供し、その上米軍軍属に極めて優越した法的身分を「地位協定」で保障している。これ以上の「双務的な」軍事同盟が世界の何処にあるだろうか。
安倍自公政権とその御用評論家たちは米軍がいなければ直ぐにも中国が侵攻してくるかのように「中国軍の脅威」を宣伝しているが、自衛隊は玩具の兵隊ではない。充分に侵攻してくる中国軍と戦える装備を保持し訓練を積んでいる。あと日本に足りないものがあるとすれば外務官僚の日本の国家に対する忠誠心だ。
外務官僚がいかに日本理国益を損なってきたか、対中政策や対米政策を見れば明らかだ。彼らは捏造する名人だ。時の政権が外務官僚の振り付け通りに踊らなければ平気で嘘を吐く。時の鳩山首相が「辺野古移設反対」を表明した折には外務官僚が全力を挙げて鳩山政権を攻撃した。「クリントン国務長官に夜中に呼びつけられて「お前の政府はどうなっているか」と叱られた」との捏造を本国に打電してマスメディアに勝手にリークした。
日本政府の方針を外務官僚と防衛官僚が転覆させた「クーデター」が演じられた由々しき事態にも拘らず、日本のマスメディアはそれを民主主義の危機とは受け取らなかったようだ。そうした事実が暴露された後も、大事件として騒ぎ立てなかった。そうした策謀により、ついには鳩山氏の心が折れて「学べば学ぶほど」との自己批判をして「最低でも県外」移設策を降ろした。そこから沖縄県民の辺野古沖移設反対の覚悟が固まったといえる。
「戦争法案」に関しても、マスメディアは違憲を大合唱しないで、淡々と審議状態を報じるのみだ。この国のマスメディアは先の大戦で翼賛体制を促進した「戦争協力」報道に終始したことに、一体どれほどの深刻な反省をしているというのだろうか。自由な言論が消滅したなら、その後にどのような恐ろしい社会が出現するかをマスメディアの先輩たちは自戒の念を込めてマスメディアに携わる諸君に連綿と教訓を言い伝えて来なかったのだろうか。
国民世論を誘導することに主眼を置くのではなく、国民に事実を知らせる機関としての使命を果たすべきだ。そして政府は国土保全と国民の生命・財産を守ることに専念すべきだ。米国の手先となって世界の騒動に自衛隊を派遣するなどという愚策に血眼になってはならない。
「戦争法案」はバカな政治家たちが多数を国会で占めるため、まもなく成立するだろう。しかし次の選挙で「戦争法」を廃棄する選挙戦を展開して勝利し、「戦争法」を廃棄する法案を成立させることだ。それにより米国と多少はギクシャクするだろうし、外務・防衛の官僚たちが勘違いした策動をするだろうが、そこは愚直なほど国民の意思を貫き通すべきだ。断じて第二の鳩山氏や先の沖縄県知事の仲井眞氏になってはならない。
そうした官僚たちの謀反を跳ね返し、米国の恫喝に動じないで日米会談の場で日本の国益を堂々と主張できる政治家は小沢一郎氏を措いて他に誰がいるだろうか。小沢一郎氏に一働きして頂いて、戦後「隷米」体制の幕引きを確実に行おうではないか。安倍氏が「日本を取り戻す」と叫んだのは大嘘だったということが「戦争法案」で明らかになった。今度こそ、確実に「にほんをとりもど」そうではないか。
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