http://www.asyura2.com/15/senkyo192/msg/677.html
Tweet |
安倍政権が進める武器輸出緩和や集団的自衛権の行使容認で、日本の技術が今後、戦争で使われるのではないかとの懸念が出ている。知らずに軍需品をつくり戦争に加担してしまうかもしれない−。品質の高い物づくりを支える地方の工場で、技術者が悩みを深めている。
「ほとんどの注文が、他の人が嫌がる難しい形の部品なんです」と話すのは金属の精密加工を長年手掛ける小林勉さん(75)。宮城県山元町の自宅敷地の工場で、旋盤などを操り百分の一ミリ以下の精度で加工する。八年前に神奈川県から移り住み、営業活動は一切しないが、腕を見込まれ車や医療機器といった幅広い分野の注文が来る。
実は十数年前、銃器類の部品かもしれないものを加工したという。用途は知らされなかったが、形状から、発射に関わる部品ではないかとの疑念が残った。戦闘機の緊急脱出装置の一部とみられるものも依頼が来た。硬い棒状の金属の内部を削る仕事は、銃身のように思えて断ったと明かす。
小林さんは、武器輸出が原則的に禁じられ、集団的自衛権も認められない中では、軍需品を引き受けても言い訳ができたと話す。「『自衛隊の装備といっても、実戦に使わないおもちゃじゃないか』と。だがこれからは、そういう状況じゃなくなる。どうしたらいいのかと考えてしまう」
小林さんには戦争の強烈な記憶がある。太平洋戦争末期、住んでいた東京・蒲田が空襲された。
母親が一歳にならない妹をおぶって、四歳の小林さんの手を引く。上の姉が、足が不自由な下の姉を背負った。何とかたどり着いた多摩川の河川敷も熱風がひどく、母親が何度も防空頭巾を川でぬらしてかぶせてくれた。幸い家族全員で夜明けを迎えられたが「川の向こう側から『助けてくれー』と声がしたのを覚えている」と話す。
空襲体験もあり、戦争には絶対反対だ。「できれば軍需品の加工は一切やりたくない」。だが、渡される図面に用途は書かれておらず、軍需品かどうか見極めは難しい。
さらに、戦争になれば、医療機器でも毛布でもあらゆるものが軍事に使われ、個人の選択で関わりを避けることはできなくなる、と小林さんは強調する。「戦争に加担しないためには平和な世の中にするしかない。集団的自衛権の行使容認など、戦争ができる仕組みをつくってはいけない」
(東京新聞)2015年8月31日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015083102000206.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK192掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。