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2015-09-12 06:18:10
吉田松陰の最重要書物の中に「幽囚録」というのがあり、その書物の中に日本が進むべき道として「列強の一角に食い込まなければならない」という帝国主義の道が説かれているそうです。そして、明治政府は期せずしてその道をたどり、大正、昭和と引き継がれた。先の大戦の最中は、「大陸・南進論」の預言者として、松陰がほとんど神格化されていた。
幽囚録に記されているのは、こうだそうです。「欧米列強に日本が伍していくためには、いま早急に軍備を整えなければならない。そして蝦夷地を開拓し、オホーツク、カムチャッカを奪い、琉球を幕府に従わせ、朝鮮を攻めて昔のように日本に服従させ、さらに北は満州から南は台湾、ルソンに至るまで一手におさめるべきであり、オーストラリアも植民地にすべきだ」と。
このくだりは、月刊誌「世界」の9月号に掲載された対談の中で明らかにされていました。対談は内海愛子さんと高橋哲哉氏とで、高橋氏が松陰の語録に触れました。
松陰は長州藩、つまりいまの山口県の人であり、同じ県出身の安倍晋三という男がことのほか尊敬していることはつとに知られた話です。勘ぐれば、今年のNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」が松陰とその周辺の人間を取り上げたのも、NHKの籾井会長が自らを会長に押し込んでくれた安倍晋三という男への「ごますり企画」と見られるのもうなずける。
松陰は、明治維新を成し遂げた人物を育てた“偉大な教育者”という面と同時に、帝国主義時代に日本が生き延びる道として、日本の帝国主義化を説いたもののようです。その点については、メディアが勉強不足もあって触れられることがありません。
大事なことは、それでは現在の日本はどのような国柄の道を進むかですよね。国論は大きく分かれているようです。
安倍的な道は、アメリカの尻にくっついて、できるだけ大国としてふるまい続けたい。
もう一つは、中立的な立場を維持する平和国家として、世界のさまざまな紛争を話し合いで解決する場を提供する国。超高齢化社会の先達として、モデルとなる国をめざす。
来週は、安倍政権が“戦争法案”を強行採決する週です。仮に法案が成立したとしても、今度はそれを実行させない闘いが待っています。その勝負は、来年の参院選になるはずです。闘いは続く。粘り強く頑張りましょう。
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