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小沢一郎氏(C)日刊ゲンダイ
安保法案を潰す秘策を話そう/小沢一郎 <第11回>維新の路線がハッキリしたことは野党再編にプラス
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163833
2015年9月12日 日刊ゲンダイ
安保法案の参院の審議で、来週15日に中央公聴会を開くことが決まってしまった。自公が強行に議決したということだが、そんな暴挙は、野党は絶対に阻止しなければいけなかった。そのうえ、暴挙に抗議して、野党が翌日からの審議を拒否するのかと思いきや、何事もなかったかのように審議を続けている。いったい、どうなっているのか。
国会運営の常識では、公聴会の開催は採決を前提にしている。採決させないために公聴会を少しでも遅らせるには、予算委員会の開催要求、統合幕僚長が米国で安保法案の成立時期に言及したという文書の追及、これまでの大臣答弁の矛盾など、まだまだ審議すべき問題は山ほどあった。公聴会が決まり、残念だが、このままでは安保法案は本当に成立してしまいかねない。
もちろんまだ、総理や大臣、議長、議運委員長、特別委員長など、参院に5つや6つの問責決議案を出して、採決させないように粘ることはできる。参院の本会議を来週金曜(18日)まで延ばせられれば、連休に入る。連休になれば、反対している国民がドッと国会周辺に集まるだろう。27日の会期末が迫り、官邸は追い込まれる。
何度も言っているように本気でやる気になれば、廃案にできるんだ。この問題に限っては、国会で野党がかなり荒っぽいことをしても、国民の支持は得られるだろう。あとは野党第1党の民主党の覚悟次第である。
いずれにしても、自公の横暴に根本的なストップをかけるには、野党が来年の参院選で勝ち、続く衆院選でも勝つしかない。その意味では、維新の党の路線がハッキリしてきたことは、国民にとっても日本の政治にとっても分かりやすくてよかった。
橋下さんと松井さんは安倍内閣を高く評価し、与党側にスタンスを置いている。一方、松野代表らは野党を再編して、自公政権に代わる受け皿をつくろうという考え方。どちらがいい悪いではなく、基本的な方向性の違いだから、与党と連携してやるという人も、野党で受け皿を目指すという人も、それはそれでいい。今後、維新は2つの党に割れることになるのだろう。野党共闘において、松野さんが率いる再編を目指すグループの役割は極めて大きい。
年内には共闘の形をつくらないと参院選に間に合わない。民主と維新の両党を解党して新党をつくるのがベストだけれど、なかなか民主党は難しいだろう。その場合は次善の策として、以前話したような「オリーブの木」方式の統一名簿で戦うべきだ。既存の政党とは別に届け出政党をつくり、その政党に個人が参加するという形で選挙に臨む。そうすれば、必ず勝てる。比較第1党になれる。
既存の政党名でひとつにまとまるのでは勝ち目がない。新しい名前で国民に「新生統一野党」をアピールすべき時期にきていると思う。
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