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「日本は戦後、『無意味な戦争だった』と大いにわかっていたから9条を歓迎した。それを捨てるのはもったいない」――『映画 日本国憲法』ジャン・ユンカーマン監督が国会前でスピーチ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/263482
2015.09.11 IWJ Independent Web Journal
「米国の帰還兵は自殺し続けているんです。自分が、そして自分の仲間が犠牲になったのが、無意味な戦争だったからです」――。
国際政治ジャーナリストで『映画 日本国憲法』、『チョムスキー9.11』などを手がけた映画監督のジャン・ユンカーマン氏が2015年9月10日、SEALDs、総がかり行動実行委員会が共同主催した、安保法案に反対する国会前抗議でマイクをとった。
ユンカーマン氏は、戦場帰りの米兵がPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩んだ末に自殺するケースがあとを絶たないことを指摘し、米国の戦争に加担しようとする日本に警鐘を鳴らした。
「日本は戦後、戦争の終わりで、無意味な戦争だったということが大いにわかっていたから、9条が入った憲法を歓迎したということなんです。それを捨てて、またアメリカの侵略戦争に加担する、関わっていくということが、とてももったいないことでもあり、許せないことです」
以下、ジャン・ユンカーマン氏のスピーチ全文と動画を掲載する。
「日本は戦後、『無意味な戦争だった』ということが大いにわかっていたから9条を歓迎した。それを捨てるのはもったいない」――『映画 日本国憲法』ジャン・ユンカーマン監督が国会前でスピーチ
■ジャン・ユンカーマンさんスピーチ
「皆さん、こんばんは。雨の中でも頑張っていますね。この間は12万人が国会前に集まりました。
その翌日、安倍政権が『残念ですが、国民は誤解している。『安保法案は戦争法案』と間違った解釈がされている』と言っていました。
間違った解釈というのは、安倍政権がやっている憲法9条の解釈のほうですよ。それは皆、わかりきっているでしょう。わかりきっているから反対しているんですよ。何がわかっているかというと、この法案が通れば、日本はアメリカの侵略戦争に関わることになる、ということです。
安倍総理大臣は『侵略』という言葉がわからないらしいんですけど、教えてあげよう。侵略戦争というのは、250万人の若い人たちが地球の反対側の国や、近い国に行って、10年間も戦争やることなんです。
アメリカはこの50年間、2回、そういう戦争をやりました。ベトナムでやりましたね。ベトナムでやって、また40年経たないうちに、またイラクとアフガンで同じようにやりました。250万人の若い人たちが行って、現地で一番犠牲になるのは、その現地の人たちなんです。ベトナムでは200万人くらいの人が死んだんです。何の目的もない戦争だった。何の利益も生まれなかった、完全に無意味な戦争ですよ。
それがあって、40年経ったところで、また同じように、何にも意味のない戦争をイラクとアフガニスタンでやりましたので、また同じように現地の100万人以上の人たちが犠牲になった。
犠牲になるのは、兵士たちなんですよ。エリートが犠牲になるのではない。政治家が犠牲になるのではない。若いアメリカの兵士が犠牲になったんですよ。ベトナムで6万人近い(人が)亡くなったんです。アフガンとイラクでは、もう7000人くらい。テロよりも、殉教する数が多いんです。
それだけじゃなくて、やっぱり『PTSD』なんですよね。精神的な病気を抱えているんです。その250万人の5人に1人が精神病を抱えてアメリカに帰るんです。その人たちは今、自殺し続けているんですよ。なぜか。なぜ自殺するのかといえば、自分が戦争で犠牲になって、そして自分の仲間が犠牲になったのが、無意味な戦争だったからです。無意味な戦争で犠牲になるということが、とても大変な精神的な打撃をうけるものだと思うんですよ。
日本は戦後、戦争の終わりで、そういうこと(無意味な戦争だったということ)が大いにわかっていたから、9条が入った憲法を歓迎したということなんです。それを捨てて、またアメリカの侵略戦争に加担する、関わっていくということが、とてももったいないことでもあり、許せないことなんですよ。
ぼくはアメリカ人。僕の国がずっと戦争をし続けているんですよ。やめられないんです。こういう法案(安保法案)が通り、憲法9条を改正すれば、日本も戦争をやめられない国になっていくということなんです。今チャンスなので、全力で反対しましょう。頑張りましょう。ありがとうございます」
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