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どうする?子どもの医療費無料化:国策として全国津々浦々までレベルや条件を統一すべき問題
http://www.asyura2.com/15/senkyo192/msg/520.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 9 月 11 日 03:59:50: Mo7ApAlflbQ6s
 


2015年09月08日 (火) 
くらし☆解説 「どうする?子どもの医療費無料化」
村田 英明 解説委員

岩渕)少子化対策の一環で子どもの医療費を無料にする自治体が増えています。
その一方で、財政難から無料化に踏み切れない自治体もあり、住む場所によって患者の自己負担の差が広がっています。

こうした中、厚生労働省は子どもの医療費のあり方の見直しについて検討を始めました。担当は村田英明解説委員です。

私も幼い子どもを育てていますが、ママ友たちが集まると自分が住んでいるところの医療費が無料なのかどうかが話題になるほど関心が高いんですが自治体によって差があるというのはどんな状況なのでしょうか?

村田)まず、制度について説明しますが、子どもの医療費の自己負担は、小学校に入学する前の乳幼児は2割、小学生以上は大人と同じ3割を窓口で支払うようになっています。

これは国が決めていることで全国どこに住んでいても条件は同じですが、自治体独自の予算で医療費の負担を減らすことができるようになっています。それが「子どもの医療費助成制度」で、いまでは全国のすべての市区町村がこの制度を設けています。
 

厚生労働省の調査によると、去年4月1日の時点で医療費の自己負担を無料にしている自治体は986あり全体のおよそ57%に上っています。

岩渕)そんなにあるんですか。

村田)ただ、後で詳しく説明しますが所得制限を設けている自治体もあるので全員が無料になるわけでありません。
そして、756およそ43%の自治体では一部負担を求めていて、金額は自治体によって異なりますが、1回の診療につき500円程度の自己負担を求めるところが多いようです。

岩渕)そうした医療費の助成は子どもが何歳になるまで受けられるんですか?
 

村田)対象になる年齢は自治体によって違います。
通院にかかる医療費でみますと、中学校を卒業するまでを対象にしている自治体が930あって最も多く、次に多いのが小学校に入学する前までで337。小学校卒業までが185。高校卒業までが201などとなっています。
少子化対策や人口の流出に歯止めをかけようと自治体どうしが競い合うようにして対象年齢を拡大する動きが広がっているんです。

そうした中で、大学を卒業するまで医療費の負担を無料にする自治体も登場しています。北海道の南富良野町です。町に大学はありませんが、町外の大学や専門学校に通う子どもの医療費の負担を町が肩代わりして親の負担を減らそうということなんですね。

岩渕)子どもの医療費の負担は大きいですから、対象年齢が拡大されると助かります。ただ、自治体によって、これだけ差が大きくなると住民から不満も出てくるのではないでしょうか?

村田)確かに、なぜ隣の市では無料なのに、うちの市では違うのかと言った不満の声はよく聞きますが、それだけではなく医療費が無料かどうかで引っ越し先を決める人もいます。
自治体による差の分かりやすい例として東京と横浜市の場合を見てみましょう。
 

東京・23区は、いずれの区も通院にかかる医療費は中学卒業までが無料で、保護者の所得制限もありません。

これに対し、横浜市では、現在、無料になっているのは小学1年生まで。
来月からは小学3年生まで無料になりますが、所得制限がないのは0歳児だけで、1歳以上の子どもは、保護者の所得が一定額を超えると医療費の助成を受けることができません。助成を受けられないのは、子どもがいる家庭の4割にのぼるということです。

こうした所得制限は全国の369の市町村で行われています。

横浜市は20歳未満の子どもの数がおよそ64万人と全国の自治体の中で最も多く、市の担当者は財源の確保が難しいと説明していますが、横浜市で子育てをしている人からは不満の声が聞かれています。

岩渕)自治体の取り組みに差があることがわかりましたが、少子化対策を進めている国は自治体を後押しするなど支援をしていないんですか?

村田)支援するどころか、国は補助金を減額しています。

岩渕)えっ?減額ってどういうことですか?

村田)子どもの医療費の窓口負担を減らしている自治体に対し、国は国民健康保険の国庫負担を減額しているんです。
   
例えば、乳幼児の2割の窓口負担を無料にした自治体に対しては医療費が全体で1000万円かかったとすれば、国庫負担を50万円あまり減額しています。国の補助が減らされた分は穴埋めしなければならないので、自治体の負担になっているわけなんです。
岩渕)どうして減額しなければならないんですか?
 

村田)理屈はこうです。

窓口負担を無料にすると患者が増える。
患者が増えると医療費が増える。
医療費が増えると国庫負担が増える。
すると、医療費を無料にした自治体に補助金を多く支給することになり予算を公平に配分できない。
だから、無料化した自治体への補助金を減額していると、厚生労働省は説明しています。

「医療費が増えるようなことをしてくれるな」といったペナルティ的な意味合いが、この減額措置にはあるんです。

岩渕)国の対応は自治体の努力に水を差しているように感じますね。

村田)そうですね。
このため全国知事会や全国市長会などでは減額措置を廃止するよう国に再三にわたって要望しています。

岩渕)それに対して国はどう対応しているのでしょうか?
 

村田)この問題については国の検討会で議論が始まったばかりです。
検討会には自治体や医療団体の代表などが参加していて子どもの医療費の自己負担や国庫負担の見直しを議論し、来年の夏までに結論を出すことにしています。

先週、初会合が開かれましたが、出席した自治体の担当者や日本医師会の役員などから減額措置の廃止を求める意見が相次ぎました。
「減額措置があるので無料化に踏み切れない自治体がある」。
「少子化対策を進める国の政策と矛盾する」というのが廃止を求める主な理由です。

それに加えて私は国が進めている子どもの貧困対策にも矛盾していると思っています。
岩渕)どういうことですか?

村田)日本では17歳以下の子どもの6人に1人が貧困状態にあるとされています。国民の平均的な所得の半分を貧困ラインと呼びますが、平成24年の国の調査では、この貧困ラインは122万円で、その基準に満たない所得層にいる子どもが6人に1人、300万人以上いるということです。

そうした中で、子どもが病気になっても医療機関で治療を受けない「受診抑制」の問題が研究者の調査によって明らかになってきています。
 

3年前に、貧困問題の研究者のグループが西日本の小・中学生あわせて6000人あまりに調査を行ったところ、親が子どもを病院に連れて行った方がよいと思いながら、実際には受診させなかったケースが1200人あまりでありました。

このうち128人は「医療費の自己負担金を支払えない」という理由で受診を控えていたということです。
   
病気になっても病院に行くことができない子どもが、この豊かになった日本にも数多くいます。安倍政権は、子どもの貧困対策に力を入れると言っていますが、そうであれば、自治体の足を引っ張るような制度は見直すべきです。

岩渕)では、どうすればいいでしょうか?
 

村田)医療費の無料化は、本来は国が少子化対策として取り組むべき課題だと思います。少子化対策を進めるうえで重要なことは、子どもを安心して育てられる環境を整えることです。働きながら子育てができるように保育所の待機児童の解消に力を入れるのと同じように、子どもの医療費の負担を減らすことにも国は主体となって取り組むべきです。

具体的には、多くの自治体が求めているように、国が子どもの医療費を助成するための制度をつくって、その中で、財源を国と自治体とでどう負担するのか、所得制限をなくし、対象年齢を拡大していくにはどうすればいいのか、具体的な制度づくりを検討してほしいと思います。
そして、その前提として、国民健康保険の国庫負担の減額措置を止めることを国には考えてもらいたい。
   
検討会では、子どもの医療費のあり方を見直す中で、国として、これらの問題にどう取り組むつもりなのか、その姿勢をはっきり示してほしいと思います。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/226823.html


 

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コメント
 
1. 2015年9月11日 19:43:09 : PLredju9SA
医者に行って金がかかると感じることといえば、まずは初診料というやつ。
わけの分からぬ名目で少なからぬ額を取られる。何の意味があるのか。
次に処方箋の発行?料金。院内処方であったころはこんなものを取られた覚えはないとおもうが、殆ど医者にいく習慣なかったので不明。
処方箋とくれば次にでてくるのは院外処方薬局の意味不明な指導やらお薬手帳とかのサービス料とか。
だいたい店の売り子であればやって当然のことをエラそーにもったいぶって金を取ってるとしか思えない。
こういうのを無くせばそう高いという感じはしないのだが。


2. 2015年9月11日 22:36:30 : wAmOTSe8VY
初診料というのは、カルテを作ったりいろんな事務作業の費用。
電子カルテコンピュータが数百万円するが、その費用と考えてよい。
また、支払基金が人をたくさん雇ってレセプトチェックする費用も含まれる。
レセプトオンライン化の費用もそう。
全て厚労省の官僚の考えた事。
医科より歯科の方が事務作業がやたらと多いが、
医科の方が歯科より金をたくさん取る。
初再診料は医科と歯科で逆転している。

3. 2015年9月11日 22:42:13 : wAmOTSe8VY
北欧では消費税20%で医療費はタダである。
10%になれば40歳までは医療費はタダにすればよい。

4. 2015年10月06日 07:51:12 : jXbiWWJBCA

医療
現場の「当事者」だけでは医療費増大は止められない

医療の充実を追求する一方で疎かにされる費用対効果

2015.10.6(火) 多田 智裕

 9月3日に厚生労働省が発表した2014年度の概算医療費は40兆円に達し、過去最高となりました。

 厚生労働省発表のデータの大きなポイントをまとめると、以下のようになります。

・調剤費用(7.2兆円)の増加率が2.3%と、診療費用の増加率1.6%を上回って高い。

・75歳以上の高齢者の医療費が1人当たり年間93万円と、75歳未満の1人当たり年間21万に比べて4倍以上の水準となっている。

・医療費増加率の都道府県格差がある。秋田県は前年度比マイナス0.2%なのに対して、千葉県はプラス3.1%となっている。

 以上のことから、医療費を抑制(みんなが支払う健康保険料を削減)したいのであればやるべきことは次のようになるでしょう。

・調剤費用の伸び率を診療費並みに抑える。

・75歳以上の高齢者の医療費を削減する。

・都道府県ごとに競わせて格差が生じないようにする。

 政府では安全保障関連法案が9月19日に成立したことを受けて、次の改革の焦点が医療に向けられています。しかし、最大の問題は政府の方針がはっきり見えてこないことです。

「医療の岩盤規制を打破する」とのスローガンは良いのですが、結局のところ医療費を削減したいのか、それとも高齢化社会を見据えて、ある程度医療費は増加させてでも医療の充実を図りたいのか──。

 方針が曖昧なまま医療当事者たちで改革を進めさせると、費用対効果を無視して医療の充実を追い求めることになり、医療費の削減は行われません。

調剤費用の増加は自治体病院の再建の切り札?

 2013年の話になりますが、兵庫県小野市の「北播磨総合医療センター」(三木市民病院と小野市民病院が統合)が建設される際に、病院前の門前薬局用の土地が1坪1280万円(78坪=10億円)で、その隣の区画も1坪540万円(78坪=4億円)で薬局に落札されたことが話題になりました。

 病院を建てる土地の坪単価は1坪5万円でしたので、病院用地取得費用(2万7000坪で約14億円)のほぼ全額(!)を薬局への土地売却によってまかなえたことになります。

 病院案内地図を見ると門前薬局と病院がほぼ同じ敷地内に見えるという問題はさておき、このように老朽化した病院を新規移転建築する際には、薬局に土地を高額で売却して総工費用を大幅に削減することが可能なのです。

 本来であれば、このような取引が行われることのないように、薬局の調剤料を抑制し、院外処方の規制を緩和して院内に薬局を誘致できるようにするべきだと思います。院外薬局は不便な上に、調剤料が上乗せされて高額になっています。

 しかし、制度が変わらない以上、現場レベルとしては、このように土地を薬局に高値で売却することで病院赤字の補填を行うのがベストの方策となってしまうのです。

高齢者の自己負担率の低さが引き起こす問題

 高齢者の1人当たり医療費が高いのは、ある程度仕方がないと言えます。しかし、75歳以上の高齢者の医療費が75歳未満の人の4倍以上もの水準となっているのはなぜでしょうか。

 可能性が非常に高いと思われるのは、「1割」という高齢者の自己負担率の低さがその状況を後押ししていることです。

 医療従事者側からすると、1割負担は通常の3割負担に比べると、同じ検査や投薬を3分の1の費用で提供できます。現場レベルでは、様々な検査や投薬を「絶対に必要というほどではないが、念のためにはやっておいた方がよい」という状況が頻繁に発生します。その際、高齢者は様々な病気を抱えている可能性が若年者に比べて高いこともあり、医師は「これくらいの費用で済みますから、やっておいた方が安心ですよ」と検査や投薬を丁寧に行ってしまう傾向があるのです。より良い医療を提供しようとする医師であればあるほど、おそらくそのようにするでしょう。

 一例として、さいたま市の胃内視鏡検診(胃がん検診)を取り上げてみます。

 さいたま市では、年1回の胃内視鏡検査を40歳以上の市民の方には1000円で、70歳以上の方には無料で行っています。

 これに関しては、胃内視鏡検査ではなく、コストが大幅に安い「ABC検診」(血液検査で胃がんリスクを判定する検診)の導入が検討されたことがありました。しかし、専門の先生を招き研究会を開催し議論ところ、「(血液だけで判定する)ABC検診より、毎年胃内視鏡検査をやった方が良いに決まっている」と喝破され、現在の胃内視鏡検診が続いているのです。

 ちなみに、今年から乳がん検診は2年に1回に、前立腺がん検診も2年に1回、80歳までと改正されました。医療当事者が改革を行うと、どうしても“より良い医療を“が先に立つため、この程度の改革スピードとなってしまうのです。

費用対効果のタブー視は続く

 病院建設費用の補填を門前薬局から行うにせよ、胃がん発見率がわずか0.1%にすぎない胃内視鏡検診を続けるにせよ、「医療の充実」が最大の目標であれば、決して間違った選択ではありません。むしろ、現場は最大限の努力をしていると評価されるべきでしょう。

 しかし、ここで欠けているのは「費用対効果」の概念です。医療費を削減したいのであれば、「保健医療2035」の提言通り、この概念を医療に持ち込むことが必須でしょう(参考「ちゃんと使えるWEB自動問診システムを作ってみた」)。

 安全保障関連法案成立後の9月24日、安倍首相は記者会見を開き、「GDP(国内総生産)600兆円」と「介護離職ゼロ」の方針を打ち出しました。名目でGDP成長率が3%以上といのは実現性の乏しい前提であり、“費用対効果”を無視した政策と言わざるをえません。

 これからも日本の医療において費用対効果の概念はタブー視しつづけられ、結果として、医療費の削減は行われないでしょう。しかし、それは国民にとっては決して悪いことばかりではないのかもしれません。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/44903


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