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「年金の管理さえできなかった日本官僚に、マイナンバーの情報管理ができる筈がない:兵頭正俊氏」
http://www.asyura2.com/15/senkyo192/msg/516.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 11 日 00:01:05: igsppGRN/E9PQ
 

「年金の管理さえできなかった日本官僚に、マイナンバーの情報管理ができる筈がない:兵頭正俊氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/18314.html
2015/9/11 晴耕雨読


https://twitter.com/hyodo_masatoshi

安倍晋三が小物ぶりを発揮して野田聖子を出馬辞退に追いやった後、物陰から石破茂が飛び出し、「忘れないでね」と。

「ぼく、派閥作っちゃうから」。

総裁の任期は党則によって2期6年だから、安倍に弓引くことにはならない、と。

ますます野田が大きく見えてしまう。

自民党は小物の男ばかりになった。

攻撃すれば難民が出る。

これはわかりきった理屈だ。

一番責任があるのは、米国・イスラエル・英国だ。

しかし、これは明日はわが身だ。

米国の肩替わりでISISを叩く(ふりをしてシリアを攻撃している)と、いずれ復旧・復興と難民を引き受けさせられる。

安倍につける薬はないのである。

今日も犬HKは愚民化に忙しい。

朝から夜まで堤防の決壊は豪雨のせいだと。

おばか専門家を引き出してきて、県と国を守る。

裁判になれば、行政が豪雨のせいにすることを先取りして、99%の抗議の声を潰す。

これがジャーナリズムか。

おばか専門家が、川幅は広く、堤防も高かったといったのには驚いた。

http://t.co/uTk6HxHdCv 買い物では、ICチップ付きのマイナンバーカードを提示せねばならない。

還付金で釣って、マイナンバー制度を定着させようという魂胆がありありである。

つまりこれで個人の全ての買い物情報が国家に丸見えになる。

マイナンバー実施で購買履歴や健康保険、銀行預金までわかる。

給与から持病、医療情報、図書館履歴まで、国民は裸にされる。

わたしたちはプライバシーのない国に住むことになる。

マイナンバーの図書館履歴など明らかに思想調査である。

ソーシャルメディア(アマゾン)などのデータの他に、図書館利用にまで公安が手を伸ばしてきたと考えたらよい。

年金の管理さえできなかった日本官僚に、マイナンバーの情報管理ができる筈がない。

まず甘く見ても99%情報は流出する。

原発に象徴されるように、管理できないことをやり始めるというのが、日本の官僚・政治家の悪いところである。

このマイナンバー制度も、必ず流出してお手上げになり、原発と同じように誰も責任をとらないだろう。

マイナンバー制度の目的は、もちろん政府のいうようなものではない。

目的は、次の3点である。

1 徹底した国民管理への利用

2 思想犯・政治犯の予防検束への利用

3 徴兵への利用 

「「犯罪を起こす前に、間違った行動をとりかねない人物を特定する」という考えは絵空事のように思えるかもしれないが、ビッグデータを用いて、事件を未然に防ごうと考えている政府省庁は(米国に)現に存在する」

「2007年に米国土安全保障省は、FASTのリサーチプロジェクトを立ち上げ、瞳孔の収縮や心拍数・呼吸数などの個人の生命兆候(VS)、ボディランゲージ、心理パターンをデータ分析することで、潜在的なテロリストを特定しようと試みている」

「ロサンゼルス、メンフィス、リッチモンドなど、数多くの米都市の警察も、これまでの犯罪データを用いて、次の犯罪がいつどこで起こりそうかを予測する「プレディクティブ・ポリシング=予測警察活動」というソフトウエアを用いている」

これから米国の指示のもと、ビッグデータとマイナンバーとが組み合わさった、徹底した国民管理の警察国家が作られることになる。 h http://t.co/uTk6HxHdCv


 

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コメント
 
1. 2015年9月11日 00:37:50 : OO6Zlan35k
ついに40兆円突破、医療費の膨張止まらず

最大の「岩盤」打破に安倍首相の覚悟が問われる

2015年9月11日(金)磯山 友幸


医療費が膨張を続けている(写真:アフロ)
 ついに年間の医療費の総額が40兆円を突破した。厚生労働省が9月3日に発表した2014年度の概算医療費は、前の年度に比べて1.8%増加、40.0兆円に達し、過去最高額となった。最高額の更新は12年連続。概算額は正確には39兆9556億円だが、これには労災や自由診療などの医療費は含まれていないため、確定値では年間の医療費が初めて40兆円を突破するのが確実になった。

 相変わらず目立つのが高齢者の医療費増加。医療費全体の36%を占める75歳以上の医療費は2.3%増えた。前の年度の3.7%増に比べると伸び率は鈍化しているが、75歳未満の伸び率(1.5%増)と比べると依然として高い伸びが続いている。

 人口の高齢化に伴って高齢者の医療費が増えるのは仕方ない面もあるが、その金額を知ると驚く。75歳以上の人が前年度に使った医療費は1人当たり平均で93万1000円に達するのだ。75歳未満は21万1000円だから何と4倍以上である。65歳以下の現役世代はさらに少ない医療費しか使っていない。終末医療を含め、高齢者への医療のあり方が問われて久しいが、ひとり当たりで見ても増加が止まらないのだ。

 すでに36%と医療費全体の3分の1以上を占めるようになった75歳以上の医療費がこのまま増え続ければ、健康保険や国の財政を大きく揺るがす。高齢者の医療費は自己負担率が低く、もろに保険収支を直撃するからだ。

 なぜ、医療費の伸びを止めることができないのか。

調剤医療費の伸びが異常に高騰

 「調剤医療費の伸びが異常に高い」−−。9月9日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会ではそんな声が挙がったという。確かに調剤費の伸びは2.3%増と、診療費の1.6%増を上回っている。

 実は、医師会からも調剤費を「問題視」する声が強まっている。遂に医師の間からも高齢者への無駄な投薬を反省する声が出始めたのかと思ったら、どうも話が違う。医師会が問題にしているのは院外薬局の調剤技術料が増加している点なのだ。院内で処方する方が技術料を節約できるという主張なのだ。

 周知の通り、かつて薬は院内の薬局で処方されるのが普通だったが、病院がそれを収益源とすることで、医師が患者を薬漬けにしてしまうという批判が高まり、「医薬分業」の徹底が図られた。患者が処方箋を持って病院から独立した院外の薬局に行って薬をもらうようになったのである。

 もちろん、病院前に関係の深い「門前薬局」を置いて形だけ分業にしているところも少なくないという批判もあるが、一方で大手の調剤薬局チェーンなどが勢力を拡大したのも事実。医師会の主張はこうした調剤薬局が儲けすぎているというものなのだ。

 調剤薬局チェーンの杜撰な投薬管理などが表面化するなど、こうした主張にも一理あるとの声がある。一方で、「院内処方に戻して、利権を再び手にしたいだけ」という見方もある。

 医療費全体の18%を占める調剤費の伸びを抑えることは重要だ。薬剤師会などは、調剤費が増えているのは処方箋の枚数が伸びているうえ、処方箋1枚当たりの医療費が増えていることが原因と分析している。つまり、そもそも医師側が出す処方に問題があるとしているわけだ。薬剤師会は後発医薬品(ジェネリック)へのシフトを進めることで調剤費の削減に努力しているというスタンスだ。

 つまり、医師も薬剤師も、相手に問題があると責任をなすりつけるだけで、医療費を本気で削減しようという姿勢は見られない。このままでは医療費削減は掛け声だけで実現しないのは明らかだ。結局、当事者任せでは医療費は減らないのだ。

 医療費削減は安倍晋三首相にとっても大きなテーマだ。安倍首相自身、厚生労働族に属し、医療問題に詳しい。だからと言って医師会などの利権を守るわけではなく、むしろ斬り込もうとしている。「医療」を、「労働」「農業」と並ぶ「岩盤規制」と位置付けているのがそれを象徴している。

 懸案だった労働者派遣法改正案が9月9日の参議院本会議で修正のうえ可決された。11日にも衆議院で再可決されて成立する。8月28日には全国農業協同組合中央会(JA全中)が全国各地の農協に対して持っていた指導権限を縮小する改正農業協同組合法が成立している。岩盤規制のうち、「労働」「農業」の2つについては、まがりなりにも改革の手を打ったことになる。残るはいよいよ医療だ。

安倍政権の次の課題は医療

 集団的自衛権を容認する安全保障関連法案も9月中旬には参議院で採決され、成立する見込みで、再び経済最優先に舵を戻すことになる。これまで安倍首相が繰り返し語ってきた「岩盤に穴を空ける」ことを実現し、アベノミクスが順調に進展していることを世の中に示すには、「医療が次の課題」(首相側近)であることは間違いない。

 では、どうやって医療分野に斬り込むのか。

 実は今年6月、「保健医療2035」というビジョンがまとまっている。厚生労働相の私的な懇談会という位置づけで年初に設置された「保健医療2035策定懇談会」が公表したもので、2035年のあるべき日本の医療の姿を示すことが目的とされた。

 懇談会のメンバーには2035年に現役でいる若手世代が集められた。座長は渋谷健司・東京大学大学院教授が務めた。ただし、アドバイザーとして横倉義武・日本医師会会長も入っている。

 当初は、あくまで2035年の話と思われていたが、塩崎恭久厚労相が驚くべき指示を出す。省内に組織を作りレポートが求めた2035年の姿を実現するための2035年までの工程表を作れ、というものだった。8月末に東京大学で開いたシンポジウムでも塩崎厚労相は「何が何でも実現する」と意気込みを語ったという。

 関係者の間では塩崎厚労相の独断専行と見る向きが多かった。だが、実体はそうではなさそうだ。というのも、安保関連法案のヤマ場にもかかわらず、安倍首相自身が渋谷座長や塩崎厚労相からレポートの改革案の報告を30分も時間を割いて聞いているのだ。

 「2035」に沿った改革案が、今後、アベノミクスの「弾」として打ち出されて来る可能性が高いのだ。

 ではどんな改革案があるのか。

 例えば、レポートにはこんな一文がある。

 「先進的又は高額な医療が良い、あるいは検査や薬剤処方も量を投入すればするほど良いとするのではなく、国民の保険料や税金一円あたりの効果・価値を高め、2035 年までに、『より良い医療をより安く』という価値観へ転換する」。そのうえで、「医療提供者の技術、医療用品の効能などの医療技術評価を導入し、診療報酬点数に反映する」としている。


最大の岩盤、安倍晋三首相は突破できるか(写真:ロイター/アフロ)
 つまり、おカネをどんどん使う医療から、「費用対効果」を考える医療への転換を打ち出しているのである。根底に増え続ける医療費を圧縮させるという狙いがあることは言うまでもない。

 データによって過少あるいは過剰な医療サービスを見極めたうえで、改善できた領域にはインセンティブを設定するとも書かれている。

 実は、使われている医療費は地域によってばらつきがある。そこにメスを入れることから医療費の削減に結び付ける、そんな動きが一気に強まりそうだ。

医師会に負い目?

 昨年度の概算医療費のデータでも、都道府県別医療費の増減に大きなばらつきがある。全国では1.8%の増加だが、千葉は3.1%増で、埼玉、滋賀、兵庫は2.5%以上増えている。調剤だけをみると、福井が8.1%増、富山が6.0%増と突出している。

 もちろん、人口の増減や高齢化の進展度合いなど地域差は大きいが、それぞれの地域ごとに医療費抑制に取り組んだ場合にインセンティブを与えることで、全体の医療費を圧縮することが可能になると見ているのだ。

 いくら安倍首相が、医療への斬り込みに意欲を示しても、来年7月の参議院議員選挙を控えて、医師会を敵に回すことは難しいのではないか、という見方もある。だが、安倍首相に近い議員によると、それは逆だという。

 医師会に厳しい注文を付ければ、少しでも改革を緩めて欲しい医師会はむしろ選挙に協力的になるというのである。「そもそも一度、民主党に寝返った医師会には負い目があって本気で安倍政権に盾を突くことはできない」という見方も霞が関にはある。

 安倍首相は「医療」という最強の岩盤に穴を空けることができるのかどうか。今後の医療費の増減にも直結するだけに目が離せない。

このコラムについて
磯山友幸の「政策ウラ読み」

重要な政策を担う政治家や政策人に登場いただき、政策の焦点やポイントに切り込みます。政局にばかり目が行きがちな政治ニュース、日々の動きに振り回されがちな経済ニュースの真ん中で抜け落ちている「政治経済」の本質に迫ります。(隔週掲載)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/238117/091000006/

[32削除理由]:削除人:スレ違い

2. 2015年9月11日 00:40:47 : OO6Zlan35k
マイナンバーは自虐の番号

2015年9月11日(金)小田嶋 隆


 財務省がまとめた「軽減税率」案の内容が明らかになった。
 新聞の記事を読んで、ちょっと茫然としている。
 あまりにもバカげて見えるからだ。

 もし財務省が、本気でこのプランを実行するつもりでいるのだとしたら、彼らの現実感覚は、かなり致命的にズレていると申し上げなければならない。

 あるいは、一連の記事は、いわゆる「観測気球」であるのかもしれない。というよりも、今回の「案」は、消費税率についての実際の運用を、財務省が想定している最終的な落としどころに落着させるための、とりあえずのブラフなのかもしれない。つまりこれは「見せ金」なのだ。いくらなんでも、まさかこのまま実行するつもりのガチな計画ではないはずだ、と、そういうふうに解釈しないとこちらの理解が追いつかない。

 念の為に、「財務省案」の概要を説明しておく。
 軽減税率の対象となる品目は、基本的に、外食サービスを含む「酒類を除くすべての飲料と食料品」ということになっている。ここまでは良い。問題は、税率を軽減する方法だ。

 財務省によれば、消費者はいったん10%の消費税をそのまま支払い、その後、対象品目について個々の消費者が1年分の還付分を申告することで、増税分の2%の還付を受け取る設定だ。
 あらかじめ特定の品目について税率をカットした値段をつける方法はとらないわけだ。

 還付金額のカウントには、2016年の1月から運用が始まるマイナンバー制度で交付される「個人番号カード」を利用する。
 具体的には、「マイナンバーカード」(仮称)を、店舗のレジに置かれた読み取り機にかざすことで、対象品目についての「軽減ポイント」が蓄積される。
 還付の金額は、富裕層に過大な恩恵が及ばないようにするため、年間4000円程度におさえる。

 どこから突っ込んだら良いのやら見当がつかない。
 とりあえず、消費者が負担する労力と、そのことから得られる利得について考えてみよう。

 われわれはまず、「マイナンバーカードj(仮)」を常に持ち歩かねばならない。で、飲食や買い物で会計をする度に、そのマイナンバーカードの提示を求められる。これは、面倒を嫌うタイプの客にとって、大きなストレスになるはずだ。

 私自身の話をすれば、私は、飲食店やコンビニで使えるポイントカードを持っていない。やむを得ないなりゆきで、ポイント対象となるカードを何枚か(もしかしたら10枚ほど)作ったことはあるが、持ち歩くことはしていない。どこに保管してあるのかも、もはや把握していない。

 なので、たとえばレジの人間が

「××ポイントカードはお持ちですか?」

 という質問を浴びせてくる度に微妙にイライラする。で、相手が

「ティ……」

 の音を発音したタイミングで、最後まで言わせずに

「持ってません!」

 と、返事をカブせることにしている。

 おとなげない対応である旨は自覚している。
 でも、仕方がないのだ。

 外出にあたって、私は、ウォークマンのイヤホンを装着していることが多くて、だから、レジの人間に話しかけられることは大変な負担なのだ。

 もちろん、レジ係にしてみれば、耳にイヤホンを突っ込んだおっさんの相手をすることは、わりあいに大きな負担なのかもしれないし、その客が、こっちの質問をろくに聞こうともせずに

「持ってません!」

 と切り口上で言い放つのを聞かねばならない経験は、神経のすり減る試練なのだとも思う。

 が、悪いのは私ではない。
 レジ係のおばさんが間違っているのでもない。

 すべての責任は、すべての顧客に対して同じ質問を繰り返すことを、レジ係に強要しているコンビニチェーンのフランチャイジーの強欲に帰されなければならない。

 日本の小売業の現場には、ずいぶん前から

「スマイル0円」

 という呪いがかかっている。

 これは、ちょっと聞くと、世界に冠たる我が国のホスピタリティーを象徴する、うるわしい覚悟であるかのように聞こえる。

 が、実際のところ、この決まり文句は、レジに立つ人間に、甲子園球児の全力疾走義務に似た無限のサービス競争を強いる、呪いを帯びた呪文なのだ。

 「スマイル0円」は、接客を担当する労働者の主たる業務である顧客へのホスピタリティあふれるサービスが、無償労働である旨をあらかじめ宣言している。ということは、このスローガンは、接客業の人間にとっては、労働強化ワード以外のナニモノでもないのである。

 しかも、当然といえば当然であり、意外といえば意外でもあるのだが、売り手が苦しんでいるからといって、その分だけ客が楽になるわけではない。

 実際、レジ業務の煩雑化は、売り手と買い手の双方を疲弊させている。

 レジが扱うプリペイドカードやポイントカードの種類と枚数が増えれば増えるだけ、レジ周りの装備は複雑化し、業務は煩雑になる。客の側も、複数のカードを持ち歩き、場面ごとに使い分ける手間とともに、それらについての紛失や盗難のリスクを負わねばならない。

 このうえ、駄菓子屋の店先や屋台の狭いレジに新しいカード読み取り機と、新しいカード所持問答と、新たなカード提示ミッションとカード紛失リスクが追加されることで、いったい誰が得をするというのだろうか。

 少なくとも、客は得をしない。
 売り手も、忙しくなるだけだ。

 このシステムから利得を得るのは、おそらく、マイナンバーカード読み取り機の製造メーカーならびにその販売業者と、データの蓄積ならびに管理センターに天下るであろう財務省の役人だけだ。それ以外の人間には何のメリットもない。

 読売新聞が報じているところによれば、財務省は、今回の事業の発足に先立って『買い物記録を集約するデータセンターの新設などインフラ(社会基盤)整備に約3000億円を投じる』ことを想定している(ソースはこちら)。

 単純に考えれば、約1億2000万人の日本人に1人あたり最大4000円を還付するために、3000億円を投資するわけだが、還付を申請しない(オレはしないよ)国民が少なからずいるであろうことを考えれば、還付金の総額は、たぶん3000億円を下回る。

 ということは、この財務相のプランは、うまくいっても3000億円を還付するために3000億円の予算を費消するお話、ということになる。
 なんというバカな寓話だろうか。

 記事を読むと、読み取り機の設置以外に、「軽減ポイント蓄積センター」(仮称)なる役所だか施設だかが新設される運びになっている。実際に制度が動き出せば、これ以外にも様々な経費がかかる。と、当然のことながら、このシステムが動き出した後、継続して使われる予算は到底3000億円では済まないことだろう。

 こんなことなら、はじめから、制度構築のためにかかる予算を、そのまま国民に分配した方が話が早いじゃないか、と、そう思うのは私だけではなかろう。

 システムとしてペイしていないだけではない。
 個々の消費者の立場からしても、この軽減税率はまるでペイしない。

 1年間食料品を買う度に毎回レジでマイナンバーカードを提示し続けて、おまけに期末には自力で書類を書いて還付申告にでかける手間をかけて、それで支給される金額の上限が4000円なのだとすると、そのアルバイトは、時給に換算して、いくらになるのだろう。とてもではないが、私は従事する気持ちにはなれない。

 この件について、麻生太郎財務大臣は

「カードを持ちたくなければ持って行かないでいい。その代わり、その分の減税はないだけだ」

 と説明している。
 なるほど。麻生さんらしい言葉だ。
 この発言に対して

「不遜だ」
「ばかにしている」
「国民を物乞い扱いにするのか」

 という声が上がっているようだが、私は、麻生さんの解説は的確だと思っている。

 事実として、われわれは、地面にばら撒かれた米粒を拾い集めるみたいにして還付金をかき集めなければならない。この点は誰の目にもはっきりしている。四つん這いになるのがイヤなら、還付金なんか期待するな、と、これは、はじめからそういう話なのだ。麻生さんの説明は、粗雑ではあるかもしれないが、制度の要約として的確だ。私は評価する。悪いのは麻生さんではない。制度そのものだ。

 麻生大臣がこの発言に先立って漏らした

「軽減税率はめんどうくさい」

 というコメントも、まったく正しい。私は、この発言も支持する。
 なぜなら、軽減税率は、麻生さんのおっしゃるとおり、実にめんどうくさい措置だからだ。というよりも、消費税の利点である徴税のシンプルさと課税の公平さを台無しにしている意味で、軽減税率は、そもそも筋が悪いのだ。

 2017年の4月に、消費税の税率が10%に引き上げられることについては、かねてから賛否がある。

 景気回復を重要視する人々は、税率の引き上げそのものに反対している。
 昨年(2014年)の4月に、税率が5%から8%に引き上げられて以来、回復基調にあった景気が、停滞に転じていることを軽視するべきではない。もしこのまま、既定方針にこだわってさらに税率を引き上げたら、日本の経済は不況に逆戻りしてしまう。そうなれば、経済のあらゆる面に悪影響が出ることはもちろん、税収そのものも大幅に目減りすることになる。そうなってしまっては本末転倒ではないか、というのが、彼らの主張の骨子だ。
 一方、財政の健全化を重視する人々は、17年4月の税率アップを、ずっとそのつもりで織り込まれている決して譲ることのできない一線であると考えており、ここで安易な妥協をすると、日本の財政は後戻りのできない借金体質に陥ってしまう旨を繰り返し主張している。

 いずれの主張が正しいのかは、私には判断がつかない。
 ただ、双方の顔を立てているかのように見える軽減税率という解決策の方向が、最悪の一手であることだけは、なんとなくわかる。

 なんとなれば、軽減税率は、景気の悪化を止められないばかりでなく、財政の悪化を防ぐこともできないはずだからだ。
 おまけに、それは、不要な会計業務を増やし、不要な税務書類を増やし、不必要な役所を新設させ、不要なカード読み取り機の生産と不要なカード犯罪誘発機会をもたらし、国民の生活をいたずらに煩雑化する

 ひとつも良い点がない。

 景気への悪影響が心配なら、税率アップの時期を延期すれば良いし、財政が心配なら果然と税率を上げれば良い。いずれの道を取る決断もつけられずに、現金を泥道にぶちまけてそれを国民に拾わせるみたいな挙に出ることは、どっちにしても最悪だと思う。

 財務省案での還付方法は、たぶん、マイナンバーカードのスタートを邪魔することにもなるだろう。

 ここで、マイナンバー制度そのものについて、立ち入った議論をするつもりはない。
 賛否両論が渦巻きすぎていて、短い残り行数では、とても整理がつかないからだ。

 ただ、彼の制度がもたらすであろうとされている「メリット」が、「事務の簡略化」である点は、はっきりしている。
 この点については、ほとんど異論はないはずだ。

 その事務の簡略化という、マイナンバー制度のメリットを、財務省が持ちだした還付制度は台無しにしかねない。私はそう思っている。

 というのも、マイナンバー提示による税還付ポイントのカウントは、レジ業務に余計な手間と手順を持ちこみ、税務処理に新しい項目を増やし、マイナンバーの尻尾に余計なデータをまとわりつかせることになるわけで、マイナンバー制度の目的である、各種業務の簡略化にモロな形で逆行しているからだ。

 のみならず、軽減税率ポイントのレジ配布設定は、マイナンバーカードの所持を一般化させることを通じて、カードの紛失リスクと、データ漏えいリスクと、詐欺被害リスクを野放図に拡大することになるはずだ。

 カードというのは、どんなものであれ、紛失するように設計されているものだ。

 持って歩いて邪魔にならないということは、置き忘れても思い出しにくいということであり、掏られて気付きにくく、落として音がしにくく、投げてよく飛ぶということでもある。そんなものが紛失しない道理はないのである。

 財務省は、還付金をエサに、マイナンバーカードの普及を促進しようとしているのだと思う。あるいは、高速道路のETC割引料金でドライバーを誘引することで、ETCカード&車載器の普及を果たした成功体験が、こういうプランの案出につながっているということなのかもしれない。

 ETC割引料金は、たしかに魅力的な誘引材料だった。
 私自身、国交省に足元を見られている不快さは感じたものの、ETCカード&車載器のもたらす利便性と経済的メリットに抵抗しきれず、結局、車載器を搭載することになった。

 ただ、ETCカードのケースと、このたびのマイナンバーカードのケースは、似ているようでいて、微妙に違っている。

 ETCカードは、若干の初期投資を要したとはいえ、結果として、高速道路の料金所渋滞を大幅に軽減する意味でメリットの方が大きい改革だった。ドライバーにとっても小銭を出す手間や、料金所でいちいち停止する面倒くささを解消してくれた意味は大きい。

 その点、マイナンバーカードは、少なくとも軽減税率を蓄積するポイントカードとして使う用途について言うなら、明らかに手間を増やしている。

 さいごに、以下は私の邪推にすぎないとも思うのだが、せっかくなので書いておく。

 思うに、財務省の上の方の人たちの本当の狙いは、マイナンバーカードに個人の買い物のデータを記録させるところにあるのかもしれない。そうでなくても、彼らは、納税や預金の基礎データのみならず、交友関係や宗教思想に関連するあらゆるエビデンスをマイナンバーにヒモ付けることを目論んでいるわけで、最終的に、お国の上の方の人たちは、全国民のビッグデータを一元管理する夢を見ているのかもしれないということだ。

 だとすると、これは、一大事だ。
 ここで重要なのは、現金が匿名性を持っているということだ。

 現金は、「誰が」「どこで」「何を」「いくらで」買ったのかを、取り引きが終わった瞬間に消し去ってしまう。だからこそ、われわれは、現金の匿名性に乗っかって経済活動の自由を謳歌している。これはとても大切なことだ。

 経済の自由は、必ずしも犯罪や後ろ暗い使途を意味するわけではない。
 が、自由は、すべての活動を含んでいる。

 説明しにくいのだが、とにかく、カード決済なりクリック決済なりで、追跡可能な形の買い物をした瞬間に、われわれの経済活動の自由は、半分ぐらい「敵」の手に渡っている。

 たとえば、amazonで何かを買うと、後々、かなりの期間、
「あなたにおすすめの◯◯」
 という、こっちの足元を見たメールやポップアップ広告やアフィリエイトに悩まされることになる。amazonの中に棲んでいる人工知能は、私が何を買ったのかをすべて記憶している。何を買おうとしてあきらめたのかも、もちろん記憶している。で、彼らは、そうしたデータを通じて、私がどんなものを欲しがる男で、どういう種類の持ちかけ方にヨワくて、どの程度のブツに手が出る経済力を持っているのかについても、驚くほど正確な予断を抱いている。

 これらのことを通じて私たちが学ぶべきなのは、ものを買うということが、同時に誰かに弱みを握られることを意味しているということだ。つまり、現金以外の方法で何かを買うことは、誰かに自分の心臓をわしづかみにされることに近い出来事なのである。

 しかも、資本主義社会の中でわれわれが生きることは、「お金を使う」ということとほぼ同義だ。ということは、経済活動の自由が失われた瞬間に、われわれの自由のうちのかなりの部分は死ぬ。

 人に言えない何かを買う時、誰にも言えない店で他人に明かせない関係の誰かと会う時、決済は必ず現金で処理されなければならない。なぜなら、カードであれ小切手であれ名前にヒモ付けられたカネを使うことは、そのカネを使った状況についてのあらゆる周辺情報を追跡可能な形で、全世界に向けて公開する準備を整えてしまったことを意味しているからだ。

 4000円のために何を売り渡すことになるのかを考えれば、答えは、すでに出ている。
 私は、軽減税率の還付を辞退する所存だ。

 事態をはっきりさせるために、財務省宛てに
「要らねえよばか」
 というメールを送ることにしよう。
 麻生さんが返事を書いてくれる良いのだが。

(文・イラスト/小田嶋 隆)

マイナンバーレジ普及前にぜひご購入下さい。
あ、ネット通販でも、いいんじゃないかな…。

 長らくお待たせしました。当「ア・ピース・オブ・警句」出典の5冊目の単行本『超・反知性主義入門』が9月11日に弊社から発売となります。今回は連載担当編集のYが初めて書籍編集も担当させていただき「いつもオダジマさんが言っていること」を、5つの指向に分類してみました。「生贄指向」「絆指向」「本音指向」「非情指向」「功利指向」です。「オダジマこそ、日本に珍しいホンモノの反知性主義者だ」と喝破した『反知性主義』著者にして国際基督教大学副学長の、森本あんり先生とオダジマさんとの、2万字の対談も収録。日本に漂う変な空気に辟易としている方に、「反知性主義」というバズワードの原典やわが国での使われ方を(ニヤリとしながら)知りたい方に、そして、オダジマさんの文章が好きな方に、縦書き化に伴う再編集をガリガリ行って、「本」らしい読み味でお送りいたします。ぜひ、お手にとってご感想をお聞かせください(Y)。


このコラムについて
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 〜世間に転がる意味不明

「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たやすいこと」「取るに足らない出来事」「チョロい仕事」ぐらいを意味している(らしい)。当欄は、世間に転がっている言葉を拾い上げて、かぶりつく試みだ。ケーキを食べるみたいに無思慮に、だ。で、咀嚼嚥下消化排泄のうえ栄養になれば上出来、食中毒で倒れるのも、まあ人生の勉強、と、基本的には前のめりの姿勢で臨む所存です。よろしくお願いします。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/091000010 

[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

3. 北の零年 2015年9月11日 02:28:53 : pi7eKAjFENWsU : ES2DTGACws
年金情報の流出問題も漏れ出たのは『国民年金』に於いて。
年金には各種あるのは周知のこと。コレが霞ヶ関の遣り口である。
危ない危ない。



4. 2015年9月11日 04:03:22 : GW7M9NppG6
軽減税率など愚策の見本。必要なのは累進課税の強化、最低賃金の引き上げ。

5. 罵愚 2015年9月11日 05:23:20 : /bmsqcIot4voM : glCtLikPAM
>年金の管理さえできなかった日本官僚に、マイナンバーの情報管理ができる筈がない

 まったくそのとおり。そのうえに、民主党の悪夢の3年間を思い出せば、背筋が凍る。この二者に共通するのは全体主義だよね。日本のような成熟社会の統治機構に全体主義は不適合だ。
 官僚と左翼を叩き潰すところか日本のリスタートがはじまる。


6. 2015年9月11日 07:22:53 : MitpCTnn5U
自分で板を立てたらいかがと見えるコメントが有る

7. 2015年9月11日 11:19:32 : LHpbLgCwfs
財務省がバカになったら日本はおしまい。こんなこと実行できるわけないことに気が付かないほど馬鹿なのか、それとも誰かを恐れて何もできないのか、どちらにしても役に立たない。

8. 2015年9月11日 12:00:32 : NEQJqXVoTY
害ナンバー

9. 2015年9月11日 14:52:49 : Q3qbpnbECo
予算無尽蔵なら、多少混乱があってもできるんじゃない
そして、予算増えれば増えるほど天下り先が増えるという

10. 2015年9月11日 23:16:29 : 5JZlwn5dk6
笑っちまったぜ官僚野郎に
年金も守れねえ官僚にマイナンバーなんぞ任せられるわけがない
麻生も阿呆だ
マイナンバー持ってこなければ4000円還付しないだけだと
ふざけるな!
おいら達は乞食じゃねえ
年間4000円5000円の還付で自分の大事な個人情報を売り渡してなるものか
ばかったれ!

11. 2015年9月12日 13:38:01 : cGrni1NYAA
官僚とアメリカに従うだけの自民党

12. 2015年9月12日 14:01:57 : WLpdZiiDAs
>「年金の管理さえできなかった日本官僚に、マイナンバーの情報管理ができる筈がない

あれは管理が出来なかったんじゃなくて、「名簿はもうPCに入れちゃったから、元の台帳は処分しましょう!」「ほれー!これでもう証拠は無くなった−、みんなで年金に手を突っ込もうぜー、みんなでやれば怖くないだよー!」って事だったんじゃないかと推認します。

年金で、あれだけ騙されたのに、また性懲りも無く「マイナンバー」とか言われて自分の個人情報を全部登録するアホがいるものか、バカクサ」
あぁ・・・・いるかも・・・・。
「一度騙された人は何度でも騙される」って言うから。

泥棒にも強盗にも情報を全部提供するようなものじゃないの。
一度騙した家の玄関には、詐欺や泥棒の共通印がどこかにあるそうだが、マイナンバーに成れば、台帳を見れば官僚にも役人にも警察官にも誰にでもその情報が見られる便利なものになるでしょう。

たとえ警官や役人が泥棒や強盗まではしなくとも、その名簿や情報を売るだけで家を建てる資金や車を買い替える資金になるなら、やる人がいてもおかしくないよ。
情報を売るだけなら、それほど罪悪感は無くやれるかもしれないよ。
何しろ警官が輪姦をやるし、校長が売春をするし教頭が泥棒をするんだから。



13. 2015年9月12日 22:16:06 : C3lq0gpU9A

   マイナンバーで事務処理が簡略化できるのだから、役人の2/3は要らない、首を切れ!


14. 2015年9月13日 00:57:54 : VLeSe71maI

官僚が近くにいる奴は動向を追っていく必要があるな

それで得するのは結局ハニトラか誑かしによって得られる悪い奴らだけに限るだろうがな



[32削除理由]:削除人:意味不明コメント多数のアラシ

15. 罵愚 2015年9月14日 05:36:58 : /bmsqcIot4voM : glCtLikPAM
>マイナンバーで事務処理が簡略化できるのだから、役人の2/3は要らない、首を切れ!

 大賛成!! 消費増税は必要なくなる。ついでに参院廃止、衆院定員100人に縮小、



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