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出馬を断念した野田聖子前総務会長(C)日刊ゲンダイ
容赦ない野田氏潰しで露呈…安倍首相の「女性活躍」は大ウソ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163707
2015年9月9日 日刊ゲンダイ
8日告示された自民党総裁選は安倍首相が無投票で再選された。ギリギリまで出馬を模索していた野田聖子前総務会長が推薦人を集められず、腰砕けになったからだが、その裏に安倍官邸の容赦ない切り崩し工作があった。それこそ、安倍陣営は野田氏側に回ろうとする議員の支持団体にまで圧力をかけたという。
安倍首相は「女性の活躍」「女性の活用」をしきりに唱えているが、改めて、女性蔑視の本質が透けて見えた気がする。自分にこびようとする「喜び組」は可愛がるが、ちょっとでも歯向かうそぶりを見せればコテンパンに叩きのめす−−。旧来型のオヤジ文化を体現しているのが、安倍首相なのだ。
昨年の第2次改造内閣・党役員人事を見てもよく分かる。女性閣僚に抜擢された山谷えり子氏、高市早苗氏、有村治子氏といった自民党の中でも際立ったウルトラ右翼。政調会長に抜擢された稲田朋美氏だってそうだ。「すべての女性が輝く社会」とか言ってるくせに、政策のほとんどが上から目線、男性目線だ。30代半ばまでの妊娠・出産を奨励する「女性手帳」を配布しようとしたものの、女性から猛烈な批判を浴びて断念。一方で、第3号被保険者制度や配偶者控除の見直しをチラつかせ、専業主婦世帯を狙い撃ちにしようとしている。
武蔵大助教の田中俊之氏(社会学)が言う。
「野田氏の総裁選不出馬のニュースを聞き、『安倍政権の正体見たり』という思いがしました。政府の女性政策は、いずれも女性を『活用』するのではなく、労働人口の埋め合わせとして、都合よく『利用』しようとするものです。今国会で成立した『女性活躍推進法案』だって、結局は女性を労働力にするのが狙いでしょう。しかも、野田氏の例を見れば分かるように、首相にとって不利な行動を起こした女性には、男性社会特有の強者の論理を振りかざして潰してしまう。これでは、いくら聞こえのいいフレーズを並べたところで、女性は誰も信用しないと思います」
安保法案だってそうだ。あれだけ多くの女性が反対しているのに、ちっとも相手にせず強行採決しようとしているのは、安倍首相が心の中で女性を小バカにしているからではないか。安倍首相はまた女性の敵を増やした。
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