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2015/09/05 05:22
<大阪維新の松井一郎幹事長(大阪府知事)は4日、大阪府忠岡町で記者団に「二重行政を解消するには制度を変えるのか、二重行政を残したままでいいのか。そういう政策論争になる」と語った。大阪市をなくして特別区を設ける都構想の是非が問われた住民投票の「リベンジ」を宣言した形だ。候補者を「9月中に決めたい」と述べた。
自民党大阪府連の竹本直一会長は4日、党本部で茂木敏充・党選挙対策委員長と会談し、市長選の対応などについて協議した。擁立方針について説明したと見られる。柳本氏はテレビ番組の討論などで橋下徹大阪市長(大阪維新代表)と直接対決し、都構想を「反対多数」に追い込んだ立役者の一人とされる。自民党市議団幹部は「新市長を橋下氏の後継に譲れば、住民投票の結果が水の泡になる。知名度がある柳本氏で戦うしかない」と意気込む>(以上「毎日新聞」より引用)
またまた「大阪都構想」を争点に大阪府知事選挙を行うという。いい加減に「大阪都」を争点にするのは止めて、国、都道府県、市町村の二重行政を廃すというのなら、「道州制」の導入こそが争点にすべきだ。大阪府知事選挙だから「大阪都」だというのは議論が余りに枝葉末節に過ぎる。
二重行政が問題になっているのは大阪府だけではない。この高速交通網が整備されたIT時代に、国からの伝達に中二階の都道府県は役目を終えたのではないだろうか。道路行政に関しても、国家の幹線道路の整備は国が行い、生活道路の整備を地方自治体が受け持つ、というやり方も限界に達しているのではないだろうか。
長大な一級河川の管理は国が受け持つというのも、その水源地の山林や流入する支流の維持・管理を地方自治体が受け持つというのも無駄が多いだろう。大河川も水源地の山林や流域全体を一体として管理しなければ防災上も盲点が生じる可能性がある。
二重行政を廃すと同時に、責任の所在を明らかにしておく必要がある。そのためには道州制に移管して、国は外交や防衛、それと法体系の国としての一元体制を維持するのを役目として、それ以外の「行政」権限をすべて道州政府に移管して、国はスリムになるべきではないだろうか。
今後、いかに少子対策が為されようと一気に特殊出生率が2,1を超えたとしても、これまでの少子が結果として国の人口を大幅に減少させるのは避けられず、現行水準の税収を確保するのは困難だ。
日本の官僚は数が少ないと主張する愚かな評論家がいるが、それは比較すべき他国の官僚と、日本の官僚の「範囲」が異なることを考慮していない場合が往々にしてある事を理解すべきだ。
たとえば、日本は「国鉄」を民営化して公務員から除外した。同様に「郵政」を民営化して公務員から除外した。その他、公務員の外郭団体に補助金を支給して業務委託している福祉関係や日本年金機構など、他国では公務員にカウントされている業務従事者たちを除外して「日本の公務員は数が少ない。非常によく働いている」などと官僚の幇間、もしくは御用評論家がこの国には多過ぎる。それも官僚に逆鱗に触れると何処からか圧力がかかってテレビ出演を打ち切られる事例が余りに多く、生活優先の評論家たちが官僚批判を自己規制しているからなのだろうか。
関西のテレビに出演した安倍氏が「戦争法案に対して議論が深まらない」と野党を批判したが、彼のいう「議論の深まり」とは「対案」を出して「戦争法案」の修正協議をすることのようだ。なぜ「戦争法案」そのものが違憲で、野党が廃案にすべきが国会の使命だと思っていると解らないのだろうか。それとも安倍氏は「戦争法案」こそが日本国憲法を超えるすべてであって、それを成立させようとしている日本国首相たる安倍晋三こそが日本国憲法をも超える超法規的な存在だと観念している、ということなのだろうか。そうした観念の持ち主を世界では独裁者というのだが、安倍氏はそうしたことすらも理解していないのだろうか。そうだとしたら政治家として欠陥のある人物を自公政権は首相に就任させたということだ。
大阪府と大阪市が決断すれば大阪都が実現する、という橋下氏たちの考え方は余りに行政手続きに固執した考え方に過ぎるだろう。国家と国民のことを考えるなら「二重行政を廃す」という観点に立てば、彼らが意を注ぐべきは「大阪都構想」ではなく、「都道府県」制度から「道州制」への移行だ。
港湾の整備一つとっても、県単位を超えるものは全国に幾らでもある。いや、大阪湾と神戸湾の整備を一体と考えるなら、道州制をも超えた広域行政が機能的に動ける大きな器が外灯地域に必要だ。そうした概念に国家と地方自治体を大きく変革させるべき時代に到っていることを、すべての政治家は理解しなければならない。明治維新で果たした廃藩置県の先人の叡智をそのまま売れ継ぐだけで済む時代は終わりを告げている。
日本は減少する人口に合わせて行政もダウンサイジングしなければならない。これまでは様々な機関や職制を拡大してきたが、縮小する勇気を持ち、廃止される職務に従事していた職員の痛みを共有する政治家でなければならない。
その魁となるべきは財務官僚で、国家予算の対前年比減の予算を提示して、国家機関からすべての行政機関に対してダウンサイジングする近未来への備えを促すべきだ。予算を拡大しても、それを負担すべき国民は数が減少して、幾何級数的に増大する負担に耐えられなくなるだろう。既に日本は拡大するマイナス二次曲線の頂点を過ぎた国家だ。それは子ども手当を否定した、未来への投資を怠った政治家と国民の責任によって乗り越えるべき課題だ。
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