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横畠法制局長官のリーガルマインドは痛まないのか(C)日刊ゲンダイ
安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 <第18回>横畠法制局長官のリーガルマインドは痛まないのか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163340
2015年9月3日 日刊ゲンダイ
今日は数学の授業だ。方程式について学ぼう。中学生にもわかる。
いわゆる我が国の個別的自衛権発動要件を定めた(昭和)47年見解における旧3要件は、(1)あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、(2)国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、(3)その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである、としている。
これに対し、新3要件は「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が覆される明白な危険があること」を(1)とした((2)(3)要件は旧3要件と同じ)。
政府(及び横畠内閣法制局長官)は、旧3要件と新3要件の「基本的論理」に変更はなく、安全保障環境の変化という事実認識に変化があったことから、「あてはめ」を変えただけだと繰り返す。法律家はある事案等の結論を導くときに、それを判断する「規範(基本的論理)」を定立し、そこに事実をあてはめて結論を出す。つまり、「規範(基本的論理)」とは、数学でいう「方程式」で、事実は「関数」だ。方程式が同じなら、同じ関数を何度入れても同じ答えが出る“はず”である。
では、旧3要件の(1)と新3要件の(1)という方程式にホルムズ海峡での機雷敷設という関数を代入してみよう。旧(1)では、外国の武力攻撃すなわち国民の権利が根底から覆されることなので、遠くホルムズ海峡に機雷敷設されただけではどうやっても(1)を満たさないが、新(1)では満たす可能性がある(政府複数答弁)。2つの方程式に同じ事実を代入して、違う結論が出ているということは、方程式=基本的論理が違うのである。
さらに言えば、横畠長官は47年見解の旧3要件を含んだ基本的論理について「憲法改正をしなければ変えることのできない、まさにそういうものである」と答弁している(平成27年6月15日)。
今見たように、基本的論理は変更しているのだから、言葉通り、憲法改正を経なければならないはずだが、もちろんその姿勢はなく、「変更はない」と嘘をつく。横畠長官はもともと検察官であり、法律学小辞典の編集代表にもなっている生粋の法律家である。己のリーガルマインドは痛まないのか。内閣法制局から「法の番人」の看板を剥ぎ、脳死状態におとしめた安倍内閣の罪は重い。
▽くらもち・りんたろう 1983年生まれ。慶大法を経て中大法科大学院卒。安保法案に反対する若手の論客として知られ、衆院特別委にも参考人として呼ばれた。
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