4. 2015年9月02日 16:41:44
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Business | 2015年 09月 2日 16:25 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス日本の未来図:成熟国家の成長戦略、スポーツ起爆剤に=後藤田氏 http://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20150902&t=2&i=1076312982&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXNPEB8109O 9月2日、後藤田正純衆議院議員は「スポーツを成長産業にしたい。2025年度までに50兆円産業にしたい」と話した。写真は都内の新国立競技場の建設現場で7月撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter) [東京 2日 ロイター] - 自民党の後藤田正純衆議院議員は、アベノミクスに欠けているのは成熟国家ならではの成長戦略だとし、スポーツ産業の育成が鍵を握ると指摘。「スタジアムIR」構想を展開し、2025年度までに50兆円産業に育てたいと語った。日銀が量的・質的緩和(QQE)の条件とした財政再建に、政治家も不退転の決意で取り組まなければならないとの認識を示した。 ──米・中の国内総生産(GDP)は2020年代には逆転が見込まれ、世界経済の構図も変わっていく。日本が世界で生き残るための課題は何か。 「最も今やるべきことは未来に責任を持つことだ。ただ、過去に責任を持たずして未来の責任は語れない。外交では、過去を検証することによって、帝国主義・侵略戦争を二度と起こさないということを再確認することが必要だ」 ──台頭する中国との向き合い方は。 「日米同盟堅持の方針は変わらないが、アジア圏における日本のプレゼンスに努力しないことにはならない。アジアに対して一番大事なのは対話だ。たとえば、日本は北朝鮮に対話の基礎がない。対話の基礎なくして拉致(らち)問題は解決しない。対話や交流は外交的に絶対必要だ」 「経済面では、中国の市場は巨大で魅力的だが、景気減速や少子化、環境、労働問題などが表面化してくる。中国脅威論はあるが、中国は国内問題で手が回らなくなるだろう。こうした課題に先進国ならではの対話と技術協力を進めていくべきだと考える」 ──アベノミクスの功罪は。 「負の側面は、長期政権でいろいろな人の意見を聞かなくなっていること。官僚主導になり過ぎること。上がってくる情報は画一的・たこつぼ的になっていて垂直的な情報しか入ってこない。多様なルートでいろんな情報を得ないといけない。外交・安全保障も含め本当に重要な危機管理が心配だ」 「良いところはあまりない。日銀の緩和で踊っているだけで、具体的な成長戦略が描けていない」 ──何が欠けているか。 「一言で言えば、わくわくしない。感動しない。『パンとサーカス』ではいけないが、政治というのは国民を飽きさせず、感動させ、経済を元気にさせないといけない」 「(財政支出で)コスト・センターを作るのではなく、プロフィット・センターを作らないといけない。いかに国民をわくわくさせるものを作るかが大切だ」 ──どうすべきか。 「成熟国家ならではの成長戦略の実現が必要。日本はエンターテインメント、スポーツ、文化などのレジャー産業では後進国。非製造業分野の育成にもっと本腰を入れないと世界やアジアで取り残される恐れがある。中国から観光客が大勢来ているが、先進国からはあまり来ていない。先進国のインバウンド客が増えることが、30年後も日本が良い国だ、訪れてみたいと言ってもらえる鍵になる。そのために日本の素晴らしい自然、文化遺産を残す必要がある。文化財保護にもっと金を使う必要がある」 「日光東照宮の改築費や京都・奈良の文化財保護など、今もすでに資金不足で文化財の保護が先細りになっている。道路や港湾を整備しても、道路港湾を見に海外から観光客が来るわけではない」 「感動に対価を払うという発想が根付くことが成熟国家のビジネスにつながる。米国ではそれが非常に進んでいる。米国ではレジャー産業のけん引役はスポーツで、産業規模は拡大している。他方、日本はピーク時から縮小。プロ野球とメジャーリーグはかつて同程度の売り上げだったが、今は7倍と大きく水をあけられている。日本も利益を生み出せるプロフィット・センター作りに財政資金を使い、その利益を再配分し、感動の対価を循環するための仕組みを作ることが重要だ。こうした発想がアベノミクスには欠けている」 「スポーツを成長産業にしたい。2025年度までに50兆円産業にしたい。今はたったの3兆円だ。列島改造をもう一度やるとしたら、スタジアムを核としたIR(統合型リゾート)だ」 ──黒田日銀の評価は。 「黒田QQEもアベノミクスもカンフル剤を打って確かに成功した。しかし、われわれは逃げ切り世代ではない。緩和には出口があるし、財政健全化も基礎的財政収支(PB)均衡達成で喜んではいられない。長期固定負債を減らしていくさらなるヤマがある。日銀はQQEに踏み込んだ際、政府の財政再建を条件にした。われわれ(政治家)も不退転の気持ちで健全化に取り組まなければならない」 「財政再建は結局、社会保障分野の問題であり、聖域なく効率化していかなければならない。そのための原則を示し国民にその必要性・自己責任の原則を説明しなければならない。そして(浮いた)カネを投資的経費に回さなけれは持続的な国はできない。それを訴えるのは、時の総理の仕事だ。それをやらなければ、日銀緩和が出口を迎える時に超高金利・インフレという最悪の事態に陥りかねない」 (吉川裕子:編集 山川薫) http://jp.reuters.com/article/2015/09/02/qqe-gdp-idJPKCN0R20JI20150902?sp=true |