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2015年 09月 02
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前記事の『安保法案に次々とアブナイ問題が発覚〜大紛糾した8月25日の安保審議の概要』のつづきを・・・。
8月25,26日の参院安保特別委の審議で、もうひとつ大きな問題になったのが、安倍首相が国民に向けて行なった集団的自衛権に関する説明が、国民をだまくらかすためのレアな事例であって、限りなくウソ、詐欺に近いのではないかということだった。(@@)
安倍首相は昨年、国民に向けて行なった記者会見で、わざわざ日本人の母子が米艦船に乗っている絵が、ど真ん中でアップになったパネルを使って、日本人の命を守るために、新たな安保法制(集団的自衛権込み)なのだと主張。(詳しくは後述)
国会答弁でも、当初は存立危機事態の例として、繰り返しこの例を挙げて来たし。存立危機事態での集団的自衛権の行使には、相手国の要請が必要だと説明していたのだ。(・・)
ところが、安保法案の審議が進むにつれ、首相や中谷防衛大臣の説明がだんだんぶれて来て、怪しい感じに。(~_~;)
でもって、25−26日の審議では、ついに中谷防衛大臣が、「邦人輸送は必ずしも要件ではない」、「相手国の要請も要件ではない」と答弁するに至ったのである。 (゚Д゚)
あまり小難しい&細かい話はウケないのだけど。^^;
大事なことだと思うので、関連の報道記事をアップしながら、このことについて書いてみたい。(**)
* * * * *
『「邦人が乗っているかいないかは絶対的なものではない。判断要素の一つだ」。中谷元・防衛相は26日の参院特別委員会で、集団的自衛権の行使要件である「存立危機事態」の認定に関し、こう表明した。
朝鮮半島有事が発生し、退避する邦人を乗せた米艦を守らなくていいのか―。首相が昨年7月の記者会見で、母子の姿を描いたパネルを掲げ「日本人の命を守る」と訴えた事例だ。
中谷氏の答弁は、邦人が乗っていなくても防護対象になるとの見解で、首相の説明とは重点が異なる。質問した民主党の大野元裕氏は「女性や子どもを使って国民感情に訴えるのは 姑息 (こそく) なやり方だ」と非難した。(共同通信15年8月30日)』
『安全保障関連法案を審議する参院特別委員会は26日、一般質疑を行った。集団的自衛権を行使する代表的事例として、安倍晋三首相らが再三強調してきた邦人輸送中の米艦防護について、中谷元・防衛相は「邦人が乗っているかは絶対的なものではない」と述べ、邦人保護が行使の理由にならないことを認めた。
民主党の大野元裕氏が、朝鮮半島有事の場合に「存立危機事態」と認定して集団的自衛権を行使できる条件について「(輸送中の)邦人の有無は関係ないのでは」と質問。中谷氏は「総合的に判断する。邦人が輸送されているかは判断要素の一つだが絶対的なものではない」と述べ、米艦で輸送中の邦人を守るためだけに集団的自衛権を使うことはないとの認識を示した。
安倍首相は昨年7月、憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を認めた閣議決定時の記者会見で、邦人輸送中の米艦防護を例に挙げ、集団的自衛権の必要性を主張。母子が乗った米艦のイラストパネルを使い、「日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る」と強調していた。(朝日新聞15年8月26日)』
* * * * *
『参院平和安全法制特別委員会は25日、集中審議を行った。中谷元(げん)防衛相は集団的自衛権の行使について「(敵から)攻撃を受けた国の要請、同意が存在するのは当然の前提だ」と説明した。一方、日本が「自衛の措置」として武力を行使できる存立危機事態に関しては「要請、同意は(事態の)定義には含まれない」と述べ、要請や同意を安全保障関連法案の規定として明記することに否定的な考えを示した。
国際法上、集団的自衛権の行使には「攻撃を受けた国の要請または同意」が必要とされる。今回の関連法案には要請や同意の規定がないため、無所属クラブの中西健治氏は「(存立危機事態の要件として)法律に書き込むべきだ」とただした。
しかし、他国の要請や同意を法的要件にすれば、国連による集団安全保障措置など、本来は要請や同意を要しない活動への日本の参加が制約される可能性が出てくる。このため、中谷氏は「要請、同意がない場合に存立危機事態を認定することはない」と答弁したものの、法案修正は認めなかった。(毎日新聞15年8月25日)』
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日本の歴代首相&内閣は、何十年もの間、「集団的自衛権の行使は憲法9条で禁じられている」という憲法解釈をとって、集団的自衛権の行使を認めずに来たし。
今も憲法学者や弁護士など法律の専門家の大部分が、集団的自衛権の行使は違憲だと解していて。(それで安保法制も違憲だと言ってる人が多い。)安保法制の整備が必要だと主張している保守系の人も含め、少し良識や見識がある人は、集団的自衛権を認めるには、憲法9条を改正する必要であると主張しているのだけど。(・・)
ところが、現憲法を否定し、全く尊重する気がない(むしろ破壊したい)安倍首相は、05−6年の前政権の時から、政府の憲法解釈を変更するだけで、集団的自衛権の行使を容認することを画策。短命で終わった前政権ではなし得なかったものの、12年末に奪還した今政権でそれを実現させることに執念を燃やして。昨年7月、ついに集団的自衛権の行使を認める内容の政府の憲法解釈を作って、閣議決定を行なったのである。(ーー)
* * * * *
そんな安倍首相が、昨年5月、国民に集団的自衛権の行使容認の必要性を説明するために、わざわざ記者会見を実施。その際に、官邸スタッフに指示して、米艦船に乗っている日本人の母子がアップになったパネルを用意して、国民の理解と共感を得ようとしたのであった。^^;
<映像・全文は首相官邸HPに。関連記事・『こすかった安倍会見〜まやかしの具体例&「わたし」の立場、考えを主張しただけ』『B層目当て、安倍発案のパネル会見〜理論より情動、執念を込めた9条破壊戦略』>
そして、安倍首相は、このパネルを国民に示しながら、「紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない」「世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても、守ることができない」と強調し、日本人を守るためには、集団的自衛権の行使容認が必要だと主張。
「会見を御覧になっている皆さんや、皆さんのお子さんやお孫さんが、こうした立場になるかもしれないという、そのことを考えていただきたい」と訴えたのである。(@@)
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そのパネルには、ど真ん中にど〜んと「在留邦人、米国人輸送」を行なう米艦船とそれに乗った日本人母子の姿(赤ちゃんを抱き、子供を連れた母親)が。その後ろに外国人らしきお年寄りの夫妻の姿が描かれていて。
そして、その周辺に「有事、攻撃国」「米国政府・米輸送艦防護の要請」や、日の丸を掲げた艦船の横に「防護X」の文字が並んでいて。有事の際に、邦人を乗せた米艦船が攻撃を受けても、自衛隊の艦船が防護できない状況を示したものだった。^^;
ちなみに、このパネルは、安倍首相の「人々の心に訴えるような、女性や子どもたちを描くようなパネルにしてほしい」との要望、指示に応じて作られたという。^^;
『フジテレビ政治部の松山俊行官邸キャップは「安倍首相は周囲に、『会見の中ではパネルが命だ』と言って、人々の心に訴えるような、女性や子どもたちを描くようなパネルにしてほしいという、細かい指示まで出していた」と話した。
さらに、事務方が最初に作ったパネルを見た安倍首相は、パネルの作り直しまで命じていたという。松山キャップは「大きなアメリカの艦船だけが写っていて、子どもや女性の姿がほとんど写っていなかったということで、もう一度作り直しをするように、事務方に指示したということです」と語った。(FNN14年5月15日)』
『パネルには子供や女性の絵が描かれており、安倍首相は「この(集団的自衛権の)議論は国民の一人一人にかかわる現実的な話だ」とも指摘した。実は、「パネルで俺は勝負する」と首相自ら図案を決めた。(産経新聞14年5月15日)』
『情に訴える狙いは明らかだ。パネルは「役人が作ったのだとちょっと違うと言って、首相が自分で指示した」と自民党中堅。米艦防護のパネルの真ん中には、赤ちゃんを抱く母親と、心配そうに母親に抱きつく幼子が描かれていた。(西日本新聞14年5月16日)』
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安倍首相は、このようにパネルの作り直しまで命じて、いかにも米軍による邦人救出こそが、集団的自衛権の行使を認める必要がある代表的or典型的な事例であるかのように見せかけて、国民の理解を得ようとしたのであるが・・・。
でも、それは決して代表的or典型的な事例でも、米艦船の防護をなすための要件でもなかったのである。(-"-)
ただ、存立危機事態を認めるには、(1)密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある〈存立危機事態〉(2)我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまるという3つの要件を満たすことが求められる。(・・)
安倍首相も、関係閣僚や自公与党幹部も、今回の安保法案で認められる集団的自衛権に関して、「あくまでも日本の国や国民を守るため、限定的に行使するに過ぎない」と繰り返し主張しているのだが。
もし邦人が乗っていない米軍艦船が攻撃を受けている際に、自衛隊がその防護のために反撃する場合、どのの要件に当てはまるのか・・・難しいものがある。(-_-;)
<安倍首相や閣僚らは、答えに困ると「総合的に判断する」と。防衛上、他国に知られるいけないので、具体的なことは言えないって逃げたりすることも。(>_<)>
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安倍首相が使ったパネルには、「米国政府・米輸送艦防護の要請」という文字もあったのだけどここに来て、中谷防衛大臣が「相手国の要請は必要ない」と言い出しているのも、問題だろう。(~_~;)
中谷大臣は8月21日には、このように答弁していたのだ。
『安全保障法制をめぐる21日の国会の審議で集団的自衛権を行使する「存立危機事態」の認定をめぐり、新たな矛盾が浮かび上がりました。
「存立危機事態の認定をする際には密接な関係にある他国からの要請というのはこの認定には必要なんですか」(水野議員)
「事態の認定そのものには必要ございませんが、国際法上、このような要請があるということは求められているところでございます」(中谷防衛相) (中略)
一方で、日本が攻撃を受けていないにもかかわらず、自衛隊が武力を行使する集団的自衛権を発動するには、攻撃を受けている国から要請を受ける必要があります。水野議員は「存立危機事態」を認定するために攻撃を受けている国からの要請が必要かどうか質したところ、中谷大臣は「必要ない」という認識を示しました。裏を返せば「存立危機事態」を認定しても他国からの武力行使の要請がない状況もありうることになり、その場合には「日本の存立が脅かされる」事態にもかかわらず、その「事態」を打開するためには武力行使ができないという矛盾が生じます。
安倍政権が「限定的な集団的自衛権」が必要だとして設定した「存立危機事態」は、結局、「個別的自衛権」で対応すべきではという指摘に新たな論拠を与える可能性もあります。(TBS15年8月21日)』
それが25日には、『集団的自衛権を行使する際の「存立危機事態」をめぐっては、委員会審議に先立つ記者会見で中谷防衛大臣は「事態の認定にも他国からの要請が必要」との見解を示し、先日の国会答弁を一部修正しました。
我が国の存立が脅かされるような事態になっても他国の意向によっては「存立危機事態」は認定できず、事態を打開するための武力行使が出来ないという矛盾も生じます。
これについて中谷大臣は「外交努力」などを挙げて「要請または同意が得られないことは想定されない」と述べました』と変わってしまったのだ。(・o・)(TBS15年8月25日)
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前記事にも書いたが、このように安保法案の審議では、まだまだ議論しなければならない論点、問題点、法の不備などがた〜くさんあるし。廃案にできなかった場合、せめて日本の国、国民のあり方や国民や自衛隊員の安全、そして日本の憲法をより多く守れるように、法案を修正して行く必要もあるわけで。
野党やメディア、専門家、そして私たち国民も、そのことをしっかりと主張して、今国会での安保法案の強行成立を阻止したいと、強く思うmewなのだった。(@@)
THANKS
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