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2015年09月01日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆東京・国会前12万人、大阪2万5000人、旭川1200人、青森500人、山形1000人、水戸1000人、長野600人、金沢1800人、徳島700人、高知1500人、松山300人、福岡600人、熊本2000人・・・朝日新聞8月31日付け朝刊が「2面=総合2面」で「30日各地に広がった安保法案反対の主なデモ・人数は主催者発表」について報じた。もちろん、安保法案反対の集会・デモは、全国あちこちで行われていた。350万人説もある。
朝日新聞は、安倍晋三政権や自民党側の反応について、「首相周辺の一人も『デモに参加する若者は理想や建前に走り、現実を知らない。世界では戦争が起きている。日本が何もしないわけにはいかない』。報道各社の世論調査で内閣支持率が40%前後あることもあって『国民的なうねりになっていない』(首相周辺)とみる。ポピュリズム(大衆迎合)批判もある。自民の谷垣禎一幹事長は『民主主義社会で、自分たちの主張をきちんと主張する方法がなければいけない』と一定の理解を示しつつ『いたずらに興奮とポピュリズムを巻き起こすものなら好ましくない』と語った」と伝えている。
◆安倍晋三首相の周辺では、「世界では戦争が起きている。日本が何もしないわけにはいかない」というけれど、若者たちに「世界各地の戦場に行け」と嗾(けしか)け、駆り立て、徴兵しようと企んでいるのであろうか。しかし、この発言は、自民党離党に追い込まれた武藤貴也衆院議員が、大学生らでつくる「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)についてTwitterで「自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ」と書き込んだ批判と五十歩百歩である。そんなに世界各地の戦場に派兵したのであれば、自分たちの親族、身内を男女問わず、自衛隊に入隊させて、派兵して、範を示すべきであろう。全国各地で発生している安保法案反対の集会・デモ現象が、「国民的なうねりになっていない」とは、どこの何を見ているのか。「60年安保闘争」とは違って、整然とした大人しい集会・デモを侮っているとしか思えない。
谷垣禎一幹事長に至っては、全国的な安保法案反対の集会・デモ現象を「ポピュリズム」と断じて嫌悪して斬り捨てている。多くの女性、主婦、学生、文化人、有識者、憲法学者、それに弁護士でもある谷垣禎一幹事長が関わっている弁護士会まで、こぞって安保法案反対の集会・デモに参加している現象に対して、陳腐なステレオタイプの「ポピュリズム」としか批判できないのは、政治家としては低レベルで、相当劣化していると言えよう。
◆国連は、国際連合憲章(1945年6月26日署名)の下で設立され、10月24日に活動を開始してから70年になる。しかし、国際連合憲章には「国連軍」という文言はなく、未だに「国際の平和及び安全の維持に貢献する」ための国連正規軍は、常設されていない。おまけに、国際連合憲章からは、日本を敵国とする「敵国条項」が削除されていない。こんなことでは、「平和憲法」の下で、大東亜戦争に敗戦した後、70年間、どこの国とも戦争をせず、「殺さず、殺されず」の体制を堅持してきた日本が、「国際の平和及び安全の維持に貢献する」のは、難しい。日本にとっての喫緊の課題は、「敵国条項」を削除して常設の国連正規軍に参加できる体制を築くことである。米国の言いなりになり、米軍が中心となる多国籍軍の後塵を拝し、陸海空3自衛隊を米軍の補完部隊として従属させて、地球規模で追随させるのは、国連憲章の主旨に反する。
小沢一郎代表は、国連を「地球連邦政府」に格上げし、常備軍である「地球連邦軍」を新設して、「国際の平和及び安全の維持に貢献する」ことを提唱している。いたずらに米軍が中心となる多国籍軍に参加すべきではなく、そのための安全保障法制整備関連法案を今延長国会(会期末9月27日)で可決成立させてはならないのである。
万が一、可決成立した場合、この法律を廃止するため政権交代を図り、新政権を樹立して、再び「憲法解釈変更」して、廃止することになる。
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