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「ものを書く人間として絶対に許せない」――作家・森村誠一氏が国会前でスピーチ 「戦争は最も残酷なかたちで女性を破壊する」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/260728
IWJ Independent Web Journal
「どうかみなさん、今日の雨を忘れないように」――。
『人間の証明』などの作品がある作家の森村誠一氏が、2015年8月30日、約12万人が集まった国会前でマイクを握り、スピーチを行った。
1945年8月14日、生まれ育った街・熊谷で空襲にあったという経験を持つ森村氏。これまで、新聞や雑誌など、様々なメディアで「反戦」のメッセージを訴えてきたが、この日は国会前に立ってマイクを握った。
森村氏はスピーチの中で、戦争になったら女性や若者がいかにひどい目に遭うかということを、実体験を交えながら語った。
「いわゆる、女性が壊されるということは、子どもが生まれなくなって、人生が破壊されて、そして地球が滅びるということ。女性を軽率に、軽蔑して、そして、竹槍を持たせてB29を沈める訓練をさせた。こんな馬鹿馬鹿しい戦争はない。その馬鹿馬鹿しい戦争を、安倍は再びできるような、可能な国家にしようとしています」
以下、森村誠一氏のスピーチ全文を掲載する。
【スピーチ全文掲載】「ものを書く人間として絶対に許せない」――作家・森村誠一氏が国会前でスピーチ 「戦争は最も残酷なかたちで女性を破壊する」
■森村誠一氏スピーチ全文
森村誠一氏「私は喋れと言われれば、一時間ほど喋れます。
今日与えられたのはたった4分。従って、今日はこれだけ大勢の集まった女性に対してお話しをします。
戦争は女性を破壊します。最も残酷な形で女性を破壊します。例えば、現在、デモクラシーのシンボルのような憲法においても、女性が美しくある権利を保障するという言葉はありません。なぜ、ないか。それは当たり前のことを憲法で謳う必要はない。
ところが、戦争が終わった当日、日本の女性、すべての日本人、女性を含めて兵士になれという命令が出ました。その時に女性はどうされたか。まず、女性はもんぺという一番醜い衣服を着て、パーマネントをした女性は髪を刈られ、振り袖を着た女性は袖を切られました。
そういう中で女性は竹槍を与えられて、あの時、ルーズベルトやチャーチルの藁人形に竹槍で、刺し貫く訓練をさせられた。私はそれを見て、大切な女性が破壊されている光景をまざまざと見て絶対に女性にとって戦争をやってはいけない。ごく当たり前の女性の権利を破壊される。安倍政権は、その女性を殺そうとしています。
そして、一番最初に犠牲者となるのは若者たち。
若者たちが一番明白な危険に晒される。そして、女性にとって一番大切な『美しさを守る』ということが踏みにじられます。特に今日、この雨を共有した女性たちはこのことを絶対に忘れずに、戦争が始まったら、女性の人権は破壊されるということを絶対に忘れないでいただきたい。
いわゆる、女性が壊されるということは、子どもが生まれなくなって、人生が破壊されて、そして地球が滅びるということ。女性を軽率に、軽蔑して、そして、竹槍を持たせてB29を沈める訓練をさせた。こんな馬鹿馬鹿しい戦争はない。
その馬鹿馬鹿しい戦争を、安倍は再びできるような、可能な国家にしようとしています。私もものを書く人間として絶対に許せない。
けれども、私はかなり危険な思いをしました。『悪魔の飽食』という、アンチ平和を、その戦争というものの真実を書いた場合に、『森村暗殺計画』が企画されました。つまり言論の自由、思想の自由も圧殺された。
みなさん、この中で特に一番最初に殺されるのは若い人たちです。それも大学生、高校生が多い。みなさん、今日、降ったこの雨を共有して絶対に忘れない、絶対に安倍を許さない。そして絶対に戦争可能な国家にしてはいけない。
それは私たちの責任でもあり、使命でもあり義務でもあります。以上、4分経ちましたので。どうかみなさん、今日の雨を忘れないように。希望の雨です。どうもありがとうございました」
(取材:阿部洋地、写真:城石裕幸、記事:平山茂樹)
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