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参院平和安全法制特別委でたくさんの官僚にレクチャーを受ける中谷防衛相(C)日刊ゲンダイ
安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 <>かくも不条理が露呈した「安保法案」のほころび
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163190
2015年8月29日 日刊ゲンダイ
参議院の議論も1カ月が経ち、衆議院を通じて不誠実・不十分・不合理な答弁はかなり集積してきた。しかし、ただただ不合理として一蹴してもいられない。すなわち、答弁は政府見解であるわけだから、その通りの運用をすることになる“はず”である。すると、日本国の防衛上、自衛隊の身分上、かなりの危機を生じるのである。
以前に紹介した、後方支援の一体化について、A国戦闘機が我が国に対する武力行使をしていて、A国の発艦準備中の戦闘機に給油・弾薬の提供をしているB国は個別的自衛権の対象となるのか。これは、逆にして考えた場合、B国の行為は日本が重要影響事態法で新たに規定し、行おうとしている「後方支援」そのものである。B国の行為(兵站)はそれを断たねば我が国は攻撃され続けるわけだから、我が国にしてみれば、防衛上、当然、個別的自衛権の対象となるはずだ。即ち、我が国が「後方支援」としているものは敵国にとって武力行使そのものということになる。この質問に対して、あろうことか、中谷大臣は、「B国は後方支援だから攻撃しない」と答弁したのである。つまり、我が国が「後方支援」=「一体化していない」としたいがために、我が国防衛を犠牲にしたわけである。実際に上記状況が発生した場合、我が国はB国を攻撃できず、A国から攻撃され続けることになる。
また、岸田外相は、自衛官にはジュネーブ条約の適用はないと答弁し(7月1日)、自衛隊員は捕虜にならないことにしている。日本は「交戦権」も「軍隊」もないままに本法制を押し通した結果、かくも不条理が露呈したわけである。
前回も書いたが、国家の命令で武器使用した自衛官は、帰国すれば自衛官個人として裁かれる。政府は集団的自衛権を容認したいばかりに既存の個別的自衛権の枠組みを矮小化している(8月4日答弁等)。
虚偽答弁や答弁拒否の問題点を理解することは重要だが、一歩進んで、政府答弁を現実に「あてはめ」た結果、現実においてどのような問題が生じるのかを冷静に見てもらいたい。私は安全保障を真に重要と考えるが、同じように考えている人々も、この法案における「必要性」や「抑止力」「安全保障環境の変化」などという言葉の前に思考停止していないか。安全保障を真剣に考えている人こそ、この法案を再読しようではないか。
▽くらもち・りんたろう 1983年生まれ。慶大法を経て中大法科大学院卒。安保法案に反対する若手の論客として知られ、衆院特別委にも参考人として呼ばれた。
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