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HUNTER
核ゴミ疑惑の南大隅町 今度は官製談合疑惑
http://hunter-investigate.jp/news/2015/08/post-750.html
2015年8月28日 10:20
公共事業で、落札率が95%を超えた入札は談合の疑いが濃いとみるのが一般的。99%台、あるいは100%というケースもあるが、それは稀(まれ)。「企業努力」「たまたまそうなった」と言われれば納得するしかない。だが、99.9%、99.8%などという落札率が連続した場合は話が違ってくる。
1日に5件の入札が行われ、すべて99%台後半の落札率。そのうえ、有力企業がみごとに工事を分け合うという「官製談合」の見本のようなことがまかり通っている自治体が存在する。
鹿児島県南大隅町――。核ゴミ疑惑に揺れてきた小さな町に、今度は公共事業をめぐる疑惑が浮上した。歪んだ町政の実態を、シリーズで報じていく。
99%台が1日に5件――驚愕の落札率
下は、平成25年12月24日に、南大隅町役場で行われた「指名競争入札」の結果である。
この日の入札は5件。「川内線道路改良舗装工事」を五つの工区に分け、同じ日にそれぞれの工事の入札を行っていた。落札率は99.6%が1件、99.8%が2件、そして99.9%が2件。いずれも、ほぼ100%。これだけ数字が揃えば、もはや“レアケース”とは言えない。
受注確保――役場が保障
じつはこの工事入札、「公然の官製談合」と言うべきものだ。5件の工事で入札に参加した業者は、いずれかの工事を「必ず」受注することが分かっていたからである。
前掲の表に南大隅町が指名した「入札参加業者」を加えたのが下の表。指名を受けたのは5社。5件の工事入札に、きっちり5社しか参加していない。
「競争」の原理が働けば、同一業者が複数の工事を受注する可能性もあるのだが、南大隅町ではそうならない。同町では同じ工事を複数工区に分けた場合、先に落札した業者が「辞退」し、他の業者に仕事を譲る決まりになっているのだ。つまり、問題の5件の工事は、入札参加の5社で分け合うことが初めから決まっていたということ。競争の原則など無視した上で、役場が談合を助長していると言っても過言ではない状況だ。
同町建設課によれば、町内にAランクの業者が5社しかないため、こうした入札結果になったのだという。しかし、なぜ落札率がどの工事でも100%に近いのかという疑問については「分からない」(建設課)……。町側に瑕疵はないとの態度だが、どうやらその言い訳は通用しそうにない。次週から、南大隅町における狂った公共事業の実態を詳しく報じていく。
南大隅町をめぐっては、平成25年、森田俊彦町長と東電の闇の代理人との親密な関係が発覚。その人物からモーターボートを譲渡されていたことや、核関連施設誘致の一切を任せるとする「委任状」を渡していたことが分かっている。
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