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Sputnik 日本
信頼しているけど、いつも調べている
http://jp.sputniknews.com/opinion/20150827/814213.html
2015年08月27日 22:06(アップデート 2015年08月27日 22:11)
オバマ米大統領は、日本政府の高官などに対する盗聴スキャンダルをめぐり、日本の安倍首相に謝罪した。オバマ大統領は、米国家安全保障局(NSA)が日本のエリートたちの通話を盗聴していたとする疑惑について、迷惑をかけていることを大変申し訳なく思うと陳謝し、長年のパートナーである日本との信頼関係を損なう行動は行っていないとの旨を述べた。
日本政府の高官などに対する盗聴活動は、日本社会の大きな反応を呼んだ。公表された情報によると、NSAは日本の内閣だけでなく、日本銀行の幹部を対象とした盗聴も行っていたほか、三菱の天然ガス部門や三井の石油部門など、日本の大手企業も盗聴の被害にあった。
オバマ大統領は謝罪したが、このようなスキャンダルは安倍首相を黙らせることはできなかった。日本はオバマ大統領の謝罪を評価したものの、両国の信頼関係を揺るがしかねないとして深刻な懸念を表明した。一方で日本と隣国との関係が緊迫しているこの複雑な時期に、盗聴が日米の戦略的協力関係を実際に破壊することは恐らくないだろう。ロシア科学アカデミー極東研究所日本センターのヴィクトル・ パヴリャテンコ研究員は、安倍首相とオバマ大統領の発言について、世論を静めるためのものであった可能性が高いとの見方を示し、次のように語っている。
「今回の場合は、ただ反応せずにはいられなかったのだ。なぜならこのような事実が、初めて社会まで届いたからだ。そして老若男女全ての人が、日本の唯一の同盟国である米国が実際にどのような行動を取っているのかを知った。この盗聴をめぐる悲しい事実が表面化したため、オバマ大統領は謝罪を余儀なくされた。一方でオバマ大統領は現在、対ロシア制裁を維持するために、『西の陣営』の団結を保とうと大きな努力をしている。そのため安倍首相がなんとか世論に対して釈明するのをサポートするために、謝罪したのだ。そして実際のところ、『兄貴分』とよばれる大国の大統領が謝罪するというのは、日本社会にとって意味がある。
なお安倍首相が表明した日米間の信頼関係を揺るがしかねないという懸念についてだが、これは恐らく、社会に向けられたレトリックだったと思われる。安倍首相は、集団的自衛権の行使を推し進めるまでは、長期間にわたって高い支持率を維持していた。しかし日本社会は突然不安になり、デモが始まり、様々な町で若者たちが抗議を行っている。そして安倍首相の支持率は低下した。そのため盗聴に関する米国のシナリオと、それに対する安倍首相の反応は、安倍首相の支持率が再び上昇することをある程度助ける可能性がある」。
内部告発サイト「ウィキリークス」は、少なくとも第1次安倍内閣時代から米国の情報機関が盗聴していたとする35の標的を記した「Target Tokyo」と題したリストを公表した。第一次安倍内閣は2006年9月から2007年9月まで続き、安倍首相は再び、総理に返り咲いた。なお鳩山由紀夫氏には、そのような運命の女神は微笑まなかった。複数の専門家たちは安倍氏と鳩山氏の違いについて、安倍氏の親米的な姿勢が同氏の出世を助けたところが大きかったとの見方を示している。
パヴリャテンコ氏は、なお米国は日本の未来の首相たちを必ずしも盗聴する必要はないと指摘し、日本のマスコミの報道に深く目を通すだけで十分だと述べ、次のように語っている。
「米国は、日本で複数の翻訳ビューローを確保し、今も確保し続けている。これらの翻訳ビューローでは、100人以上の翻訳者が働いている。翻訳者たちの主な課題は、可能な情報を全て入手するために毎日非常に多岐にわたるマスコミの記事を翻訳することだ。それらの情報の中から、誰かの名誉を傷つけるような何らかの資料が見つかることがある。あらゆる民主主義国と同じように、日本にも野党がおり、政治家や、軍事およびビジネス界の代表者たちに関するネガティブな特質を持った、彼らの評判を落とすような何らかの資料が定期的に公表されている。これらは、必要な時期に、誰かに対して圧力を加えるために利用することができる。直接的な証拠はないが、大勢の専門家たちは、(2009年9月から2010年6月まで)という鳩山氏の短い在任期間は、まさに米国が鳩山氏に関する何かを入手していたからだと考えている。米国は、鳩山氏が米国で学んでいた時代から、鳩山氏の評判を落とす情報を収集し始めることができたとも考えられる。鳩山氏がこのような運命をたどった全ての原因は、同氏が米国の基地をただ移転するだけではなく、日本領土から完全に撤去させようと強く願っていたことにある。なお、日本側は米国基地を完全に撤去するための費用を支払う用意があった。もちろん米国はこれを受け入れることはできなかった。なおこれに関連して、中国人秘書のかどで非難を受けた日本の別の政治家の出来事を思い出すことができる」。
スプートニク社説
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