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大勢からレクチャーを受ける中谷元防衛相(中央)(C)日刊ゲンダイ
安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 <第14回>参院で審議が止まった防衛相の虚偽答弁
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163147
2015年8月28日 日刊ゲンダイ
自衛隊を出動させる場合、防衛大臣には「安全確保配慮義務」がある。例えば、自衛隊員が整備中の事故で亡くなったような場合、防衛大臣は安全配慮義務違反を負う可能性がある。
防衛大臣が安全配慮義務を負うのは平時(非戦闘状態)のときのみで、有事(戦闘状態)のときは安全配慮義務を負わない。有事の際に、安全配慮義務を考えていたら戦闘行為などできなくなってしまうからだ。
これを受けて、平時行動を予定している国際平和支援法等には、防衛大臣の安全配慮義務が明記されている。ところが、重要影響事態法にはこれがない。「現に戦闘が行われていない現場」での後方支援行動は「平時」の建て付けになっているのだが、実は「有事」と同等の行動を予定しているので、安全配慮義務を明記できなかったのではないか。こんな疑念が浮かんでくる。
政府は、安全かつ円滑に活動できる「実施区域」を指定することによて安全を図ると言っている。しかし、これは、法的に言うと、自衛隊の活動実施区域が安全か否かの判断にしか安全配慮が及ばず、隊の一般的行動(装備・編成等)をカバーするものではない。
さらに大問題なのが、本法制で、存立危機事態(=有事)において後方支援をする場合があるとされている米軍等行動関連措置法だ。もちろん有事だから、安全配慮義務規定などあろうはずがない。
しかし、安倍首相は、この場合も含めたすべての場合に安全配慮義務を貫徹したと言い、中谷防衛大臣も、有事における後方支援でも安全配慮義務を負うと答弁している(8月4日答弁)。これは明らかな虚偽答弁である。25日、民主党・福山議員の質問で審議が止まったのもこれが理由で、この点につき虚偽答弁を認めない限り、先に進めない。
政府は、虚偽答弁を認めるか、答弁通りの規定にするためにやり直すしかない。自らが提出する法案の中身も正しく理解していない権力担当者が、その法の運用だけは正しくできるなどと強弁しても誰が信じるのか。嘘を認める勇気は人間の尊厳のはずだ。政府には退く勇気を持ってもらいたい。
▽くらもち・りんたろう 1983年生まれ。慶大法を経て中大法科大学院卒。安保法案に反対する若手の論客として知られ、衆院特別委にも参考人として呼ばれた。
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