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民主党の小川議員(C)日刊ゲンダイ
掛け声だけのアベノマジックは完全に破綻 永田町の裏を読む/高野孟
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163115
2015年8月27日 日刊ゲンダイ
24日の参院予算委員会の集中審議で、民主党のトップバッターに立った小川敏夫議員が「安倍政権が発足後、今年6月までに勤労者の実質賃金は7.5%下がった」「円安で輸出が増えると言ったが、4半期ごとの貿易収支は一度も黒字になっていない」「『物価目標2%』は1%すら達成されていない」「株価もGPIFや日銀の公的資金で吊り上げているだけ」などの事実を挙げ、「アベノミクスは掛け声だけのアベノマジックだ」と追及した。安倍は質問に正面から答えずに、どうでもいいようなことをダラダラとしゃべって「アベノミクスは着実に成果をあげている」と力説、小川から「総理は自分に都合のいい数字をツマミ食いするのが得意ですね」と皮肉を返されていた。
偶然ではあるが、ちょうどその頃、安倍答弁をあざ笑うかのように、兜町では株価暴落が始まって、あっという間に前週末に比べ終値895円安の1万8540円まで下落した。25日はさらに733円下げて1万7806円で引け、ニューヨーク、上海、シンガポール、欧州と連鎖する世界同時下落の流れに歯止めがかかる気配はない。マスコミはこれを「中国ショック」などと説明しているが、それはきっかけにすぎない。事の本質は、9月にも実施される可能性のある米連邦準備制度理事会の利上げを前に、米欧日の異常なまでの金融緩和に支えられてきた6年続きの株式バブルというお祭りがとうとう終わって、大調整局面が来るのではないかという不安が、妖怪のように世界を駆け巡り始めていることにある。
乱高下はさらに進み、その中で世界の投機ファンドは「日本は公的資金相場だから比較的安全な避難港」とみているので、これまで以上に激しく日本市場に出入りを繰り返す。日銀やGPIFは全世界の投機家に立ち向かって株価を防衛しなければならなくなるが、そんなことをいつまで続けられるのか。むしろ、引くに引けない、売るに売れなくなって立ち往生し、調整局面の矛盾を一手に引き受ける羽目に陥るのではないか。
企業業績がいいといっても円安効果の見かけだけで、輸出量は増えず、だから設備投資も増えず、賃金も上がらない。当然、消費も増えない、GDPもマイナス――という実体経済の悪循環を、公的資金による株価操作だけで覆い隠そうとするアベノマジックは、すでに破綻に瀕していると言える。
▽たかの・はじめ 1944年生まれ。「インサイダー」「THE JOURNAL」などを主宰。「沖縄に海兵隊はいらない!」ほか著書多数。
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