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2015年8月25日
日経平均株価が急落している。
6月24日終値で日経平均株価は20868円の高値を記録した。
2000年4月12日の20833円を超えて、約19年ぶりの高値を記録した。
そして、8月10日終値は20808円だった。
それから2週間しか時間は経過していない。
本日、8月25日の日経平均株価終値は
17806円。
2週間で3000円急落した。
下落率は14.4%。
6月24日高値を基準とすると、下落幅は3062円、下落率は14.7%である。
きっかけは8月11日の中国人民銀行による人民元切下げである。
中国政策当局が人民元を切り下げた。
これを契機に、世界の株式市場が揺れ動いている。
人民銀行は3日連続で人民元切下げを実施したが、そこで小休止した。
金融市場は一時的に落ち着きを取り戻したが、8月17日の週に入って、再び動揺が広がった。
中国株価が急落し始めたのである。
これがグローバル金融市場に連鎖反応を生んでいる。
安倍晋三政権を支えてきた、唯一の支えが株価上昇だったが、この支えがいま、外されようとしている。
『金利・為替・株価特報』8月17日号
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
を発送したのが8月12日。
8月11日の人民元切下げを踏まえて、
「8月11日、中国が人民元を米ドルに対して2%引き下げる措置を決定、実施して様相がガラリと変わった。目先は中国人民元切り下げ問題の影響を考察する必要が生じ、金融市場はリスクオフ姿勢を強める可能性が高い。」
「各国による通貨切下げ競争が加速するとの思惑が広がれば、為替市場に、投機的な資本移動が大規模に発生するリスクが高まる。通貨が下落する余地のある国が投機のターゲットとされて、大規模な資本逃避=株価急落の連鎖が生まれる危険がある。グローバルな金融市場の連鎖に当面は最大の警戒を払う必要がある。」
と執筆した。
今後の展望については、
『金利・為替・株価特報』8月31日号
に詳述する。
中国の人民元切下げを批判する見解が一部で示されているが、この批判は妥当ではない。
2008−09年の国際金融市場の危機=サブプライム金融危機に際して、
金融超緩和=自国通貨切下げ
に突き進んだのは米国である。
その裏側で日本円の急騰が進んだ。
2012年からは日本が
金融超緩和=自国通貨切下げ
に突き進んだ。
米ドル、日本円の下落は、裏を返せば、ユーロの上昇であり、人民元の上昇である。
2015年に入って、米日欧の最終ランナーとして、ユーロ圏が
金融超緩和=自国通貨切下げ
に進んだ。
今回の人民元切下げは、グローバル金融市場における通貨切下げ競争の最終ランナーとして中国が登場したことを意味する。
金融情勢の分析は『金利・為替・株価特報』に譲ることとして、金融市場の環境変化で、安倍政権を取り巻く情勢が急変する点を見落とせない。
安倍晋三政権は9月中旬にも、戦争法案の参院強行採決を目論んでいると思われる。
日本の主権者の圧倒的多数が、戦争法案にに反対している。
そして、圧倒的多数の憲法学者が、戦争法案が憲法違反であると指摘している。
法治国家、立憲国家、民主主義を基本とするなら、安倍政権は戦争法案を取り下げるべきである。
これ以上の暴走を続けるなら、日本の主権者がいよいよ立ち上がり、体を張って、安倍政権を打倒する必要がある。
日本を暴政によって滅亡させてはならないのである。
株価は上昇したが、圧倒的多数の主権者の生活はまったく好転していない。
主権者が連帯して安倍政権を一気に退場させるべき時機(とき)が到来している。
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