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なぜ幼稚な政治家ばかりが増殖するのか 〜大人になれない国ニッポン 東アジアの「トホホ」な国々(3)日本編
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44861
2015年08月25日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
■自民党議員の知的レベルがまずい!
「最近、自民党議員の知的レベルが猛烈に下がっていると感じます。国会でも、野党議員に痛いところを突かれると、急にソワソワし出す。議論をしても『お前の指摘はレッテル貼りだ!』と『逆レッテル貼り』をし、反対する人を感情的に罵るから話にならない。
私は今年6月に行われた憲法審査会や安保特別委員会に呼ばれ、国会で意見を述べました。その時も、自民党の議員はクターっとだらしなく席に座り、ロクに話を聞いていなかった。私を含めた憲法学者が『安保法案は違憲だ』と言うと、途端に焦り出す始末です」
憲法学が専門の、小林節・慶応義塾大学名誉教授はこう言って呆れる。
口を開けば暴言を吐き、ものを書けば無知をさらす。このところ世間を騒がせている、自民党議員の信じがたい言動の数々については、すでにご存知の読者も多いだろう。
〈SEALDsという学生集団が自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ〉
7月末、武藤貴也衆議院議員(36歳)が自身のツイッターにこう記し、大バッシングを浴びた。
〈人殺しを拒否することは利己主義ですか?〉
〈戦争に行くことが前提の発言にしか見えない〉
〈総理や議員の人たちは戦争に行かなくてもいいんだもんね〉
ネット上には、このような武藤氏への批判が今なお溢れている。だがその一方で、彼の言い分に同調し、賛同する声も、ちらほらとではあるが上がっている。
〈在日左翼の難癖、揚げ足取りに負けないで〉
〈多くの国民がまだ「戦争恐怖症」という精神疾患にかかっている〉
〈左翼の幼稚な考えと攻撃にめげずに頑張ってください〉
武藤氏に批判された、安保法案に反対する学生団体「SEALDs」の女性メンバーが言う。
「武藤議員にしても、その発言に同調する人たちにしても、どうして『もし戦争になっても自分は関係ない』と言い切るのか、自分の暮らしや命が脅かされる可能性を勘定に入れないのか、私にはまったく理解できません。こんなことを口にして、政治家を辞めずに済むというのも信じられない」
武藤氏とその支持者は、彼らのことを「幼稚」で「自分勝手」だと、根拠も示さずに切って捨てる。それどころか、二言目には「在日」とヘイトスピーチが出てくる。本当に「幼稚」なのはどちらだろうか。
■なぜ、こんな人が議員に
武藤氏の失言に続き、自民党に追い討ちをかけたのが、同じく自民党衆院議員の熊田裕通氏(50歳)だ。自身のホームページで、こんな高校生時代の「武勇伝」を誇らしげに語っていたことが分かり、謝罪に追い込まれた。
〈(若い女性の)先生がトイレ掃除の点検にやってきました。好機到来です。中に入ったところで外からドアを押さえて閉じ込めたんです。そして、天窓を開け、用意していた爆竹を次々に投げ込んだんですよ。はじめは「開けなさい」と命令していた先生も、そのうち「開けてください」とお願い調になり、最後は涙声で「開けて~」と絶叫調に変わってきた。「やった~」と快感でしたね〉
「悪ガキ」時代の思い出話を、居酒屋でしゃべる分には構わない。しかし、いい年をした大人、まして政治家が、自慢げに喧伝するのはみっともない。こんな「告白」で支持を集められると本気で思っているのなら、有権者を舐めきっているか、「悪ガキ」から一歩も成長していないか、あるいはその両方としか言えない。
「こんな議員たちに、一人当たり年間で4000万円を超えるカネがつぎ込まれていると思うと、情けなくなりますよ。
今の自民党は派閥も昔と比べて弱くなっているから、議員の教育がなかなかできないし、得意分野・専門分野がないという議員もザラにいます。これは小選挙区制の弊害でもありますが、特定の業界の固定票を取るよりも、幅広く受けを狙い、浮動票を取った候補者が勝つ時代になってしまった。それが、薄っぺらい政治家が増えた大きな原因ではないでしょうか」(ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
今も彼らがのうのうと議員バッジを付けていることに、少なからぬ国民が憤っている。だが本当に腹立たしいのは、彼らがそれを屁とも思っていないどころか、国民を自分たちの「踏み台」、そして「自分たち政治家のために犠牲になるべき存在」と考えているという事実である。
武藤氏は、以前こんなことを書き記していた。
〈「基本的人権の尊重」について。私はこれが日本精神を破壊した「主犯」だと考えているが、この「基本的人権」は、戦前は制限されて当たり前だと考えられていた〉〈国家や地域を守るためには基本的人権は、例え「生存権」であっても制限されるものだというのがいわば「常識」であった〉
簡単に言えば、彼は、
「皆が自由に暮らす世の中はもうやめにしよう。戦前のように、国の命令ひとつでいつでも命を捨てる。それが日本人のあるべき姿だ」
と考えているのだ。
こうした信念をもつ政治家は、武藤氏だけではない。西田昌司参議院議員や片山さつき参議院議員らも、「国民に主権があることがおかしい」「天賦人権論をとるのは止めよう」などと主張し、物議を醸している。
前出の小林氏が言う。
「以前から、自民党の一部では『今の憲法こそ、日本人をダメにした元凶だ。明治憲法に戻さなければならない』という声が根強くありました。これまではメジャーな意見ではなかったのですが、第二次安倍政権以降は、主流になりつつあります。
明治から続くエスタブリッシュメントの人々にとっては、今の憲法はアメリカに負けた屈辱の象徴です。そして安倍総理をはじめ、彼らの子孫が世襲で議員になっている。『われわれこそが支配階級である』と考えている世襲組に、菅義偉官房長官のような叩き上げの議員が仲間に入れてもらおうとおもねる。それが今のこの国の政治です」
銀の匙をくわえて生まれてきた総理大臣が、「わが一族の春」を揺るぎないものにするため強権をふるう。周りには、そのおこぼれにあずかろうとする政治家が群がる——。
日本人は、中国や北朝鮮のことを「独裁体制」の「不自由な国」と言って笑う。しかしこうしてみると、日本も結局、大した違いはないのかもしれない。
■民主党も「お子様」政党
しかし、なぜこんな政治家たちが、選挙のたびに当選してしまうのか。目下、最大の原因は「代わりが見当たらない」ということに尽きる。
民主党政権が成立し、政権交代に沸き返った日本人は、たった3年3ヵ月のうちに、絶望のどん底に突き落とされた。国民が全ての希望を託した民主党は、結局なにひとつ変えられないどころか、最低限の政権運営すら満足にできず、日本を後退させた。
しかも彼らは、自民党に政権を奪回されてからはや3年も経とうというのに、いまだに党の立て直しすらできない体たらくである。
ある選挙コンサルタントも言う。
「以前、民主党の細野豪志元幹事長が安倍総理にネット上で公開論戦を挑んだことがありました。細野氏は文案を練りに練って投稿したのですが、安倍総理と自民党支持者から猛反論されたうえ、『小賢しいことを言ってるんじゃないよ』と外野からも批判され、劣勢に追い込まれた。後で細野氏は、周囲に『オレの言ってることは正しいのに、どうして分かってもらえないんだ』とこぼしていました」
この細野氏の態度こそ、まさしく民主党の抱える「悪い癖」そのものである。選挙コンサルタントが続ける。
「安倍総理や自民党は街頭演説や国会の論戦でも『中国が攻めてきたらどうする』『日本の誇りが失われてしまう』と、ひたすら感情に訴える。それに対して民主党の面々は、『憲法第○条第○項では……』とか『○年○月に締結された条約では……』『民主主義と立憲主義の大原則に反して……』などと、とにかく堅苦しくて小難しいことばかり言っては、得意になっているんです」
政治家の仕事は、勉強の成果をひけらかすことでも、テストでいい点を取ることでもない。こんな簡単なことさえ分からない民主党の議員たちも、自民党とはまた違った意味で、どうしようもなく「子供」だと言わざるを得ない。
「どんな国家でも、その国民一般の平均水準以上の指導者をもつことはできない」と述べたのは、精神分析学者で和光大学名誉教授の岸田秀だった。
以前に比べていくらか下火になったとはいえ、「中国人、朝鮮人は出て行け」「安倍政権に楯突く奴は売国奴」などと、街角で声高に叫ぶ人々はまだ存在する。その一方で、テレビを点ければ、どのチャンネルを回しても「日本人はこんなにすごい」「欧米人が日本を尊敬している」という番組がやたらと目につく。
中国や韓国をバカにする日本人は少なくないが、世界からは「どっちもどっち」と見られていることは、忘れないほうがいい。
「週刊現代」2015年8月29日号より
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