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8月23日SEALDsKANSAI京都でのスピーチ(内田樹の研究室)
http://www.asyura2.com/15/senkyo191/msg/327.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 24 日 08:23:05: igsppGRN/E9PQ
 

8月23日SEALDsKANSAI京都でのスピーチ
http://blog.tatsuru.com/2015/08/24_0753.php
2015年08月24日 07:53  内田樹の研究室


8月23日(日)15:30から京都円山公園で開催されたSEALDs KANSAIの集会で「安全保障関連法案に反対する学者の会」を代表して連帯の挨拶を述べた。

ふだんは即興でやるのだが、この日は少し長めの時間をもらったので、原稿を作っていった。それをだいたい頭に入れて話した。現場でした話と細かいところは違うけれど、だいたいこういう話。

安全保障関連法案に反対する学者の会を代表して、ひとことご挨拶を申し上げます。

この円山公園での「戦争法案に反対する若者の全国一斉行動」にお集まりくださったすべてのみなさんに学者の会を代表して、感謝と連帯の気持ちを表したいと思います。

そして、この間、一貫して忍耐強い、手作りの反対運動を全国規模で展開し、現に行われている国会審議にも強い影響力を及ぼし、さらに国内だけでなく、海外メディアからも注目されるに至ったSEALDs の学生諸君の献身的な活動に対しても、心からの敬意を表したいと思います。みなさんのご努力のおかげで、安保法制に対する反対の運動は、国民的な規模の「うねり」にまで高まりつつあります。

僕が知る限り、過去にこれほど大きな規模の、国民的な政府への異議申し立ての運動が、いかなる既成の政治勢力や政治組織とも無関係に、自発的に、自分たちの手作りで、無名の学生たちがひとりひとりの個人的な発意に基づいて、文字通り「身銭を切って」創り出したことはありません。戦後70年をふりかえっても、このような運動のかたちははじめてのことではないかと思います。

SEALDsのこの運動のかたちは、戦後70年にわたる平和主義と立憲デモクラシーの蓄積という土壌からはじめて生まれた「地場の平和主義、自前の立憲デモクラシー」のかたちだと僕は評価しています。

日本の平和主義と立憲デモクラシーは、残念ながら、戦後日本人が手作りしてきたものではありません。敗戦国として、戦勝国アメリカに「与えられた」ものです。ですから、それを「押しつけられた政治体制」だと言い張る人たちがつねにいた。そして、それがついには日本の政官財メディアの世界、それらの世界の指導層の中での支配的な意見になるに至った。安倍政権を支持し、安保法制の整備に賛成し、自衛隊の海外派兵を国威の発揚のチャンスであり、また絶好のビジネスチャンスであると信じている人たちが、いまの日本の指導層を形成しています。政界、財界、官界、メディアにおいては、すでに多くの領域で「戦争をしたがる人たち、戦争をするためには、平和憲法が最大の妨害であり、立憲デモクラシーという政体が非効率だと思っている人たち」がトップに立っています。

みなさんは、そのような否定的な状況の中から立ち上がった。

僕が一番うれしく思うのは、そのことです。みなさんが語る言葉は政治の言葉ではなく、日常のことば、ふつうの生活実感に裏づけられた、リアルな言葉です。

その「ふつうの言葉」で平和主義と立憲デモクラシーが語られている。これまで、ひとまえで「政治的に正しい言葉」を語る人たちにはつねに、ある種の堅苦しさがありました。なにか、外来の、あるいは上位の「正しい理論」や「正しい政治的立場」を呼び出してきて、それを後ろ盾にして語るということがありました。

でも、SEALDsのみなさんの語る言葉には、そういうところがない。自分たちとは違う、もっと「偉い人の言葉」や「もっと権威のある立場」に頼るところがない。自分たちがふだん学生生活や家庭生活のなかでふつうに口にしている言葉、ふつうに使っているロジック、それにもとづいてものごとの正否を判断している常識、そういう「手元にある道具」を使って、自分たちの政治的意見を述べている。こういう言葉づかいで政治について語る若者が出現したのは、戦後日本においてははじめてのことだと思います。

僕が学生時代に経験した政治闘争から学んだことのひとつは、政治闘争は「持続」しなければならないということでした。いっときの高揚感や興奮によって、夢中になって、寝食を忘れて、家族との語らいも、友だちとの付き合いも、大学での勉強や、日々のふつうの学生生活を犠牲にして行う政治活動は長続きしない。持続できない運動は弱い。そのことを僕はかつて学びました。

そのときに得た教訓は「自分が日常的に、何の気負いもなく語れるような政治的意見でなければ、どんなときにも、どんな抑圧や規制にも耐えて、持ち続けることはできない」ということでした。それこそ、朝起きて歯を磨いて、顔を洗って、ご飯を食べて、というような日常的なルーティンのなかに組み込まれて、自分にとってごく自然で、当たり前のもの、呼吸するように自然に口から出てくるような言葉だけが、どのように歴史的条件が変わっても、風雪に耐えて語り続けられる。「呼吸するように語る言葉」とは「それを口にすることを止めたら自分自身が死んでしまう言葉」だからです。

SEALDsのみなさんのスピーチを聴いて、僕が感じたのは、この人たちはどんな局面でも、どんな人を相手にしても、今ここで言った言葉をそのままきちんと繰り返すことができるだろうということです。それは彼らにとっての「自然な言葉」「深く身体の中にしみこんだ言葉」「身体の奥底からにじみ出てくる言葉」だからです。

そのような言葉づかいで戦後日本の平和主義と立憲デモクラシーを擁護し、顕彰する言葉が語られる時代が来たことを、日本人のひとりとしてほんとうにうれしく思います。

僕たちは安倍政権の登場、特定秘密保護法の制定、集団的自衛権行使容認の閣議決定、そして、戦争法案の強行採決衆院通過というかたちで、この2年間戦後日本の平和主義と立憲デモクラシーが破壊され、踏みにじられ、否定される現場に立ち合ってきました。それは平和主義と立憲デモクラシーの敗北、その失敗を示すものでした。

しかし、それと同時に、SEALDsの運動は平和主義と立憲デモクラシーが、この日本の土壌深くに根づき、こうしてみごとに開花したことを知る機会を提供してもくれました。これは戦後日本の平和主義と立憲デモクラシーの堂々たる勝利と成功のしるしだと僕は思っています。

つまり、僕たちはいま、2015年の夏に、戦争法案の参院審議のさなかにあって、日本の平和主義と立憲デモクラシーの「死」と「再生」の劇に立ち合っているということです。法案が廃案になれば、それは平和主義と立憲デモクラシーの勝利です。決定的な勝利です。日本に外から「押しつけられた」と言われてきた平和憲法の理念が、ついに日本人自身によって選びとられ、その理念を自分のものとして語ることのできる「身体」を持ったということです。

それが事実なら、これは私たち日本人にとって戦後政治史上最大の勝利となるはずのものです。そのような決定的瞬間に歴史的瞬間に、いま僕たちは立ち合っています。

今日この場に参加したすべてのみなさんが、あと何年かしたあと、「2015年の夏に、日本は決定的な岐路にたっていた。そのとき、私は歴史の方向を変える運動に身を以て参加していた」と回想できることを願っています。

ありがとうございました。


 

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コメント
 
1. 2015年8月24日 09:28:10 : MArA8r56CY
2015/08/23SEALDs KANSAI 戦争法案に反対する京都デモ1
http://www.ustream.tv/recorded/71506170

内田樹氏のスピーチは20分過ぎからです。


2. 嫌ネトウヨ、ネトサヨ 2015年8月24日 09:44:42 : E1lRrqAmBUaXw : ujEduM2GZ6
う〜ん、浮いてるね、内田樹のことば。
しっかりと地についてない。まるで現実からかけ離れたうわごとのように聞こえます。


>それほどに生活実感、直感に基づく言葉で語っていた。共通しているのは、「なんかやだ」「安部政権、おかしい!」「私たちを愚弄してるの?」という直感。その自身の感覚だけを頼りに自発的に声を上げている。こうした若者たちの声は、絶対に無視してはならない。そう強く、強く思いました。(内田樹)

生活実感、直感に基づく言葉で語られる政治というのはものすごく大切なものです。わたしもそれだけを唯一大事なものとして発言しています。

だけど、シールズがそうだという根拠なんかどこにもないですよ。これ、完全に内田氏の脳内にある理想の物語でしょ?
だって、シールズの公式ブログをみれば、完全にこれバックにプロがついているとしかみれない、恐ろしい程統御されたものですよ。

ほとんどが英語。しかも顔のない人物が出てきてメッセージを語る。電通か博報堂かそういったプロの仕上げ方ですよ。

「制服向上委員会」の女の子達のような明るい自由闊達な雰囲気の政治語りなんかどこにもない。正直、ぞっとするほど機能的。
これは完全に統御されたプロバガンだです。

背後にいるのはあの「首都圏反原発連合」と同じ組織ですよ。辻元の顔もデモの群衆の背景にありましたが、民主党の一部議員が噛んでいる。
内田樹は民主党ですから、じつは政党色が強いことを内田は知っていてこんなでまかせを述べている。

しかも、わたしの見立てではこのシールズには米国の情報組織が一枚噛んでいる。

みなさんどこの国でも情報工作組織って、必ず、二枚仕立てなんです。左右両派をコントロールしたがるんですよ。

自民党寄りの組織だけが情報工作組織の支援を受けているわけじゃない。自民党に反対する勢力も必ずコントロールしたがる。それでなければ情報工作組織としてはお粗末です。

わたしは民主党の一部議員、辻元なんかは「首都圏反原発連合」にも、この「シールズ」にも関与しているとみているし、辻元は米国の情報組織にも北朝鮮の組織とも関連しているとみています。

話が広がりすぎました。
内田のシールズ観に戻りますが、こんなウソで固めた綺麗事はやめてもらいたいですね。



3. 2015年8月24日 11:02:46 : K2IvysfbEo
>2

1点だけ
公式ブログデザインは
流行好きな学生の素人が作ったレベルです。

あんな読みにくいレイアウトを
プロはしません。


4. 2015年8月24日 11:12:13 : QES3YEvazs
戦争反対ならば。

少なくとも日本は民主主義国家で民意は選挙で決められる。
ところが中国は一党独裁で、すでに戦争準備をしている。
日本国政府にデモ、集会でモノ申すのではなく選挙でモノ申すのがスジ。
中国政府に対しては、デモ、集会でモノ申すしかない。


5. 通りすがりのオレンジ 2015年8月24日 23:56:27 : s22TL2IlIwRoo : eLJFoIs3Hg
本当にこのシールズさんの行動が効果的なものだと思いますか?
「議論」のプロセスや「説得」のプロセスを無視して、ただ自分たちを盲信的に絶対だと信じて、その意見をただただ押し付けているだけのように思います。平和を訴えているのに、とても暴力的で、怖いです。
内田さんはこの活動が本当に効果的であり、意義のあるものだと思いますか?正直、逆効果なようにしか思えません。話し合いが出来ない人間の集まりのようにしか思えないのです。
このような人々が平和を訴えていることに胡散臭さしか感じないので、関わっているのでしたらどうにかしてください。
感情のままに動いて、考えることをしない危険性を内田さんはわかっているはずです。

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