http://www.asyura2.com/15/senkyo191/msg/289.html
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【外交・安保取材の現場から】
民主党につける薬なし! 今度は「核運搬」ですか…
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150823/plt1508231102001-n1.htm
安全保障関連法案は参院での審議が進んでいる。衆院審議に比べ、与党側の質問はより中国や北朝鮮の脅威をストレートに語り、政府と足並みをそろえて安保法制の必要性を語る手法に変化した。一方で、憲法論や法律論に傾斜してきた野党、とりわけ民主党の質疑姿勢は変わらないどころか、ますます現実離れしつつあるように見える。その1つが自衛隊による「核運搬論」だ。
核運搬論は8月5日の質疑で提起された。日本周辺有事などの際の米軍・他国軍への後方支援を定めた重要影響事態法案に関し、民主党の白真勲氏らが「法案が成立すれば、自衛隊が米軍の核兵器を運搬できるようになるのではないか」と質問。中谷元防衛相らは「法文上はできる」とした上で、国是とされる「非核三原則」や、核拡散防止条約(NPT)に加盟していることなどを挙げて、「自衛隊が運ぶことはありえない」と否定した。それでも民主党側は「要は何でもできる」と決めつけた。
この議論は「突っ込みどころ」が満載だ。中谷氏が反論したように、法理上は可能でも非核三原則などの政策判断の歯止めがある。しかも米軍が自衛隊に核兵器の運搬を要請すること自体が考えにくい。核兵器という最高の機密に関し、同盟国とはいえ他国に輸送を委ねようと思うだろうか。
そもそも、米軍の核兵器を自衛隊が運搬することは法理上、現行法でもできる。現行の周辺事態法にも排除規定はない。今回の安保法制が成立したから自衛隊が核を運べるようになるわけではない。
民主党は8月11日に「独自案」の一部として、周辺事態法の改正案要綱を発表。核や大量破壊兵器の輸送の禁止を盛り込んだのが「目玉」の1つということだ。そこまで自衛隊による核運搬が心配なら、なぜ政権担当時代に立法を急がず、今更持ち出してきたのだろうか…。
提起している本人たちが、どこまで「自衛隊の核運搬」に現実味を感じているか自体、相当怪しい。
民主党は「憲法解釈変更で集団的自衛権が認められるなら、同様の手法で徴兵制も導入できる」という理屈で「徴兵制復活論」をあおっている。しかし、民主党の福山哲郎参院議員は7月末のテレビ番組で、日本が徴兵制を導入する可能性を問われて「あり得ない」と即答している。
自分でも信じていない話を触れ回り、国民の不安をあおる行動はデマゴーグという。民主党は何かと「歯止め」にこだわるが、戦争に対する最後の歯止めは、国民の常識だ。無理筋の理屈で国民を惑わし、安全保障に関する理解を妨げるのは、むしろ歯止めを壊す行為に他ならない。
日本は唯一の被爆国として、核兵器の廃絶を国際社会に訴える立場にあるが、同時に米国の「核の傘」に抑止力を依存しているというジレンマがある。その現実を認めた上で、核廃絶のために何ができるかを議論する方が、核運搬論を叫ぶより、よほど意味のあることではないだろうか。
「政権交代する前の民主党は勢いがあったし、現実的な話ができた。今はもう余裕がなくなってしまったんだろうな」。かつて安保に関わる法案で民主党との修正協議に関わった与党議員はそう語る。古典的左翼のロジックを駆使した扇動作戦は、短期的には奏功するかもしれないが、中長期的にはマイナスに働くだろう。各種世論調査で民主党の支持率が伸びないのも当然だ。いったんは政権を担当した党としての矜持はないのだろうか。今の民主党にはつける薬がないというほかない。
(政治部 千葉倫之)
[ZAKZAK(夕刊フジ) 2015/8/23]
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