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40年廃炉 見直さず 自民提言、運転期間延長論を封印
自民党の原子力規制に関するプロジェクトチーム(吉野正芳座長)は19日、原子力発電所の運転期間を原則40年とする現行制度を維持する提言をまとめた。党内の原発推進派は運転期間の延長などを求めたが、老朽原発の積極活用で事故リスクが高まるとの懸念に配慮。運転期間の延長論を事実上封印した。
近く政府に提言を提出する。政府は東日本大震災後、原発の運転期間を原則40年とする一方、原子力規制委員会が承認した原発に限って最長20年延長できる例外措置を設けた。これに対し、自民党内の一部からは原則40年という期限を延ばし、審査をせずとも40年超の運転を認めるよう求める声が出ていた。
運転開始から38〜40年がたち、20年間の運転延長をめざす関電美浜3号機(福井県)などは規制委の審査中に40年の期限を迎える可能性がある。提言では審査中に期限が迫った場合、どう対応するかあらかじめ明確にするよう求めた。
政府は2030年時点の望ましい電源構成(ベストミックス)で、原子力発電の比率を20〜22%とする目標を掲げている。国内に40基余りある原発のうち、30基程度の稼働が必要になる計算だ。40年制限を厳密に運用すると、30年には20基程度しか残らない。目標達成には10基程度の老朽原発の活用が欠かせないが、規制委は老朽原発を厳しく審査する方針で、実現は容易ではない。老朽原発の活用がどこまで進むかは不透明な状況が続く。
[日経新聞8月20日朝刊P.4]
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