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武藤議員は議員活動を続けることを表明(C)日刊ゲンダイ
証券会社が関係否定 離党で済まない武藤議員“黒い集金”疑惑
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162970
2015年8月22日 日刊ゲンダイ
現職の国会議員が「未公開株」の話をデッチ上げてカネを集め、知らんぷり――。「週刊文春」で報じられた武藤貴也衆院議員(36)をめぐる“黒い集金”疑惑は、90年代半ばの「オレンジ共済組合事件」のようだ。武藤氏も自民党も「離党」で幕引きを狙ったようだが、冗談ではない。コトは重大で、刑事事件に発展する可能性が高いのだ。
「極めて恣意的に書かれており非常に心外です」「議員としての活動は今後とも続け、国民の皆さんのご期待に応えられるよう、引き続き日本の安全と繁栄のため、日本の名誉を取り戻すため尽力してまいる所存です」
武藤氏は自身のフェイスブックにコメントを掲載したが、与党の国会議員が詐欺まがいの手口で4000万円を超えるカネを集めたのだ。ネットに一方的な主張を並べてオシマイでは済まない。それこそ「国民の期待に応えるため」に会見を開いて説明するべきだ。それに自民党だって、離党じゃなく、より厳しい除名処分という選択肢もあったはずだ。早々に離党届を受理し、何の調査もしないなんて怠慢だ。政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授はこう言う。
「今回の問題は、武藤議員個人にとどまりません。出資者は武藤議員が与党=自民党の国会議員であることを信用してカネを出した。党の責任も大きいのです。不思議なのは、当選2回の若い武藤議員はなぜ、『国会議員枠』という言葉でカネを集めたのか。集金に使った口座は武藤議員の政策秘書で、久間元防衛相の秘書も務めたベテラン。あくまで私見ですが、未公開株の『国会議員枠』は自民党内で実際にやり取りされているのではないか、と疑ってしまいます。未公開株の特別枠が実在するとなれば、それこそ大問題です」
未公開株の「国会議員枠」が自民党内で日常的にやり取りされているとしたら大スキャンダルだ。武藤氏にペラペラ話されたらたまらない――と、自民党執行部が武藤議員に大甘処分を下したのもうなずける。
■詐欺罪、横領罪の可能性
果たして「国会議員枠」は事実なのか。武藤氏に「国会議員枠」を仲介したとされる「エイチ・エス証券」に事実関係を尋ねると、驚きの回答だ。
〈武藤議員と弊社の間には何ら取引関係がなく、(略)やり取りがあった事実はございません〉〈「国会議員枠」のようなものも実際に存在いたしません〉
これが事実なら、武藤氏は勝手に「エイチ・エス証券」の名を出してカネを集めていたことになる。これを犯罪と言わずに何と言うのか。元検事で弁護士の落合洋司・東海大法科大学院特任教授はこう言う。
「外形的にみて(武藤議員は)詐欺に問われる可能性が高い。国会議員枠という適当な言葉を使って資金を集めながら、株を購入する意思がなかったのではないか、とみられるからです。集めたカネを他の目的に使ったとして横領罪もあり得ます。被害届や告訴状などが提出されれば、警察や検察も動かざるを得ないと思いますよ」
誰が最も「利己的」だったのか思い知るのはこれからだ。
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