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2015-08-20 09:05:46
敗戦から70年、日本は今も本質的には占領状態が続いていると言えます。安倍政権が進める「日米同盟の深化」政策によって、ますます「属国化が深化」しています。問題は、敗戦後70年が経った今、日本人が自らの安全保障策をどう考えるか。自立した国防策を考えるかどうかにかかっていると言えるのではないでしょうか。
山本太郎議員が昨日8月19日、参院安保特委で永田町最大のタブーに切り込みました。これは、誰も知っているけど、恐ろしくてとても口に出せない永田町最大のタブーだけに、朝日新聞も読売新聞も、NHKも扱いに困り、とどのつまり本日の報道は知らん顔をすることにしました。つまり、取り上げずに“無視”することにしたのです。ジャーナリズムの役割り放棄です。
田中龍作ジャーナルというブログが、山本議員の質疑をかろうじて取り上げていたので、これを要約してお伝えします。
それによると、山本議員はまず、「第3次アーミテージ・ナイリポート〜日本への提言9項目(2012年8月)」を特大のフリップで掲示しました。
そして、「日本国の政策はアメリカの対日要求によって決められているのではないか」と切り出したのです。フリップに掲げられた項目は、「原発再稼働」に始まり、「TPP参加」「戦時の米軍と自衛隊の全面協力(今回の集団的自衛権)」「ホルムズ海峡の機雷掃海」「国家機密の保全(秘密保護法)」「PKOの法的敬語の範囲拡大(今回の駆けつけ警護)」……。
安倍政権の政策が、見事にこの米国のリクエスト通りになっていることを指摘しました。9項目以外にも、「集団的自衛権の禁止を解除せよ」「日米共同訓練の強化、兵器の共同開発、サイバー攻撃への対処」なども要求しています。安倍政権はこの「アーミテージ・ナイ・リポート」をただ、忠実に実行しているだけです。安倍首相は、まぎれもないアメリカのポチ公なのです。
ここに出てくるアーミテージはいわずと知れた、アフガン戦争やイラク戦争の折りに、日本に対して「ショウ・ザ・フラッグ(戦場に日の丸を掲げよ=自衛隊を出せ)」、あるいは「グラウンド・ザ・ブーツ(戦場に自衛隊の軍靴を響かせろ)」と居丈高に脅した人物です。ナイは、ハーバード大教授の日本通です。いずれもホワイトハウスの主流からは少し離れたジャパン・ハンドラーズです。
山本議員は、「没落間近の大国のコバンザメをいつまで続けるつもりですか。いつまで植民地を続けるつもりか、お聞きしたい」と追及。これに対して、岸田外相も、中谷防衛相も、要領を得ない言葉を連ねるだけでした。
つまり、政権与党にも、日本の独立した安全保障策はなく、アメリカ頼み一本槍、戦後一貫してアメリカの保護のもとにのほほんとしてきた実態が浮き彫りにされました。
では平和勢力はどうか。「憲法9条を守れ」と繰り返すばかりではなかったか。9条さえ守っていれば、日本の安全は保障されると言わんばかりではなかったか。政権を取った時のことを考えれば、平和勢力には平和勢力にふさわしい戦略が不可欠のはずです。
問われているのは、「日米安保だけ、日米同盟深化だけでいいのか」です。日本は、「国連中心主義」を国是としてきたはずです。「日米同盟」はそこそこにして、「国連中心主義」に回帰すべきです。国連の機能がまひしている現実はあるにせよ、その機能回復にこそ日本は世界の多くの国に呼びかけて、全力を挙げた外交を展開すべきではないでしょうか。
敗戦後70年、今一度、国の安全保障を世界の安全保障策の中で確立すべき時期といえます。平和勢力に課せられた喫緊の課題です。
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