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安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 <第6回>米国への後方支援は武力行使そのものだ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162811
2015年8月18日 日刊ゲンダイ
読者の方にアンケートをとりたい。
〈自衛隊が後方支援として「発艦直前の米軍の戦闘機に給油・弾薬の提供をすること」は、米軍の武力行使と「一体化」しているか。YESかNOか?〉
憲法9条1項は「武力行使」を禁止しているため、いわゆる「自衛のための措置」ではない文脈で、我が国は他国に対する武力攻撃も、武力攻撃に準ずる行為(兵站行為)もできない。しかし前線で戦う米軍に対して、「現に戦闘行為が行われている現場」でない場所からの後方支援であれば憲法違反にはならないとしたのが今度の安保法制だ。これは世界では通用しない、憲法9条下の日本独自の概念である。
さて、冒頭の質問に戻る。本改正法案で、自衛隊は、発艦直前の米軍の戦闘機への給油・弾薬の提供が可能となった。感覚的に、この行為が米軍の武力行使と一体化していないというのは困難だが、論理的に考えても同じである。それは日本がやろうとしていることを逆の立場、すなわち、日本が攻撃されている場合から考えれば明らかである。
我が国がA国と戦闘状態にあるとして、我が国を攻撃しているA国に対して、B国の輸送艦が、近接した公海上でまさに発艦直前のA国の戦闘機に給油及び弾薬の提供をしている場合、A国はもちろん、B国の輸送艦も我が国の個別的自衛権の対象となるはずである。もしB国が個別的自衛権の対象とならないとし、攻撃しなければ、A国への補給は断てず、攻撃され続けることとなり、安倍総理の強調する我が国の防衛を放棄しているも同然になる。
つまり。B国が攻撃対象とならないという帰結は、我が国が後方支援をしたい(「後方支援は武力行使と一体化していない」としたい)あまりに、立場を逆転した場合の攻撃対象を矮小化し、我が国の防衛を犠牲にしていることになる。しかし、B国も個別的自衛権の対象になるとすれば、まさしくB国の行為は武力行使または武力行使と密接に関連した兵站行為となるので、当然、攻撃対象になり、裏を返せば、我が国が行おうとしている後方支援はまさにB国の行為、つまり武力行使または武力行使密接関連兵站行為=「武力行使と一体化」しているのである。B国の補給行為は、我が国が攻撃される場合は攻撃対象になるが、自分たちが行うときは武力行使と一体化していないとするのは、ご都合主義的解釈である。
後方支援の地理的制限を外し、自衛隊の世界展開を決めた瞬間に、自衛隊への法的評価も「日本独自」から「グローバルスタンダード」に変更する。これを直視しない防衛政策では、日本は守れないことになる。
▽くらもち・りんたろう 1983年生まれ。慶大法を経て中大法科大学院卒。安保法案に反対する若手の論客として知られ、衆院特別委にも参考人として呼ばれた。
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