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2015年08月17日 「ジャーナリスト同盟」通信
<日本・アジアを襲う>
日本とアジアは、数年前かそれ以前から友好の歯車が狂い始めてしまった。その引き金を石原慎太郎と米極右のシンクタンクが引いて、尖閣・釣魚問題を表面化させた。時は、財閥の松下政経塾政権の時代であった。これに大きく拍車をかけたのが、現在の安倍・自公連立の国粋主義政権である。アジアにおける緊張政策の網が張られたことを意味する。軍拡競争も勢いを増している。お互い相手の非をことさらに宣伝する、緊張関係が生まれてしまった。アジアの中の、コップの争いである。
<仕掛け人は欧米の戦争屋>
石原や安倍という極右を活用することで、日本政治を異様な姿にさせる。対抗して隣国も身構えることになる。これで一番得する人物・勢力は、闇の戦争屋・死の商人である。アジア諸国の軍拡で利益を上げる世界に網を張るワシントンの超財閥の存在である。
翻って、日清・日露の戦争で浮かれた日本人は多かった。黒幕は大英帝国である。アジア人同士を戦わせて暴利を得たロンドンの黒い戦略であった。
こうした歴史の教訓を学んでいない日本人は、相変わらず少なくない。史実として教えられることもない。したがって、安倍政権の背後を分析することもできない。
<日中の分断>
尖閣問題によって気が付いてみると、日中両国民の間に不信が芽生えてしまったことである。そうした関係を悪用して、極右・日本会議は、特定秘密保護法から集団的自衛権の憲法解釈による戦争を可能にしてしまった。
そのための法制・戦争法を強行している異常な日本である。ほくそ笑んでいる闇の戦略家が目に見えるのだが、多くの国民は気づいていない。日中分断である。人々の緊張がゆるんだりすると、歴史は2度繰り返されることになる。
欧米の闇の戦略家の思惑通りの展開といえる。
本来は、繁栄するアジアの世紀である。日中韓の友好関係が確立する中で、アジアは一挙に世界の中心となって、平和と繁栄を手にすることができる。誰もがそう認識していたのだが。
日本製品にあこがれる中国人である。ここだけでも双方の協力関係は有意義なのであるが。
<日本の国粋主義政権>
闇の戦略家は、戦争が大好きなのである。友好よりも対立・緊張を好む。そうして国粋主義者を政権に就けてしまった。日本は最悪の選択をしてしまったことになる。
自公という、こうした政権を誕生させることが、闇の戦争屋の一番腐心した点であろう。A級戦犯の孫を登場させたところは、敵ながらあっぱれというべきか。NHKをはじめとする新聞テレビを掌握しての極右路線は、これまでのところ恐ろしいほど順調そのものである。
アジアの緊張作りには、戦前の価値観・国家主義者を政権につけることが最も好ましい、と判断したのであろう。そこでは歴史認識での合意はありえない。安倍70年談話が裏付けた。いまでは、中国人と日本人の敵対心をあおることが容易なのだ。
<日本財閥が主力>
あれよあれよという間の戦争体制の構築である。過去を知る日本人は青くなっている。「軍靴の音が聞こえる」からである。
さすがに学者・文化人が声を上げた。庶民大衆も戦争法の脅威に真っ青だ。人々が街頭に飛び出した。3・11の東電福島原発の大惨事も、依然として尾を引いている。
他方、急激な円安と強引な五輪効果で、大手の景気は悪くない。地方と中小企業は厳しい。財閥中心の政策が進行している。これで10%消費税となると、庶民は耐えられないだろう。
それでも「軍靴の音」が聞こえる。戦前体制の復活、それは財閥の暴走でもある。国粋主義政権の主力は財閥である。
<創価学会を巻き込む>
これに創価学会を巻き込んだ点が、これまで全く想定できなかったことである。池田平和主義の創価学会である。まさか戦争法へとまっしぐら?とは、多くの国民は理解できなかった。
ともあれ2度の総選挙で創価学会の威力は、文句なしに発揮され、自民党は圧勝した。そうして安倍の改憲軍拡は急ピッチで進行している現在である。
筆者は必至で信濃町に呼びかけた。戦争遺児の遺言でもあった。
戦争遺児が所属していた婦人部に的を絞って覚醒を求めてきた。「太田を許さない」という彼女の信念を、他の婦人部も共有できると信じたからである。創価大学生も気づいてくれた。
闇の戦争屋の戦略を阻止する手段は、現時点では創価学会の覚醒による戦争法反対しかない。学会離反によって勝利は民衆の側にある。
2015年8月17日記(政治評論家・日本記者クラブ会員・武漢大学客員教授)
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