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15年4月の日米防衛相会談(C)AP
安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 <第5回>米軍の兵站を担う後方支援活動も「違憲」である
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162739
2015年8月15日 日刊ゲンダイ
今回の安保法制について、私は「違憲3点セット」という分類をしている。(1)集団的自衛権の違憲(2)後方支援の違憲(3)自衛隊の武器使用の違憲をあわせて、違憲の“3点セット”である。
このうち集団的自衛権の違憲については、国民の中でもある程度認識が広がっていると感じている。「我が国」を防衛すする個別的自衛権しか認められなかった日本国憲法において、いわば集団的“他衛権”たる他国防衛を認めるのは、違憲であることは、今年6月4日に憲法学者3人が本安保法制に「違憲」を突きつけたことも相まって、集団的自衛権の違憲は定着しつつある。
今回から論じたいのは、後方支援の違憲性である。
今回の法改正において、いわゆる周辺事態法が重要影響事態安全確保法に改正され、新たに「重要影響事態」という概念が創設された。我が国への直接の武力攻撃はないが、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」を「重要影響事態」と呼び(つまり有事でなく平時)、この場合に、米軍等への「後方支援活動」を行えることになっている。
前回まで見てきたとおり、集団的自衛権行使の場面である「存立危機事態」には立法事実はなく、ホルムズ海峡や日本海有事での存立危機事態認定は可能性が低い。しかし、この重要影響事態での後方支援は、兵站活動として、「アーミテージリポート」でアメリカから求められていたもので、今年4月の“新”日米ガイドラインにも追記されたミッションである。すなわち、アメリカが求めているのは存立危機事態防衛ではなく、重要影響事態における後方支援たる「兵站」活動となる。
アメリカは日本の兵站活動を前提に軍事費の削減予算をたて、全世界で展開する米軍の武力行使の兵站の肩代わりを日本に望んでいる。そのために、本改正法案は「周辺事態法」から地理的な制限を取っ払い、世界中でアメリカの兵站活動ができる建て付けとなっている。
具体的に、この「重要影響事態」における「後方支援活動」では、兵員の輸送等の役務提供、さらに本改正によって、発艦直前の戦闘機への給油活動、弾薬の提供を含む物品提供が行われることとなった。
ここで強調したいのは、後方支援が行われる「重要影響事態」については、存立危機事態の新3要件のような「要件」が存在せず、かなり曖昧な「総合判断」による認定で、派遣が可能という点だ。
しかも、重要影響事態は、存立危機事態及びPKOでの自衛隊派遣と両立するため、認定の緩い後方支援で自衛隊を派遣し、その後に存立危機事態へ発展するということも考えられる。「後方支援」という牧歌的な響きに包まれて、「全世界アメリカ支援法案」となっている現実を見過ごしてはならない。
▽くらもち・りんたろう 1983年生まれ。慶大法を経て中大法科大学院卒。安保法案に反対する若手の論客として知られ、衆院特別委にも参考人として呼ばれた。
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