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平和安全法制特別委で答弁する安倍首相(C)日刊ゲンダイ
安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 <第4回>「専守防衛に変更はない」という首相答弁はウソだ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162704
2015年8月14日 日刊ゲンダイ
日本国憲法9条の下で許される自衛権に看板をつけるとしたら、それは「専守防衛」である。この看板を掲げる個別的自衛権は、「必要最小限度」等の制限により、国際法上の個別的自衛権よりもさらに狭い「限定的」個別的自衛権である。これこそが、日本オリジナルの自衛概念であり、憲法9条の下で自衛の措置を合憲化する、孫悟空の頭の輪であった。
一方で、安倍政権は、本安保法制において、専守防衛の概念は「いささかも変更していない」と繰り返し答弁している。これは、明らかな嘘だ。
防衛省の公式見解によれば、専守防衛とは「相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢」である。通常の判断能力を有する一般人の理解において、この定義が集団的自衛権を許容していると読み取れるだろうか。また、ここにいう憲法の精神とは、正しく、守りに徹し、侵略戦争及び先制攻撃の全面否定、ということである。
しかし、政府は7月28日、民主党・大塚耕平参院議員との質疑において、相手の攻撃の意思を「推測」し、政府の裁量で、新3要件を充足したとして、存立危機事態を排除するための武力行使を行う可能性のあることを明らかにした。
我が国への攻撃もなく、その意思も確認できなくても、「推測による裁量」で武力行使はできるというのだ。
実際の攻撃はおろか、その意思もない他国への攻撃は、「先制攻撃」に他ならない。「先制攻撃」という「専守防衛」の対極に位置する概念を認めることは、専守防衛の破棄ないしは解釈による全面変更であり、どちらにしろ「専守防衛」は「いささかの変更もない」という首相答弁は嘘である。
自衛権を制約するために合理的自己拘束としてはめていた「専守防衛」という孫悟空の頭の輪を外してしまえば、自衛権は凶暴な大猿と化し、先制攻撃へと姿を変え、誰にも制御不能になる。三蔵法師のいない「日本国」ご一行において、この暴走の終極的な責任をとるのは「最高責任者」と自負する安倍総理ではなく、我々国民である。私たち自身が、目に見えない「専守防衛という概念」に無自覚であれば、「いささかの変更もない」という嘘の下、その概念は不可視的に変更されてしまう。我々は、「専守防衛」という“憲法の精神”を自省的に再考し、この一線を絶対に譲ってはならない。
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