11. 2015年8月16日 14:51:37
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9さん >ただ、善意の憲法護持派の人の中には、政治に疎い人がいて、憲法より上位に位置し、日本をがんじがらめにしている「日米地位協定」を知らない人が多そうですね。この考えは基をつけた方がいいと思います。 以下「山崎淑子の「生き抜く」ジャーナル!」を参照しながら見てみます。 http://enzai.9-11.jp/?p=12116 ●「日米安保条約」「日米地位協定」・・・「TPP」などと憲法 「憲法の方が上位にある」これが基本中の基本です。 −−−−− この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。 −−−−− −−−−− 日本国憲法は日本国の最高法規であることが確認されているが、第2項で国際法規の遵守が規定されており、憲法と国際法規のどちらの効力が上位であるかがかつては問題となった。しかし現在は判例はないものの、厳格な改正手続を要する憲法が条約によって容易に改廃できることとなるのは背理であるから憲法優位説がほぼ一致した通説となっている。 −−−−− ただし、条約優位説を唱える人もいることは確かです。 ●砂川判決 −−−−−− 裁判所も基本的には憲法優位説を採用しているのですが、難儀なことに、違憲か合憲かを積極的に判断することを回避しているのです。 俗に「砂川事件」なる判決において最高裁は、「条約に余程の憲法違反がない限り、裁判所は条約が憲法違反か否かを積極的に判断しない」と言っているのです。 −−−−−− 砂川闘争は、在日米軍立川飛行場(立川基地)の拡張に反対して1955年から1960年代までたたかわれた住民運動である。砂川事件は測量阻止のデモ隊の一部が立ち入り禁止の境界柵を壊し基地内に数メートル立ち入ったとして、23人が検挙され、うち7人が日米安全保障条約に基づく刑事特別法違反の罪に問われ起訴された事件です。 一審では、米軍駐留は憲法違反であり被告全員無罪との判断が示されたが(伊達判決)、上告審で最高裁判所が「統治行為論」によって原判決を破棄したことから、逆転して1963年12月25日に7人の有罪が確定した。 この「統治行為論」こそ最高裁が「安保条約」が憲法違反かどうかを判断することを放棄した悪しき判例となったのです。 憲法を殺したと行ってもいいくらいです。 しかし・・・やはりいつもの悪いやつが背後にいました。 ●米国の圧力が明るみに出た。 <Wikipedia:砂川事件> https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E5%B7%9D%E4%BA%8B%E4%BB%B6 −−−−−−(抜粋して引用) <最高裁判決の背景> 機密指定を解除されたアメリカ側公文書を日本側の研究者やジャーナリストが分析したことにより、2008年から2013年にかけて新たな事実が次々に判明している。 まず、東京地裁の「米軍駐留は憲法違反」との判決を受けて当時の駐日大使ダグラス・マッカーサー2世が、同判決の破棄を狙って外務大臣藤山愛一郎に最高裁への跳躍上告を促す外交圧力をかけたり、最高裁長官・田中と密談したりするなどの介入を行なっていた。 跳躍上告を促したのは、通常の控訴では訴訟が長引き、1960年に予定されていた条約改定に反対する社会党などの「非武装中立を唱える左翼勢力を益するだけ」という理由からだった。 そのため、1959年中に(米軍合憲の)判決を出させるよう要求したのである。 外務省は「関連文書」の存在を認め、2010年4月2日、藤山外相とマッカーサー大使が1959年4月におこなった会談についての文書を公開した。 また田中自身が、マッカーサー大使と面会した際に「伊達判決は全くの誤り」と一審判決破棄・差し戻しを示唆していたこと、上告審日程やこの結論方針をアメリカ側に漏らしていたことが明らかになった。 ジャーナリストの末浪靖司がアメリカ国立公文書記録管理局で公文書分析をして得た結論によれば、この田中判決はジョン・B・ハワード国務長官特別補佐官による“日本国以外によって維持され使用される軍事基地の存在は、日本国憲法第9条の範囲内であって、日本の軍隊または「戦力」の保持にはあたらない”という理論により導き出されたものだという。 田中は砂川事件上告審判決において、「かりに…それ(駐留)が違憲であるとしても、とにかく駐留という事実が現に存在する以上は、その事実を尊重し、これに対し適当な保護の途を講ずることは、立法政策上十分是認できる」、あるいは「既定事実を尊重し法的安定性を保つのが法の建前である」との補足意見を述べている。 古川純専修大学名誉教授は、田中の上記補足意見に対して、「このような現実政治追随的見解は論外」と断じており、また、憲法学者で早稲田大学教授の水島朝穂は、判決が既定の方針だったことや日程が漏らされていたことに「司法権の独立を揺るがすもの。ここまで対米追従がされていたかと唖然とする」とコメントしている。 −−−−−−−−− ●安倍政権の解釈改憲の根拠に使われた砂川裁判 自衛隊の存在及び集団的自衛権の行使についてのこれまでの政府関係は以下のようなものだ。 −−−−−−−−(Wikipedia) 政府見解は、自衛のための必要最小限度の実力は憲法9条の「戦力」に該当せず、自衛隊は軍隊に当たらないという構成をとる。また、自衛措置について、1972年の政府見解は「国民の権利が根底から覆される急迫、不正の事態」について「必要最小限度」に限り発動できるとしている。 ただ、1972年の政府見解は結論としては「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」とした。これは集団的自衛権は我が国が攻撃されていない場合であり、自衛のための必要最小限を超えるもので憲法上禁止されているという論理に基づく。 −−−−−−−− しかし、安倍政権は砂川事件を根拠に解釈変更をたくらんだ。 −−−−−−−− 2014年4月、参議院議員で公明党代表の山口那津男は砂川事件の最高裁判決について集団的自衛権を視野に入れたものとは思っていないとの認識を示した。 これに対し、同年5月、衆議院議員で自民党副総裁の高村正彦は砂川事件の最高裁判決は自衛権に触れた唯一の最高裁判決で集団的自衛権を除外していないという認識を示した。 衆議院憲法審査会では、自民党副総裁の高村正彦が砂川事件の最高裁判決は自衛の措置を認めていると指摘した上で「従来の政府見解における憲法9条の法理の枠内で、合理的な当てはめの帰結を導いた」と主張した。 これに対して、民主党幹事長の枝野幸男は砂川判決は日本の集団的自衛権の合憲性を争ったものではないと述べた −−−−−−−−− ●条約優位説(憲法より条約が上)や「統治行為論」を採るもの意図 条約優位説や米国に強要された砂川裁判の「統治行為論」などを採用する者達の狙いは、なんの努力もせずに米国の意向に従って政治(立法)、行政、司法を行う官僚や傀儡政権のよりどころにされているのだ。 砂川事件で米国の圧力に卑屈にも屈した最高裁の「統治行為論」は官僚や傀儡政権にとって渡りに船のようなものであった。それは今も続いている。 政治、行政、司法が国や国民の方に向いておらず、米国の方を向いて隷属しているこの状況は植民地というほかない。 |