7. 2015年8月12日 23:13:43
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Business | 2015年 08月 12日 16:03 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス焦点:安倍内閣の支持率低下、政策期待で株価逆行 http://s4.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20150812&t=2&i=1071270594&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&r=LYNXNPEB7B0C8 8月12日、安倍晋三内閣の支持率低下に対し、日本株は逆行して上昇してきた。その背景には支持率が下がれば、財政出動など政策を打ち出すとの期待がある。都内で5月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai) [東京 12日 ロイター] - 安倍晋三内閣の支持率低下に対し、日本株は逆行して上昇してきた。その背景には支持率が下がれば、財政出動など政策を打ち出すとの期待がある。しかし、支持率は「危険水域」と呼ばれる水準に接近し、上昇する不支持率と逆転した。アベノミクス相場を支えてきた海外投資家が姿勢を変化させれば、これまでの相関関係が崩れるリスクも高まる。 <半減した支持率、倍化した株価> 安倍政権の支持率と株価は、これまで逆行してきた。2012年末に発足した第2次安倍内閣で、一時70%近かった内閣支持率は、その後、波はあるものの徐々に低下し、足元では30─40%前半で推移。今年7月の各社世論調査では、政権発足来初めて不支持率が支持率を上回った。 一方、株価は上昇を続けてきた。内閣発足当初の2012年11月半ばに8600円台だった日経平均.N225はその後、2.4倍に上昇。足元は、中国の人民元切り下げなどの影響もあって、調整色を強めているが、11日の市場で日経平均.N225は2万0900円台を回復。TOPIX.TOPIXは約8年ぶり高値を付けている。 戦後のほとんどの内閣で、支持率と株価は相関関係にあった。安倍内閣がほぼ唯一例外なのは「与野党ともに(安倍首相の)対抗馬がいないためと、経済重視の政策が当たってきたため」(りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏)との見方が多い。安倍内閣の支持率低下の理由は経済政策への失望というより、安全保障など外交面における批判が高まっていることが背景にある。 しかし、その「逆相関関係」がこれからも続くとは、言い切れなくなってきた。一部調査で支持率は32%に低下。アベノミクス相場を先導してきたのは外国人投資家だが、「30%台前半になれば危険水域と呼ばれる20%台が視界に入るため、彼らも警戒感を強める」(外資系証券エコノミスト)との指摘も出ている。 <首長選が大波に化ける日> 9月6日の岩手県知事選。与野党対決の選挙戦として関心が強まっていたが、自公が支援するはずだった元復興相の平野達男参院議員が7日、出馬を取りやめた。 現職の参院議員である平野氏が知事選に名乗りを上げれば、岩手選挙区で補欠選挙が行われる。知事選で現職・達増拓也知事に敗れ、参院議席も逃す「連敗リスク」を避けたとの見方が永田町では広がった。 9日の埼玉県知事選で自民県連推薦候補が敗れ、23日には盛岡市長選がある。自民出身で4選を目指す現職に民主県連推薦の新人が挑む。来年の参院選を占う上で、首長選は小粒でも貴重な試金石だ。与党信認票がいつまでも伸びなければ、安倍政権を揺さぶる大波に化ける可能性も否定できない。 海外市場では支持率低下を受けて、9月の自民党総裁選に対抗馬が登場するシナリオを描く参加者もいる。英HSBCは支持率が2割台に下がれば無投票ではなくなる可能性もあるとし「安倍首相がいなくなっても、アベノミクスは存在するのだろうか」と疑問を呈している。 <支持率低下で高まる政策期待> 支持率が低下すればアベノミクスは推進力が揺らぎ、政権発足から続いた株高や円安が止まり、やがて逆行する。市場が警戒するリスクだ。ところが、投資家の中には逆に政策発動の可能性が強まるとの見方も少なくない。 ある在京ヘッジファンド・マネージャーの読みはこうだ──。首相は自らの政治意思を実現するため支持率の低下を承知で仕掛けている。自身の支持が好転してきた景況感に支えられていることも理解しているはず。「そうした状況で株価まで大きく下げられるわけがない。そうなれば官邸は株価の維持に必ず動く」。 与党が衆院で安保関連法案を強行採決するとの報道が出始めた7月初旬。金融市場では国内外の一部短期筋の間で日本株売り/円買い仕掛けが活発化したが、日経平均は結局、2万円台を大きく割り込むことなく反発。ドル/円JPY=EBSも一時125円台へ上昇した。個別では建設株が人気化。「秋の補正予算編成の可能性が高まった」(国内証券)との思惑が強まったためだ。 だが、あるファンドの幹部は、アベノミクスの実態は金融緩和と財政出動という「昭和の残滓(ざんし)」的政策のみだと切り捨てる。「政権交代後の日本株高は、海外勢の円資産保有高が著しく少なかった反動に過ぎない。持っていなかった、安かったというだけで、現状でも日本がオーバーウエートといえる投資家は多くない。しばらくは様子見が妥当な戦略だろう」と話す。 安倍内閣が、支持率低下に対応して株高を支援する政策を打ち出したとしても、日本企業の「稼ぐ力」(今年の通商白書)につながらなければ、いずれ市場の見方も変化する。「官製相場」と批判される東京市場の歪みが大きくなれば、将来の禍根を大きくすることになりかねない。 (基太村真司 伊賀大記 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/2015/08/12/abe-idJPKCN0QH0NX20150812?sp=true |