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だから答弁がメチャクチャ(C)日刊ゲンダイ
安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 <第2回>ただの妄想の法案化 “存立危機事態”に立法事実なし
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162622
2015年8月12日 日刊ゲンダイ
新たな法を制定するときには、その法の制定の必要性を支える「立法事実」が存在する。「立法事実なき立法」は、ただの妄想であり、いわんやこれが違憲の問題にわたる場合は、ただの「悪夢」である。
今回の安保法制では、新たに武力攻撃の概念を広げ、我が国と密接な他国に対する外国の武力攻撃(「存立危機武力攻撃」という)により、我が国が「存立危機事態」に陥ると、限定的集団的自衛権が行使できる。つまり、存立危機事態として想定されているものが、本法制の立法事実になるのだが、そんな事態がありうるのか。
存立危機事態防衛の基礎になる(1)【間接攻撃型=ホルムズ海峡】と(2)【直接突発攻撃型=日本海有事】に分けて考えてみよう。
まず、政府がよく言及する(2)ホルムズ海峡事例だが、米国が中東の第三国と戦闘状態になり、ホルムズ海峡に機雷敷設されても、機雷敷設行為をもって我が国の存立危機事態にはならない。石油ルートが遮断され、150日間の備蓄期間も経過し……餓死者が出るような事態になったときに初めて存立危機事態を認定し、そこからさかのぼって、150日前の機雷敷設行為を存立危機武力攻撃と認定する。この場合、この間に他国が機雷掃海した場合や、ホルムズルート以外の石油ルートが確保された場合(経済的不利益のみの場合)は、存立危機武力攻撃はなくなったことにするのか。おそらく、他国だって、手をこまねいているわけではないだろうから、そもそも、ホルムズ事例で存立危機事態に陥ることがあるのかどうかは疑問だらけだ。
(2)日本海有事型でも、日本海近海で第三国の米国への攻撃があった場合、その一撃目の直後に米国は第三国に反撃をするであろうから、現実に一撃目を存立危機武力攻撃と認定する時間的余裕などない。
つまり、従来の自衛隊法にある「我が国に対する武力攻撃」は、それが行われれば即認定可能であるのに対して、存立危機武力攻撃は、その攻撃があった段階で、それが存立危機武力攻撃なのかどうかはわからず、攻撃による結果から逆算して事後的・遡及的に当該攻撃が存立危機武力攻撃であったという評価を含んだ認定をするため、不明確さを拭えないし、非現実的な話になってしまう。
結論として、(1)ホルムズ事例で現実的に我が国が存立危機事態に陥ることは考え難く、(2)日本海有事事例では、現実に存立危機事態防衛をすることは不可能である。また、もし、我が国と密接な他国への武力攻撃があれば、存立危機事態もほぼ自動的・推定的に認定するのであれば、それは政府の禁止する「フルスペックの」集団的自衛権そのものになる。
存立危機事態防衛を合憲的に基礎づける必要性が考えられる事象はなく、従って、存立危機事態防衛の立法事実は見当たらない。ないものをあると言い、本法制を成立させるならば、それは悪夢に他ならない。
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