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佐野氏に致命的“コピペ疑惑” 五輪エンブレム「無理」と専門家
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2015年8月12日 日刊ゲンダイ
疑惑が次々と…(C)日刊ゲンダイ
東京五輪のエンブレム酷似問題で、デザインの盗用を主張しているベルギーのデザイナー、オリビエ・ドビ氏は国際オリンピック委員会などに、使用の差し止めを求める文書を送付。対する東京五輪組織委員会は「絶対の自信を持って使っていく」(森喜朗会長)と強気の構えを崩していないが、どうも雲行きが怪しくなってきた。
エンブレムを制作したアートディレクター佐野研二郎氏に、新たに“コピペ疑惑”が浮上しているからだ。
問題視されているのは、サントリーが現在実施しているプレゼントキャンペーンのために佐野氏がデザインしたトートバッグだ。これが、米国のサイトにアップされている看板の画像と、色、形、文字のかすれ具合など、どこをどう見ても“コピペ”したとしか考えられないほど酷似している。
佐野氏がデザインしたトートバッグは、これ以外にもフランスパンやサングラス、小鳥などの画像のコピペや、デザインのアイデアを「盗用したのでは」などとネット上で次々に指摘され、大騒ぎになっている。
疑惑が膨らむ佐野氏に対し、さすがに専門家も懐疑的な目を向け始めていて、大阪芸術大芸術学部の純丘曜彰教授(芸術計画学科)は10日、あるビジネスサイトのコラムで、「東京オリンピック・エンブレムはもう無理筋」と書いていた。
改めて純丘氏に聞いたところ、「仮に権利関係をクリアした“コピペ”だったとしても、画像をそのまま使う行為自体、プロのデザイナーとしての資質が問われる」と、こう続ける。
「権利関係うんぬん以前に、今回のトートバッグの一件で、佐野氏はネットの“奥深い”ところからも素材を拾ってきている。それが明らかになってしまった。佐野氏は釈明会見で『盗用は事実無根』と反論、ドビ氏のデザインは『見たことがない』とオリジナリティーを主張していましたが、もし“コピペの常習”となれば、エンブレムだけが似ていない、関係がないと“著作の独立性”を主張するのは難しくなります。ドビ氏のデザインもネットで知り得た可能性が高いということを、自ら“立証”してしまったようなものです」
ドビ氏側は裁判で、その点を突いてくるかもしれない。いくら五輪組織委が「商標はこちらにある」と主張しても、佐野氏に著作権がないとなったら、商標もパーだ。新国立競技場と同様、エンブレムも白紙撤回せざるを得なくなる。
「佐野氏の作品を選んだ審査員の審美眼も問われますが、何より、国民に愛されていないエンブレムをゴリ押しするのは、いかがなものか」(純丘曜彰氏)
使用が差し止めとなれば、また税金の無駄遣いになる。引き返すなら、早い方がいい。
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